イタリア・ミラノで長い間テーラーを営んできた「サルトリア イプシロン」の船橋幸彦氏が仕立てる美しいシルエットの乗馬用燕尾服は、服の仕立てにうるさいイタリアの洒落者たちをも納得させる仕上がりだ。
本格的な礼装を見てもらいたかったんです」と、ロンドン五輪に触発されて、フォーマルのなかでもより珍しいスタイルに挑戦したそうだ。
一方、身近な礼服に目を向けると、船橋氏らしい、しなやかな仕立て技が際立つタキシードなどがそろう。
外見からは、ややタイトなシルエットながらも、ゆとりのある落ち着いた着用感が「サルトリア イプシロン」の真髄である。
「太すぎず細すぎず、という微妙なバランスで礼服も仕立てています。専門的になりますが、首の付け根の1点に上着が載るようなつくりで軽さを表現しています」
これは「サルトリア イプシロン」の一貫した服づくりの鉄則。礼服でもスーツを仕立てるときでも、着心地までも意識した、変わらぬ秘密なのである。それだけではない。礼服を仕立てる際には、船橋氏は、アトリエに保管した、1920〜30年代のイタリアの燕尾服やモーニングを観察しては、当時の巧みな仕立てと縫製具合をオーダーメイドに応用しているのだ。
「ボタンの穴かがりや縫製、特にダーツの入れ方にフォーマルウエアに対する、ヨーロッパの美意識の高さを感じます」
細部の美しい仕事に加え、生地を寄せて立体的に仕上げる、いせ込みといわれる仕立て技術を多用して、軽くしなやかで着心地のいい礼服をつくり出すのが「サルトリア イプシロン」のオーダーメイドである。
大胆なデザインと美しいディテールが混然一体となった、乗馬用燕尾服。生地は重厚感のあるウール生地のドスキンを使用し、上襟にはエンジの別珍を配する。ダブル6ボタンでテール部分にも、金ボタンをデザイン。まさに「サルトリア イプシロン」のフォーマルウエアを代表する逸品だ。もちろん、一般的な礼服にも卓越した仕立て技が生かされているのは言うまでもない。タキシードやモーニングの素材に、英国の名門テーラー&ロッジやイタリアのカノニコなどから極上の生地が選べる。
いかがだろう、サルトリア・イプシロンの着心地の秘密を実感するには、まずは問い合わせをしてみては。
■SHOP DATA
サルトリア イプシロン
住所:東京都中央区日本橋本町 4−7−1 イマスHKビル5FーB
TEL:03-6225-2257
http://www.sartoriaypsilon.com
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2012年冬号「必読!フォーマルの強化書」より
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- クレジット :
- 撮影/篠原宏明 構成・文/矢部克已