雑誌『Precious』2010年4月号から7年間にわたって続いた長寿連載「グルメ探偵がゆく」では、名店の名皿を探し続けた「グルメ探偵」たち。

連載終了から早2年、「令和」という新しい時代を迎え、ついに再結集する運びに。すでに厳選された「平成」のアーカイブをさらに厳選。そして「令和」元年の今だからこそ行きたい新店も、もちろん追加で取材。大人が本当に楽しめるレストランだけ、ジャンルごとにご紹介します。

第1回目のジャンルは「肉」。

そこに名店がある限り、食いしん坊たちの「グルメ道」探求は永遠に続くのです。

ますますチョイスが多様に! 愛すべき「肉」の名店

E(ミーハー編集者) ステーキといっても、お店により顔つきからして違いますね。

T(食べすぎ系ライター) 「パッソ・ア・パッソ」や「クローニー」のようなローストタイプに「麤皮(あらがわ)」のような炭焼きもありで、肉を焼くスタイルだけでも多様化しています。

I(レストランジャーナリスト) さらに熟成肉のブームも起きたでしょ。「キッチャーノ」みたいに専用貯蔵庫で肉をドライエイジングさせるお店も珍しくなくなってきているし。

E それから見逃せないのが、海外からの名店上陸の流れ。

T 来年までにN.Y.で130年続く名店「ピーター・ルーガーステーキハウス」がやってくるという噂もあり、アメリカ、フランスなど海外の人気店の日本出店も続いていますよね。

E 個人的には生肉が規制されたのが大ショックでしたが…。

I 「ジ イノセント カーベリー」のように保健所の許可をとって生肉を提供するお店に救われたわよね。おかげで肉の楽しみ方がますます広がったわね!

■1:イタリア・トスカーナ地方で磨き上げた肉焼きの技術とセンスに定評あり! 「パッソ・ア・パッソ」

「中勢以熟成肉のロースト」¥10,000コースの一品(7~9月の提供、1週間以上前に要予約)

同業のシェフ仲間からの高い支持率が、確かなクオリティを約束するイタリアンだ。オーナーシェフの有馬邦明さんはイタリアでマスターシェフの称号を授与された実力派であり、秋冬に登場するジビエを含め、肉料理を得意とする。

そんな有馬さんの「素材をいちばんおいしい形で食べてもらいたい」という思いは、おまかせコースのメイン「中勢以(なかせい)熟成肉のロースト」を口にすれば、きっと伝わるはず。

問い合わせ先

  • パッソ・ア・パッソ
  • 営業時間/18:00~21:30(L.O.)
  • 定休日/水曜
  • 料金/コース夜¥10,000~
  • TEL:03-5245-8645
  • 住所/東京都江東区深川2-6-1 アワーズビル1F

■2:ガストロノミー最前線のシェフによる熱々、ジューシー、やわらかな肉をどうぞ「クローニー」

「芯々と芽カブ」¥13,000コースの一品(予約時に確認を)

ともに「レストラン カンテサンス」出身の、ディレクター・小澤一貴さんとシェフ・春山理宏さんがタッグを組むレストラン。フレンチをベースにしたイノベイティブな料理は¥13,000のコースのみ。

黒毛和牛の内モモのさらに内側にあるやわらかい部位をじっくりと焼き上げた「芯々と芽カブ」では、春田さんの繊細極まる肉焼きテクニックが遺憾なく発揮される。ぜひ、小澤さんおすすめのワインとご一緒に。

問い合わせ先

  • クローニー 
  • 営業時間/18:00~翌1:00(L.O.)(ドリンク1:30 L.O.)
  • 定休日/日曜(不定休あり)
  • 料金/コース夜¥13,000  ※要予約
  • TEL:03-6712-5085
  • 住所/東京都港区西麻布 2-25-24 NISHIAZABU FTビルMB1

■3:半世紀以上、時代を超えて愛されてきたクラシックな炭焼ステーキの決定版「麤皮(あらがわ)」

「特撰但馬牛炭焼ステーキ」¥50,000(2人前)

1967年創業の肉の名店。当時から変わらぬ炉窯の炭焼ステーキを目当てに、親子3代以上にわたって通うゲストも多い。扱うのは、きめ細かくやわらかな肉質で、うま味が濃い但馬牛の純血統未経産牛。

まずここに来たら食べてほしい看板メニュー「特撰但馬牛炭焼ステーキ」のサーロインは噛んだ瞬間、口いっぱいに滴る肉汁と鼻から抜ける香りに伝統の技を感じる名品。記念日など、とっておきの日に訪れたい。

問い合わせ先

  • 麤皮 
  • 営業時間/12:00~22:00(L.O.)
  • 定休日/日曜・祝日 ※要予約
  • 料金/コース¥50,000〜
  • TEL:03-3438-1867
  • 住所/東京都港区西新橋3-23-11 御成門小田急ビル1F

■4:専用貯蔵庫でドライエイジングさせた肉の魅力をイタリアンスタイルの炭火焼きで引き出す「キッチャーノ」

「北海道産いけだ牛の炭火焼」120g¥12,120~

店の主役である肉を、シェフの山縣類さんによるイタリアンスタイルで提供する一軒。品種や産地、飼料、飼育方法にまでこだわって探し抜いた肉を、専用貯蔵庫で熟成させ、塊肉で焼く。紀州備長炭を用い、外側はこんがり香ばしく、中はしっとりと焼き上げたひと皿は細胞から刺激されるようなプリミティブな味わい。

なかでもシェフ自ら北海道・十勝に足を運び、農家と直接交渉の末に安定供給を実現させた「北海道産いけだ牛の炭火焼」は、熟成肉ならではのうま味がたっぷり。塩・胡椒のみの味付けとは思えないほど、複雑で奥深い味が衝撃的だ。

「キッチャーノ」の店内

問い合わせ先

  • キッチャーノ 
  • 営業時間/11:30~14:00(L.O.)、18:00~21:30(L.O.)
  • 定休日/土曜・祝日の昼・日曜
  • 料金/コース昼¥1,700~、夜¥11,280~
  • TEL:03-3568-1129
  • 住所/東京都港区赤坂3-13-13 赤坂中村ビルB1

■5:ブッチャーラボ併設で切りたての国産和牛を焼肉で、生肉で「ジ イノセント カーベリー」

「Chef’s Table」¥16,000〜コースの一品

岡田賢一郎シェフがゲストにその日のお肉をていねいに説明したうえで、カットしたてを提供する焼肉レストラン。松阪牛や神戸牛、佐賀牛などの和牛食べ比べコースも用意するこちらでは、なんと合法的に生肉がいただける。使用するのはすべて国産和牛。

美しいサシが入った生肉を刺身、黒トリュフを飾ったタルタルなどに仕上げる。融点の低い脂のおかげで舌に乗せるだけで、とろけるような食感に。

問い合わせ先

  • ジ イノセント カーベリー 
  • 営業時間/17:00~22:45(L.O.)
  • 定休日/日曜
  • 料金/コース¥8,000~
  • TEL:03-5411-2911
  • 住所/東京都港区西麻布1-4-28 カルハ西麻布101

※掲載した商品はすべて税抜です。

PHOTO :
田中 雅、馬場敬子、ハリー中西、福地彰子
EDIT&WRITING :
寺尾妙子、遠藤智子(Precious)
監修 :
犬養裕美子
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