車内で聴く音楽は多彩にあれど、やはり女性アーティストの歌声は心地いい。ジャンルを超えた3人の魅力を、編集者の菅原幸裕氏が解説する。

ジャンルを超えて響く女性たちの歌声

2000年代の音楽シーンを席巻したノラ・ジョーンズ。

 時として、女性の歌声はジャンルを超越した、独自の音楽として響くことがある。3年ぶりの新作『ビギン・アゲイン』でのノラ・ジョーンズには、まさにそんな魅力がある。大ヒット曲「ドント・ノー・ホワイ」をリリースした時は23歳だった彼女。新作での、スモーキーな声にソリッドなテンションが加わった歌唱は、エレクトロニックからフォークまで多彩なサウンドと絡む中、成熟した女性の佇まいを強く印象づける。その存在感は例えば、ソウルとジャズの垣根を超え自身の音楽を提示したマリーナ・ショウあたりと通じるかもしれない。

 また、ジャンルレスな音楽性と声の存在感という点では、日本のシンガーソングライター優河の新作にも、同様の魅力が感じられた。ひとりワインディングロードを走る時など、優しく、そして強くもある彼女たちの歌声が、ハンドルを握る手をそっと支えてくれるかのようだ。

ドライブで聴くならこの3枚!

『ビギン・アゲイン』ノラ・ジョーンズ

ウィルコのジェフ・トゥイーディーやトーマス・バートレット(ダヴマン)といった、個性的な音楽家たちとのコラボレーションにも注目。(ユニバーサル)

『フー・イズ・ジス・ビッチ・エニウェイ』マリーナ・ショウ

ジャズ・シンガーであるショウがソウル&フュージョンのミュージシャンたちと組んだ1975年のアルバム。レアグルーヴの代表的作品。(ユニバーサル)

『めぐる』優河

映画『長いお別れ』(中野量太監督)の主題歌をタイトルとしたミニ・アルバム。弾き語りから打ち込みまで多様なサウンドに歌が映える。(Pヴァイン)
この記事の執筆者
『エスクァイア日本版』に約15年在籍し、現在は『男の靴雑誌LAST』編集の傍ら、『MEN'S Precious』他で編集者として活動。『エスクァイア日本版』では音楽担当を長年務め、現在もポップスからクラシック音楽まで幅広く渉猟する日々を送っている。
TAGS: