バブアーと同じく、英国のカントリーライフを象徴する靴ブランドがトリッカーズだ。1829年にノーザンプトンで創業した世界屈指の老舗は、現在はチャールズ皇太子からロイヤルワラントを賜っている。そして彼も愛用する『カントリーライン』と呼ばれるこちらの代表作は、なんと言っても質実剛健なブーツだ。ダブルソールや肉厚のレザーに加え、コバに「ウエルト」という細革をかませることで、卓越した防水性と頑丈さを実現。どんな悪路にも負けない、まさしくカントリージェントルマンにふさわしい最強のブーツである。

ドレス、ルーム、カントリー……紳士の足元は常にトリッカーズ

1足だけなんて選べないカントリーブーツ!

●1829年創業 ●英国王室御用達/1988年チャールズ皇太子 英国の靴の聖地、ノーザンプトンで創業した‘トリッカーズ’のブーツは、定番からショップ別注まで、その種類の豊富さはとどまることを知らない! 英国本店では、カントリーブーツのほかにも、ドレス靴からルームシューズまで名靴がずらりと並ぶ。※参考商品
●1829年創業 ●英国王室御用達/1988年チャールズ皇太子 英国の靴の聖地、ノーザンプトンで創業した‘トリッカーズ’のブーツは、定番からショップ別注まで、その種類の豊富さはとどまることを知らない! 英国本店では、カントリーブーツのほかにも、ドレス靴からルームシューズまで名靴がずらりと並ぶ。※参考商品

しかし究極の実用性を求め誕生した猛々しいほどのゴツさは、トリッカーズに無二のファッション性を与えた。その丸みを帯びたトウや分厚いソールは、モードブランドが提案する細身パンツと最高のバランスだったのだ。そして'80年代ころからコム デ ギャルソンなど数多のモードブランドやショップがトリッカーズに別注モデルの製作を依頼。チャールズ皇太子が野山を駆けるための「田舎靴」は、バイヤー大注目の洗練された街ばき靴へと進化を遂げたのである。

古き伝統を尊びつつも、新しいムーブメントを生み出すエネルギーにあふれた国、英国。そのひとつの象徴こそ、このトリッカーズなのかもしれない。そして、そんなトリッカーズを認めたチャールズ皇太子の慧眼に、われわれは注目せざるを得ないのだ。

※2011年春号取材時の情報です。
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名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
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