■4:実践ビジネス・エレガンス レベル向上法!「1〜2ランク」上質に

つい「エレガントなファッションを……」という方向に意識は向き、服の傾向を変えたり、時間と手間と費用をかけてあちこち綺麗にしたり、と構えてしまう方が多いのも事実。

前回の東京出張中に行ったグループ・コンサルティング形式の講演でも、エグゼクティブ女性の方々のもつ大きな悩みのひとつがそこであることを確信。もし実行可能であればそれもよし。ハイメンテナンスはエグゼクティブだからこそできることです。

でも、やってみると分かるでしょう、習慣とは簡単に変えられるものではないことを。なかなか続けられないと気づくよりも前に、以前と同じ状態に戻っています。

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客観的に自分を審査することが、ますます必要に

ましてや、立場が上がり重要な任務のある人はとにかく忙しいのですから、今までやったことがない新しい事柄を増やしすぎて、慣れるのために時間と労力を使いすぎるのは本末転倒。それに、エグゼクティブに「ふさわしい」エレガントな装いとは、そういう確固たるデザインがあるわけではないのですから。

正確には、その人がもつ知識や教養に基づいた自然な意思表示が表現されているから成立する、上質で格の高さがにじみ出た、余裕のある装いであり存在のあり方です。そして、実用性のみ重視ではない質の良さ、だからこそお手入れには少々手間も費用もかかります。けれどそれを管理できる人であることをも含めて示す上質さという意味も加わります。

今までのスタイルややり方のルーティーンを変えていくのは二の次三の次、第一段階で行うべきは次の4点。同じような服で、おなじルーティーンのまま、クオリティーをあげるのです。

1. 素材を上質に

良い素材は、肌触りもよく、なめらかでしなやか。同じような形でも身につけたときのシルエットが全く違います。同じような色のものでも発色が上品。それを着用したあなたのプレゼンスは格段に上がります。

2. 仕立てのより良いものを

仕立ての良さは、形の完成度の高さと着心地の良さ。着姿のバランスの良さが全く違うことを実感できます。その上、体に沿うその心地良さは、ストレスを感じさせませんので、仕事のパフォーマンスは確実に上がりますね。

3. サイズとシルエットの再確認

現在の自分の体のサイズとシルエットをよく知ること。表記されているサイズはあくまで目安。年齢と同様で数字はただの記号と捉え、それに惑わされず、今の自分の形を最もバランス良くプロポーションを美しく見せるものを選ぶことで、現役感という自信をもてるスタイルを表現できます。

4. 顔と表情が冴える色を再確認

ビジネスシーンで女性が着用する頻度の高い紺、グレー、黒。大人になった今のあなたの肌や髪の質感や表情をそれらは引き立てる役目を果たしてくれているでしょうか?

立場のある人に求められる“余裕のある冴えた表情”をサポートし、肌を上質に見せる、最適な素材感と微妙な染めによる、ニュアンスのある大人のベーシックカラーに相当する黒、グレー、紺を見つけましょう。

そして、エグゼクティブだからこその余裕と大人のやわらかな表情を見せることのできるベージュやグレージュ、ココアや森のようなグリーンなども第二のベーシックカラーとして探してみるのもよしです。

ありがちなのは、若いときに似合うといわれた色や、その昔(10年以上前)に受けたパーソナルカラー分析の結果をそのまま未だに信じている方が少なくなく、「私は黒が似合うから」などと頑なにおっしゃること。

心休まるのであれば、それもとても大事なこと。しかし、エグゼクティブのプレゼンスは、自分だけのためならず。年齢による明度・彩度の変化はあなたが思っている以上に大きいことを忘れずに。昔の自分という呪縛から自らを解き放ち、今の自分に適切な色選びができた方からどんどん垢抜けて、若々しく現役の大人女性のプレゼンスを構築できます。

1〜2ランク上質にした服に望むことをまとめると、今までと同じ感じの服だけれど、着用したときにあなたのもつエグゼクティブとしてのパワーを高め、冴えた表情のフレームとなる究極のサポーターとなりうるワードローブであることです。

いつも選ぶ、ヘビーローテーションするレギュラー選手のような服を基準に、同じスタイルやテイストで、上の4点の中から、まずは実践しやすいどれか/いくつかの方法を実践し、1〜2ランク良いものを選ぶ。これであれば、日常の行動パターンと基本アイディアは同じ、特に難しく考える必要はありません。

だけれど、漂う重厚感や落ち着き、格の違いは、相手にしっかり伝わります。そして、質が上がった装いをした自分を目で確認、質の良い素材を肌が感じ、視覚と皮膚感覚による脳への刺激により、あなたの動作も表情も発言も、確実にそれと連動したものとなります。

これは、すでにその立場をもつに至っている、内実のある方だからできる自然なランクアップ。その上、無理のある変化ではないから周囲を驚かす衝撃も少ない、この余裕と配慮ある意識と行動こそがエグゼクティブ・プレゼンスとして「ふさわしい」エレガントの真髄です。

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この記事の執筆者

東京生まれ、ニューヨーク在住。国際イメージコンサルタント。武蔵野美術大学卒業後、パーソンズ美術大学(米国・NY)に留学、「ファッション&イメージコンサルティング」コース修了、ディプロマを取得。フリーランスを経て2004年、ニューヨークで株式会社リアル コスモポリタンを設立、CEOに就任。ニューヨークと東京を拠点とし、国際イメージコンサルタントの第一人者として25年超にわたり活躍。日欧米亜合わせ数千人の、国際的に活躍するトップエグゼクティブ、政界・財界人をはじめとしたハイプロファイリングクライアントのコンサルティングを手掛ける。AICI(国際イメージコンサルタント協会)ニューヨーク支部元ボードメンバー。スティービーアワード審査員。主な著書『仕事力をアップする身だしなみ 40のルール』(日本経済新聞出版社) 、『Premium Image management for Men』DVD監修(SONY PCL)、『NY流 魅せる外見のルール』(秀和システム) 等
公式サイト:Real Cosmopolitan Inc.
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PHOTO :
Getty Images
WRITING :
日野江都子
EDIT :
石原あや乃