フォーマルな装いが求められる催しの招待状が届いた際、出席をためらう理由のひとつは装いのルールに難しさを感じるからだろう。しかし、それは誤解。むしろ、ルールがあることによって、何を着ればよいかという悩みから解放されるのだ。
フォーマルスタイルは着分けをマスターすべし
まず、ファーマルコーデは場の格によって正礼装、準礼装、略礼装に分かれる。このうち、正礼装はすべてのアイテムのデザインからディテールまで厳密なルールがあり、アレンジが許される範囲は少ない。
準、略と下がるにつれ、ルールは緩やかになり、着くずしでお洒落を楽しむこともできる。次に留意したいのは、午後6時を境として、昼と夜によって着分けが必要となること。日本古来の礼装には時間で区別という考え方がないためか、いちばん混乱するところでもある。特にタキシードは夜間の礼装だが、昼の結婚パーティに着用する人は多い。実はこれが間違い。昼のシーンで着るのが一番恥ずかしい行為なのだ。紳士たるもの、ほかの人が着ているからと、安易に合わせないこと。国際的には間違いであることを知っておかなければならない。
フォーマルのレクチャーでは、まずルールに則り、それからルールを破る、と語られる。しかし、実際にはルールを厳格に守るべき催しは数少ない。だから、カジュアルなパーティでフォーマルのアレンジを楽しみ、いざ格式の高い会に出席する際は、堂々と正統に装うのが現実的かつ理想だ。
Day-Formal
Night-Formal
ここでは昼と夜のフォーマルの着こなしについて紹介した。まずはフオーマル着用のルールを理解していただき、シーンにあったフォーマルの着こなしを楽しんでいただきたい。
※価格は2012年冬号掲載時の情報です。
- TEXT :
- 鷲尾顕司 エディター
- BY :
- MEN'S Precious2012年冬号「必読!フォーマルの強化書」より
- クレジット :
- 撮影/小池紀行(パイルドライバー)スタイリスト/梶谷早織 構成/鷲尾顕司(ViVid)