自由が丘にある、昭和を感じるスポット
目黒区自由が丘。スイーツの聖地を打ち出しているせいか、若い街の印象があるが、駅前の自由が丘デパートや自由が丘ひかり街など、かつての名残を色濃く残すスポットもある。今日訪れる『小料理 有明』も、昭和の路地に迷い込んだような怪しい雰囲気を放つよりみち横丁にある。
今宵の美女、原田さんとともに店の引き戸を開けると、純然たる小料理屋の雰囲気だ。
早速カウンター席に座り、「まずはビール」という原田さんのリクエストで瓶ビールをオーダー。到着した『サッポロ黒ラベル』を注いで乾杯!
飲んだ時の表情が本当に良い。ビールが大好きなことが伝わってくる。
原田さんが知人に連れられ、スナックに行くようになったのが3年ほど前。この店も去年の夏、知人に教えられた。
「こじんまりとしていて、落ち着くんですよね。自由が丘で晩ごはんを食べたら、大体2軒目はここ。料理もおいしいんですよ!」
今日はまだ夕飯を食べていない。気になるものを見繕おう。
熊本馬刺、手羽先明太。九州の料理に舌鼓
こちらの料理は、もちろん手作り。吊られたボードには小料理屋らしいメニューが並ぶ
福岡出身の原田さんが反応したのは、九州に因んだ料理。熊本馬刺と手羽先明太を注文する。メニューの先頭にあるのだから、看板メニューなのだろうと期待も膨らむ。お通しを食べながら、お目当てのものを待つ。
5年前に上京した原田さんは、地元にいた頃にもスナックに行ったことがあると話し始めた。
「20歳になったばかりの頃、中洲にある父が行きつけの店に連れて行ってもらったのがデビューですね。その店には何度か父と一緒に行ってて、上京前に父が『俺ら東京さ行ぐだ』を歌ってくれた思い出が強烈に残っています(笑)」
仲の良い父娘の様子を想像していると、目の前に熊本馬刺が現れた。
「同じ九州ってだけで親近感が湧くんですよねぇ」と話しながら、馬刺を口に運ぶ。しっかりサシが入っているせいか、甘みが感じられて美味しい。
ビールの時もそうだったが、原田さんは本当においしそうに食べる。一緒に食事をすると楽しい。続いて手羽先明太のお目見えだ。
そのまま持って、ガブリとやる。香ばしい表面の下から、ピリッとした辛味の明太子が出てくる。
しっかりした味付けでビールが進む。継ぎ足そうと瓶を斜めにするも空だ。2杯目は料理に合わせて焼酎にしよう。焼酎の水割りに唐辛子と大葉を入れた金魚を注文する。
腹も落ち着いた。ここからは原田さんと会話でも、と思っていたら彼女が
「ここ、カラオケあるんですよ! 歌いません?」
小料理屋でカラオケ? 後編はカラオケで熱唱だ。
【小料理 有明】
問い合わせ先
- 小料理 有明 TEL:03-3723-3637
- 住所:東京都目黒区自由が丘1-31-10
- 営業時間:19:00〜26:00
- 定休日:日曜日
- メニュー:瓶ビール¥800、金魚¥700、焼酎ボトル・ウイスキーボトル¥5,000〜、熊本馬刺¥1,200、手羽先明太¥900、〆鯖¥800、カラオケ1曲¥200
- TEXT :
- 津島千佳 ライター・エディター
- PHOTO :
- 小倉雄一郎