「世界トップのビジネス・エグゼクティブは、0.1秒で相手の印象を判断します」というのは、本場NY、パーソンズ美術大学でファッション&イメージ・コンサルティングの勉強をした後、25年に渡りイメージ&プレゼンスのコンサルティングを手がけてきた、国際イメージ・コンサルタントの日野江都子さん。
グローバルに活躍する数多くのエグゼクティブやビジネスパーソンを対象に、国際舞台で勝負し、より能力を発揮できるよう指導してきた日野さんが、今改めて伝えたいのが「“ふさわしい”プレゼンス(存在感)とアピアランス(外観・見た目)により、瞬速でポジティブメッセージを相手に伝える重要性」だといいます。
エグゼクティブの存在感を高める「ふさわしさ」という知性
エグゼクティブとしてのプレゼンス(存在感)を高め、確固たるものにする「ふさわしさ」という知性。その具体的な表現法を見つける為にはどうしたらいいでしょう? それには、まず自分のプレゼンス(存在感)とアピアランス(外観)の現状を正確に把握することが大事。しかし、どれだけ優秀な人でも、どうしたらそれができるのか、何から手をつけたら良いのかわからないのが事実です。
今回は、国際基準の女性エグゼクティブに求められる「ふさわしさ」を得るための、5つのポイントを解説していきます。
■1:世界トップエグゼクティブ共通の評価基準は「ふさわしさ」
NYのパーソンズ美術大学で、私がファッションとイメージ・コンサルティングの勉強をしていた当時、恩師からいわれた、今でも大事にしている言葉があります。
それは「お客様は、あなたの服装やメイク、振る舞いを見て、“自分もそういう風にされる”と直感的に判断します。だから、常にシンプルでクリーン、質が良く、わきまえのある、あなたの役目と立場に“ふさわしい”アピアランス(外見・装い)とプレゼンス(存在感)でいることが何よりも大事です」というもの。
「ふさわしい」装い・振る舞い・佇いとは、NYエグゼクティブの常識、いえ、世界共通エリートの常識であり評価基準であることを、NYと日本での25年のコンサルタント人生のなかで自らの体験を以って確信しています。なぜなら、それによって私自身がどれだけ多くの機会に恵まれてきたか数え切れないからです。
時代や職種、そして国が違っても、多くの責任を担い、人の上に立つエグゼクティブやリーダーという立場を持つ人に求められるイメージと在り方。それは、自分主体の「似合う」でも「おしゃれ」でもなく、知性と品性・社会的責任が伴う「ふさわしさ」であると断言できます。
映画『プリティ・プリンセス(英:Princess Diaries)』のなかでも、アン・ハサウェイ演じる王位継承権をもつミアが、ある服を着用し「これでどうですか?」とジュリー・アンドリュース演じる祖母であり女王に確認を求めると、その答えは「You look wonderful.(素敵ですね)」でも「It suits on you.(あなたに似合っていますね)」でもなく「It is appropriate.(ふさわしいですね)」。
「似合う」「素敵」というのは、社会という背景は一切関係ないその人個人主体の評価。そこに責任という言葉は存在しないでしょう。一方「ふさわしい」とは社会レベルの評価。その人自身だけでなく社会の中での立場、そのときに果たさなくてはならない役目、その場面をも踏まえた基準。
人の上に立つという、自分以外の人の責任をも担う立場であれば、もう「似合う」は卒業、あなたにとってもエグゼクティブという立場においても、その場面にも「ふさわしい」プレゼンス(存在感)やアピアランス(外観)こそが求められるのです。
- TEXT :
- 日野江都子さん 国際イメージコンサルタント
公式サイト:Real Cosmopolitan Inc.
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- PHOTO :
- Getty Images
- WRITING :
- 日野江都子
- EDIT :
- 石原あや乃