車内で聴く音楽は多彩にあれど、やはり女性アーティストの歌声は心地いい。ジャンルを超えた3人の魅力を、編集者の菅原幸裕氏が解説する。
ジャンルを超えて響く女性たちの歌声
時として、女性の歌声はジャンルを超越した、独自の音楽として響くことがある。3年ぶりの新作『ビギン・アゲイン』でのノラ・ジョーンズには、まさにそんな魅力がある。大ヒット曲「ドント・ノー・ホワイ」をリリースした時は23歳だった彼女。新作での、スモーキーな声にソリッドなテンションが加わった歌唱は、エレクトロニックからフォークまで多彩なサウンドと絡む中、成熟した女性の佇まいを強く印象づける。その存在感は例えば、ソウルとジャズの垣根を超え自身の音楽を提示したマリーナ・ショウあたりと通じるかもしれない。
また、ジャンルレスな音楽性と声の存在感という点では、日本のシンガーソングライター優河の新作にも、同様の魅力が感じられた。ひとりワインディングロードを走る時など、優しく、そして強くもある彼女たちの歌声が、ハンドルを握る手をそっと支えてくれるかのようだ。
ドライブで聴くならこの3枚!
『ビギン・アゲイン』ノラ・ジョーンズ
『フー・イズ・ジス・ビッチ・エニウェイ』マリーナ・ショウ
『めぐる』優河
- TEXT :
- 菅原幸裕 編集者