極めて頑丈で群を抜く耐久性を備えたケースと、フリントホイールを回すと一発で着火するシンプルで使いやすいスタイル。アメリカン・ヘビーデューティを代表するツールとして、愛され続けているのが「Zippo」だ。
「Zippo」の歴史は1930年代初頭のアメリカ・ペンシルベニアに始まる。きっかけは、創業者のジョージ・G・ブレイズデルが、同州にある「ブラッドフォード・カントリークラブ」で、友人の一人が手こずりながらライターを使っているシーンを見たことだった。それはオーストリア製のガジェットで、キャップを取り外してから火をつける、手間のかかるタイプだった。
アメリカのカルチャーにも影響を与えた「Zippo」は、男の道具として世代を超える!
1932年、ブレイズデルは、このオーストリア製のライターのケースを改良し、リッドにヒンジを取り付けることで、片手で簡単に操作できるライターに改良した。さらに彼は、この仕組みをベースに、まったく新しいライターを創りあげる。当時、広まりつつあった「ジッパー」の言葉の響きが気に入ったブレイズデルは、「Zippo」と命名し、信頼の証しとして"-It works or we fix it free-"(無料生涯保証)を付け1ドル95セントで販売を始めた。これが「Zippo」の原型だ。
第二次世界大戦が始まると、ジッポー社は、一般売りを休止し、生産をすべて軍に向けたブラッククラックル仕上げのスチール製のライターの生産へ切り替える。戦場に発った何百万という米兵が「Zippo」ライターを携えたことで、「Zippo」は、アメリカの象徴としての地位を確立することになった。
1950年代にはデザインがリファインされ、現在のモデルとほぼ同じフォルムとなり、品質管理のため、ボトムには製造年月が刻み込まれる。サブカルチャーが開花する1960年代には、音楽フェスでアーティストのステージを称賛するために「Zippo」の炎を掲げる“Zippo Moment”が起こり、芽吹いたアメリカンカルチャーと共にアイコニックなツールとして歴史を刻むことになった。
アウトドアズマンの信頼すべき相棒
チタンコーティングシリーズ ナンバー
「Zippo」は喫煙具の印象が強いが、そのタフな作りと使い勝手のよさから、アウトドアシーンの火起こしにも使われている。一旦着火するとリッド(ふた)を閉じるまで火が途絶えず、リッドが風防となり風にも強いため、焚火やバーベキューのツールとして用いるアウトドアズマンも多い。手のひらに収まる独特なフォルムと適度な重量感、そして開閉時や、着火時に耳に届く独特な音。そのすべてが持つ者を引きつけ、1度使うともう手放すことはできない。世代を問わず、男にとって愛すべき道具といえる。
父の日のプレゼントとしても最高の贈り物
「Zippo」の正規輸入代理店であるマルカイコーポレーションでは、同社サイトを利用したジッポーライター購入者に、ライターと「Zippo」オイル、フリントがセットになったギフトボックスに入れて届けるサービスを実施している。ギフト用のリボンやラッピングも付いているので、6月16日の父の日に照準を合わせて、プレゼントするのもいいだろう。詳しくは検索窓口で「父の日」と記入して検索していただきたい。
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- TEXT :
- 安藤政弘 ライター