職場の後輩や手紙を書くのが好きな友人、進学する子供や孫への贈り物にすると、とっても喜ばれる。なのに、いざ自分用に欲しいと思ってもなかなか「買えない」「選べない」もののひとつに、道具としてのクオリティを突き詰めた「高級筆記具」があります。
誰かに贈る前に、自分で使い勝手を確かめておきたい。周囲から一目置かれるような上品なものを、仕事のときには使える自分でいたい。そのような「いい筆記用具を、自分用に選びたい」という女性のために、文房具のプロである筆者が、現時点で最高傑作と言えるボールペンを5本、セレクトしました。
文房具店の筆記具コーナーにはボールペンがあまりにも多く、決め手に欠ける、迷ってしまう…などというときには、この5本のなかから選んでいただくと確実です。
ちなみに最近の高品質なボールペンは、ほとんどが「メンテナンスフリー」。タフなので、ビジネスシーンでストレスなく、長期間使うことができます。また、どのボールペンもデザインが高く、持ち主の雰囲気を向上させたり、キャラクターを表現する一助となります。なりたい自分になるために、道具から入ってみる、というアプローチにも有効なアイテムなのです。
■1:パーカー「ソネット パープルシズレ」
![パーカー「ソネット パープルシズレ」¥32,400](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/b/a/720mw/img_ba98f8de355a4bd67161bdad35b746a168815.jpg)
紫色と聞くと、ミステリアスなイメージを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。日本の歴史上、最も手に入りにくい色だったという紫色は、平安時代の「冠位十二階」の最高色が濃紫だったということからもわかるように、古来から貴重で高貴な色とされてきました。
そんな紫色をパールホワイトやゴールドと融合させ、ゴージャスにスタイリッシュに仕上げたのが、こちらのボールペン「ソネット パープルシズレ」。この紫をベースにした佇まいは、持ち主の雰囲気に気品を漂わせる、ささやかな助けとなってくれます。
![軸の紫部分の短冊状の柄](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/0/3/720mw/img_03b2f35a32f00d255e3e60deb8441b4a89115.jpg)
そして気になるのは、ボールペンの名称のなかに入った「シズレ」という言葉。これはフランス料理のカットの仕方のひとつで、大まかに言えば「みじん切り」のことを指す言葉です。軸の紫部分の短冊状の柄が、この名称の元となっています。人に語れるちょっとした背景を携えているところも、よりミステリアスですよね。
■2:ビスコンティ「ヴィーナス ローズ」
![ビスコンティ「ヴィーナス ローズ」¥34,560](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/6/b/720mw/img_6b4b76be6fc4633a156288090826adcb65799.jpg)
重厚なイタリアの伝統を感じさせるビスコンティのデザイン、根強い人気がありますよね。見れば見るほど、その存在感に圧倒されます。クリップ部分も硬質な雰囲気でいいですね。
イタリアの偉大な画家・ボッティチェリが描いた作品『ヴィーナスの誕生』を知らない人はいないでしょう。このボールペンのモチーフは、その『ヴィーナスの誕生』。絵画のもつ圧倒的な世界観が美しく、さりげなく表現されています。まさに現代を生きるヴィーナスたちのためにつくられた、名品です。
![アーチ部分にロゴがさりげなく](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/9/d/720mw/img_9d9cd150ad85cc127bf6e6f81666246f69071.jpg)
この写真では綺麗に見えにくいのですが、美しいマーブルカラーに覆われています。その淡い色合いが女性の美しい指先を引き立たせるアイテムとして、きっと職場で活躍してくれることでしょう。
■3:アウロラ「オプティマ バーガンディ」
![アウロラ「オプティマ バーガンディ」¥43,200](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/a/a/720mw/img_aa199b697afc630f4c868c01f2fe9fa765230.jpg)
3本目は、色鮮やかな色合いに惚れ込んでしまって購入する人が後を絶たない、アウロラの人気シリーズです。
バーガンディがモチーフにしているのは、ワインレッド。深くて濃い赤ワインの複雑な色合いをペン軸で表現しています。グラスに入った赤ワインが揺らめき、輝く様が表現されています。心地よく酔ってしまいそうな煌めきです。
樹脂をくりぬいてつくり出すこのペン軸は、世の中にふたつとして同じ柄がありません。個体差が激しく買うときに迷いますが、自分のものとして使いこなせば限りなく愛着が湧いてきて、オーナーであるという自覚が出てきますよ。
![世界中にふたつとして同じ柄がない](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/e/9/670mw/img_e9097297cd01ed635b39fcd8355a520e204851.jpg)
情熱的な色のペン軸が常に視界のなかに入ってくるため、仕事ぶりにも好影響をもたらしてくれるはず。情熱をもって仕事を進めれば、幸運の女神様はきっと持ち主に微笑みかけてくれるはず! そんな物語を、プレゼントするときに伝えてあげると、より喜ばれることでしょう。
■4:S.T.DUPONT「リベルテ レッドラッカー&ゴールド」
![「リベルテ レッドラッカー&ゴールド」¥51,840](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/7/6/670mw/img_76cab6044956d44c1f2a5b251bb52213214674.jpg)
女性が自分が欲しくなるボールペンとして常に候補に上がるのが、この「リベルテ」です。大きな特徴があるわけではないですが、なんともいえない品格があります。文房具店で自分へのご褒美に買う女性が非常に多いと耳にしますが、うなづける品のよさです。
「リベルテ」の語源は、もちろん自由(Liberty)。個人、所有、労働、そして思想の自由の集約がここにあります。緩やかな円錐形のボディは、どことなく女性らしさを表しているようでセクシーでもあります。
![キャップトップはブリリアントカットに](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/c/e/670mw/img_cee8b5845705f4e4d9cd3b352e8454f9204417.jpg)
ブリリアンカットのダイヤモンドを彷彿させるキャップトップと、ファセットカットを施したクリップが、このボールペンにさらなる輝きを与えてくれています。見た人すべてを虜にしてしまう、魔性のボールペンといえます。
■5:パーカー「デュオフォールド ラピスラズリ」
![パーカー「デュオフォールド ラピスラズリ」¥54,000](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/0/1/670mw/img_01fbdeef3c0f9b8d326f60beea8be077204807.jpg)
まずもって、「ラピスラズリ」というネーミングがいいいですよね。和名は瑠璃! 世界最初のパワーストーンとして認知された最強の聖なる石が、このラピスラズリ。石言葉は「崇高」と「尊厳」。誰もが憧れる、深いブルーがこの石の特徴です。
瑠璃の強烈な青色とクラシカルな金色の組み合わせが新鮮で、印象的な筆記具に仕上がっています。パーカー社を代表する作品だけあって、エレガントで、存在感が抜群! このクラスでは群を抜いた完成度です。
![ゴールドの細かいディテールがエレガント](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/d/4/670mw/img_d45c1390625bc20bc9669ba77f85f581194146.jpg)
このペンが業務中にさっと出てくるような上司になら、多少の不条理があってもついていきたいと思わせられるかもしれません。きっと「信念があって言ってくれている」のだ…と。尊敬する上司や同僚へのプレゼントとして、これ以上の筆記具はなかなかないと思います。
以上5本が、働く大人の女性におすすめしたい高級ボールペンです。万年筆は物語とともに語られることがよくありますが、ボールペンにもストーリー性がなくてはなりません。持ち主がどうしてこのペンを使っているのか?という理由を、そのペンの由来などを含めで語れることが、個性や信念にも通じるのです。
自分にいちばんしっくりくるボールペン、贈った相手がより輝いて見えるボールペンを、この中から見つけてみてくださいね。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- クレジット :
- 文/猪口フミヒロ