正解は… 3:ニューヨーク です!
合理性を重視するアメリカのバイヤーは、水を通さないビニールを傘にした技術を、大変高く評価し、製造元のホワイトローズへ仕事を依頼。「風が強く寒いニューヨークに適した、胸部から上を覆うような深さのあるビニール傘」が考案され、ビニール傘はニューヨークに羽ばたき、大ヒットしたのです!
しかし、その後取引先がコストの安い台湾にビニール傘工場を作り、ホワイトローズはまたも窮地に陥ります。
それでも不屈の精神でビニール傘にこだわり、1960年代にはミニスカートブームにマッチするファッショナブルなビニール傘、政治家の選挙演説に対応したグラスファイバー製の丈夫なビニール傘(のちにアウトドア向け商品に同技術を採用)など、さまざまなニーズに合わせたビニール傘を次々と考案・制作し、ビニール傘のパイオニア、そして進行形の革新者としての評価を高めていきました。
日本の皇室で採用されているのも、ホワイトローズのビニール傘です。
今では、コンビニエンスストアや100円ショップで、また、日本のみならず世界中で手に入るほど普及したビニール傘。広い視野、軽さ、耐水性を兼ね備えた、今では「傘素材の王道」とも言えるビニールを傘に使う最初のアイディア、そして技術を構築した人々の歴史を、日本人として、ぜひ広く知っていただきたいと思います。
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- Precious.jp編集部
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- 参考資料:『日本のビニール傘文化の草分け~ホワイトローズ物語~』ホワイトローズ株式会社/『TABIZINE~人生に旅心を~』(2019年1月25、26日)/『トレンド日本』産経ニュース(2016年6月20日)/『ニッポン文化探訪~ビニール傘』特定活動非営利法人国際留学生協会