平成から令和へ。新しい時代の幕明けに沸き上がった日本列島。超大型ゴールデンウィークも終わり、ようやく日常の落ち着きが戻ってきたように思います。
「改元フィーバー」と時を同じくして、日本列島では訪日外国人観光客による「桜フィーバー」も繰り広げられており、訪日外国人の通訳・ガイドを担う私たち通訳ガイドは連日、インバウンド最前線で外国人観光客の対応をする怒涛の日々を送っておりました。
「桜を愛でる」という、古来からの日本の慣習が今や世界的にも広がっており、「花見」という言葉は、近年は、「SAKURA HANAMI」になり、国際的な知名度が高まっているとか。
桜を目当てに、例年を遥かに上回る数の外国人観光客が日本を訪れた今年の春。魅力的な海外マダムたちとの出会いの数も過去最高となりました。
オーストラリア・シドニーから来日したブリオニー夫婦の美意識に学ぶ「豊かな人生の過ごし方」
その中でも今春、私が一番印象に残った女性が、シドニーからご主人・アンソニー&息子さんと一緒に来日し、3日間東京に滞在したブリオニーさん。
日本滞在中、彼女が私に垣間見せてくれた、高い美意識。そして、母として、妻として、一人の女性として、自分の人生を愛しみ、輝き続けるために彼女が実践しているtipsを今回、ご紹介させていただきます。
ブリオニーの旅スタイルはドリス ヴァン ノッテンづくし!
ブリオニーの日本観光初日のファッションは、黄色×黒を基調とした織りのスプリングコート、鮮やかなレモンイエローのセーター、黒のジョッパーズパンツ。全身、ドリス ヴァン ノッテンでコーディネートされていました。
絵画的な美しさを持つドリス ヴァン ノッテンは、私にとっても憧れ、愛してやまないブランドのひとつです。
洋服のフォルムに合った最適な色や織りと、プリントや刺しゅうなどの加工技を駆使して創出される、その美しさ。無数にある選択肢の中から最適な組み合わせを導き出し、服作りをアートの領域にまで引き上げている、唯一無二のブランドだと思います。
一方で、ドリス ヴァン ノッテンを着こなすには「アートに精通している」、または「自分独自の生き方を確立している」といった、クリエイティビティ、内面的成熟度が必要不可欠条件なブランドだという認識も、私のなかに色濃くあります。
実は、長いこと憧れていたのにかかわらず、自分自身が、ドリス ヴァン ノッテンを身につけるようになったのはここ数年のこと。創作活動を本格的に始め、自分の内面的要素がようやく、ドリス ヴァン ノッテンの真髄を本当に理解できるまでに成熟してきたかもと、感じ始めた頃からでした。
感度の高いドリス ヴァン ノッテンを、上品に、カジュアルダウンした上で、旅のスタイルに取り入れた彼女は、まさに「独自の生き方を確立している大人の女性」として表参道に現れたのです。彼女の魅力の秘密を探りたい!という、衝動に駆られた自分がおりました。
共有させていただいた時間の中で、ファッション、アート、美容について、母、妻として家庭を守りながら、女としても最高に美しく生きていくために実践していることについて、ブリオニーの考え方を伺いました。
服を美しく着こなすために、インターミッテント・ファステングを実践。優雅でストイックな人生を送るブリオニー夫妻の生き方のポイント3つ
■1:体型維持のためにコストをしっかり負担する
世界的規模のビジネスを展開している彼女のご主人、アンソニーは、とても自由で柔軟な思想の持主です。高いソーシャルステイタスを持つ男性にありがちな、固定観念からは完全に解き放れ、個々の考え方、生き方を尊重する姿勢が、トム・ブラウンとマルジェラをこよなく愛す、彼のファッションコーデからも伺うことができました。
「I don’t want her to get exhausted from looking after the family all the time.
I want her to have her own time so that she can stay her beautiful self and feel at ease.」
(僕は彼女が家族の世話だけで疲弊してしまうことは望まない。彼女には自分の自由な時間を持ち、心を豊かに満たし、いつまでも美しくいてほしいんだ)
と語るアンソニー。
愛する妻・ブリオニーが優雅で美しい人生を送るためのベースを作るのが自身の義務だ、と考えてらっしゃるようで、彼女のために、週に3回ハウスメイドを雇い、彼女が家事から解放され、自分の時間を優雅に楽しめるようにと願う、心優しい、理想的なご主人なのです。
「ところでキャメロン(筆者)は、月に何回くらいエステに通っている?」とアンソニーに聞かれ、「月に2回くらい。さっき、明日のエステの予約を入れたばかり」と返事をしたところ、「綺麗になる努力を続けていて、えらいね!」と、お褒めの言葉が。
「エステに行くのは贅沢なことだ」と、自分の主人に対し、少々後ろめたい気持ちを持っていた私でしたが、アンソニーからこんな言葉をかけてもらったおかげで、心が軽くなりました。これからは、いつまでも若々しくいるためにも、罪悪感を持たずに、エステ通いを続けたいと思った次第です。
このように、同じ価値観、美意識を共有しているブリオニーとアンソニーは、好きな洋服を最高に美しく着こなすために、体形維持の努力を惜しみません。
日々の生活の中でふたりで実践しているのが、今、海外で大流行中の「インターミッテントファスティング Intermittent fasting」です。
■2:ダイエット方法「インターミッテント・ファスティング」を通じて、無理せず食欲と体型をコントロール
インターミッテント・ファスティング(略してIF)は、直訳すると、「断続的な断食」。
その名のとおり、毎日、ある一定の時間内は食事をしてもいいけれど、その他の時間は、水以外は何も口にしないという、プチ断食のようなダイエット法です。
IFには、何通りもの方法があり、自分の体質に合ったやり方で行うことができるのが特徴です。
ブリオニーとアンソニーが実践しているIFの方法は、以下の通り。
「We have both started intermittent fasting, lately, though, not currently while on holiday!
Generally, we have a early dinner, around 6pm, mostly protein source and green vegetable (steamed).
The next morning, I have a flat white coffee or two.
Then wait until between 12pm-1:30pm to have a late breakfast or lunch.
Late breakfast could be 2 poached eggs, quarter avocado or a little bacon.
Lunch option is generally grilled chicken and mixed leaf salad, sometimes, it may be smoked salmon or tuna, instead.」
(ふたりでIFを始めたんだけど、最近はもっぱら休日だけ実践しているの。
18時頃に、プロテインソース、蒸した緑黄色野菜などの早めの夕食を摂り、翌朝は、ホワイトコーヒーを1,2杯飲むことにしているの。
それから、12時~13時半までは何も食べずに、遅めの朝食かランチを食べます。
遅めの朝食の内容は、ポーチドエッグを二個、アボガド1/4か、またはベーコンを少々。
ランチを食べる場合は、グリルしたチキン、ミックスリーフサラダを食べることが多いわ。
時々、代わりに、スモークサーモンやツナを食べることもあるけれど)
※ホワイトコーヒーとは、オーストラリアで’80年代から流行っている、コーヒーショップの定番メニュー。
日本では、下北沢の「フランキー メルボルン エスプレッソ」などでいただくことができます。
とても効果ありそうだけど、長時間、何も食べずに辛くないのかな? と私が疑問をぶつけると、
「You get used to the fasting state in 2 weeks.」
(二週間くらい経ったら、空腹状態にも慣れてくるよ)
との答えが、アンソニーから。休日だけ実践して、体型を保てるなら、平日は忙しいビジネスパーソンにとってもやりやすそうですよね。インターミッテント・ファスティング、気になる方はぜひ、自分に合うやり方を調べてみてください!
■3:普段は口にしない炭水化物も、旅行中は楽しむ。メリハリの効いた姿勢
実は、おふたりがここまで体型維持のために努力していらっしゃるのを事前に知らなかった私は、「自分のとっておきのランチスポットに案内したら、彼らが喜んでくれるだろう」と思い、二日目のランチにピザレストランを提案してしまいました。
そんな際にも「旅行中は、ローカルの人たちに人気のレストランで美味しい食事を楽しもうと思っているから、何を食べてもまったく問題ないよ」と、優しく受け入れてくれたご夫婦。中目黒のピザの名店中の名店「聖林館」にて、三人でシャンパンとカルツォーネ、サラダ、ピザをシェアしました。
店内に流れるBeatlesの曲を皆で口ずさみ、Beatlesを聴いていた自分たちの青春時代を語り合い、美味しい極上時間を過ごすことができました。
普段はストイックに自分を律しているのに、非日常の旅時間には自分を思い切り解放する。旅行中に摂取した余剰カロリーは、帰国後のファスティングで調整すればいい、という考え方。オンとオフをきちんと分けられる意思の強さも素敵だな、と思いました。
美意識の高い海外ゲストは、中目黒~代官山エリアがお気に入り
ここからは、実際にブリオニー夫妻を案内したコースの一部をご紹介します。
chill out spot(落ち着ける場所)として、日本人だけでなく海外ゲストからも愛されているのが、中目黒~代官山までのルート。特に中目黒は、スタイリッシュさと自然が融合し、多面的な魅力が詰まった場所であり、美意識高い海外ゲストの感性にぴったりとマッチするようで、お連れすると、どのゲストも必ず喜んでくださいます。
目黒川は言わずと知れた、桜の名所。桜を愛でながら、目黒川沿いに立ち並ぶ個性的でスタイリッシュなカフェ、ブティック、雑貨ショップに気ままに立ち寄るという最高にオシャレなお散歩時間。今回、彼らも十二分に堪能してくれました。
目黒川沿いに展開する日本のブランドでショッピング
そんな中目黒でのお散歩中に、彼らの美意識がキャッチしたブティックは、こちらの5つ。
Vase
Vendor
1LDK
PLAIN PEOPLE
ウヴラージュクラス
ウヴラージュクラスで、ベージュのスプリングコートを見つけたブリオニー。
高品質なのにコスパが良く、どんなブランドとも組み合わせられる万能性に感激し、アンソニーにも、「あなたも着てみたら? ふたりの共有アイテムにしましょう!」と、即買いしていた様子が、とても微笑ましかったです。
アンソニーは、Vendorがお気に入りで、これからの初夏の季節に必要なアイテムをたくさん購入されていました。
ブリオニーから見た日本女性のファッションは「女性に自信を与えている存在」
三日間の東京滞在中に、東京の街を闊歩するファッショナブルな日本女性を見て、彼女は私にこんなことを話してくれました。
「Japanese ladies look very confident. I suppose one of the reason is that they`re so fashion conscious. They know how to coordinate clothes well, also they pay attention to the details.
Fashion makes them look more confident.」
(日本の女性は自分に自信を持っているように思える。それは、日本女性が流行に敏感で、洋服の着こなしテクニックを持っているからではないかしら。日本女性はファッションの細部にまで気を配っている。ファッションが、日本女性に自信を与えてくれてるのよ)
実際のところ、日本女性は、長いこと欧米セレブファッションをお手本にして、ファッションを研究してきたわけなので、そのあたりの事情を彼女に説明したところ、「日本女性のファッションは、既に欧米を越えているわよ」とのコメントが。
なるべく目立たないように、控え目にしていることが美徳とされてきた土壌で育った日本の女性ですが、その意識と実際のファッションには、もはや大きなギャップがあるようです。
帰国後にいただいた心のこもったメッセージ
日本訪問を終え、無事に帰国の途に着いたブリオニー家族。帰国後、心のこもった以下のメッセージが私の元に届きました。
「We have had the best time here in Tokyo, thanks to you!
The pizza we had was outstanding! The next time we visit, we will take you for dinner.
You`re so charming lady, let`s keep in touch.
You can not sneak into Sydney without letting us know.
Sending you a big hug.
Briony
Xxx」
(あなたのおかげで、最高に楽しい東京滞在を過ごせました。あのピザは絶品。次回、日本を訪れた際はディナーに誘うわ。これからも連絡を取り合いましょう。私たちに連絡せずに、こっそりシドニーに来ちゃだめよ)
帰国後は、新居づくりに着手する予定だと語っていた彼女。彼女の高い美意識が凝縮された、素敵な新居を訪問できる日が来るのを、本気で願っている私です。
彼女と共有させていただいた美しい思い出は、美しい桜のイメージとともに、私の記憶から永遠に消えることはないでしょう。
アートや美を常に意識し、自身の体型や人生にも体現する生き方を貫く彼女たち夫婦から学んだ数々のTips、いかがでしたでしょうか? 今回のプレシャスな出会いにも心から感謝です。
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