「シーマスター アクアテラ GMT ワールドタイマー マスター クロノメーター」。長い名前の頭から尻尾まで、全部が魅力だ。GMTでワールドタイマーなのに「シーマスター アクアテラ」の防水性能があり、並外れた耐磁性と精度がスイスの公的機関METASに認定された、オメガの腕時計。かつて映画「スカイフォール」でボンドウォッチにもなった「シーマスター アクアテラ」の、タフで都会的というアンビバレンツな魅力を、極大化させた。海に着けていくべき腕時計=それも海外=の、ベストでマストの候補である。数年前に、この時計のプラチナ製限定版がリリースされた時には、そのハイスペックに驚いた。レギュラーモデルとして、スティール版もラインアップされた今年は、自分の物欲という現実と向き合わなければならない人も少なくないだろう。

 小学生ですらスマホを持っている現代、「いま何時ですか」と聞かれることは少なくなった。しかし小生にはそのTPOが、いまだにある。ボディボードを始めて以来、ハワイには必ずボードを携えていく。ワイキキビーチをカハラ方向に向かい、カピオラニ公園に当たったあたりの“クイーンズ・サーフ”の波に乗るのだ。

2019年オメガの新作は、海での務めを果たす頼もしい相棒だ!

「シーマスター アクアテラ GMT ワールドタイマー マスター クロノメーター」

24時間リングが反時計回りをして、外周の都市の現在時刻を連続表示するワールドタイマー。センターのアイコニックな世界地図は、陸地と海の図形と色がレーザー技術を駆使して表現されている。●自動巻き ●ステンレススティール ●ケース径43mm ●15,000ガウスの耐磁性能 ●15気圧防水 ¥950,000 ※税抜、10月発売予定
新作ラインナップは全4種類。セドナゴールドのモデルは、針とインデックス、そしてシースルーバックから眺められるムーブメントのローターも美しいセドナゴールドだ。左から:SS+SS製ブレスレット ¥970,000・18Kセドナゴールド+18Kセドナゴールド製ブレスレット ¥3,890,000・18Kセドナゴールド+アリゲーター革ストラップ ¥2,440,000/共通:税抜、10月発売予定

 女王様がお楽しみになる波を老若男女でシェアするスポットで波を待っていると、若者や子供の波乗り、レディたちも訊いてくる。“What time is it?”。彼らは手首に何も着けていないか、流れ止めリーシュコードの“リスト”をベルクロで留めている。小生は、クイーンズ・サーフではタイムキーパーになっているのだ。紳士の役目は、どこでも腕時計をつけていること。大人の男には、腕時計が必要だ。

“マスター クロノメーター”を名乗るには、ムーブメントがスイスクロノメーター検定協会(COSC)のテストをパス(日差-4~+6秒以内)した上で、時計とムーブメントがスイス連邦計量・認定局(METAS)が定める8つのテストを受け、日差が0~+5秒以内であることを確認する必要がある。

「アクアテラ」の一族であるこの腕時計には、150mの防水性能がある。いわゆる”サーフィン用ウォッチ”ですら大抵100m防水なので、このスペックには安心感がある。ブルーのラバーストラップ仕様はひたすらスポーティで、ボードを傷つける心配もない。一方で、24時間リングを備え、世界の現在時刻が一目で見渡せるワールドタイマーだ。グレード5チタンにレーザーで描いた地球も美しい。

旅先や仕事で役立つワールドタイマー

世界の主要都市がレッド(GMT)、シルバー(サマータイムは+1時間)またはライトブルー(サマータイムがない地域)でプリント。GMT+1の都市名は、よくあるパリではなく“ビエンヌ”を置いた。オメガ本社の所在地であり、日本人建築家・坂 茂(ばん しげる)の設計によるオメガ本社の建築も世界的に有名。

 海の時計の、紛れもない一生もの。空港のラウンジ、一流ホテルやレストランでもスマートだ。仕事の都合でバカンスに出かけられないような人は、ボンド流に“Quantum of Solace”=「慰めの報酬」にするのもいいだろう。SSモデルの価格は、フルサービスキャリアのビジネスクラスでヨーロッパのビーチリゾートを往復してくる運賃ぐらいだ。 

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この記事の執筆者
桐蔭横浜大学教授、博士(学術)、京都造形芸術大学大学院博士課程修了。著書『腕時計一生もの』(光文社)、『腕時計のこだわり』(ソフトバンク新書)がある。早稲田大学エクステンションセンター八丁堀校・学習院さくらアカデミーでは、一般受講可能な時計の文化論講座を開講。