パンというと、「朝に食べるもの」というイメージがありますよね。パン屋さんも、朝早くから開いていて、夕方くらいにはもう品物が残っていない……ということも多いと思います。

ですが、最近では夜にパンをお酒と共にいただく、「パン飲み」というスタイルを楽しむ人が増えているのだそう。

そんなパン飲みしたい人はもちろん、朝の出勤前に軽くパンを食べたい人、ランチでおかずと共にがっつり食べたい人、おやつタイムにスイーツ的にパンを味わいたい人など、1日中、さまざまなスタイルでパンを楽しめるお店が代官山にあるんです。

その名も「プリンチ 代官山T-SITE」。

2019年2月に中目黒にオープンし、“コーヒーのワンダーランド”として大行列ができるほどの話題となった「スターバックス リザーブ®ロースタリー 東京」の1Fに入った本格イタリアンベーカリーが、予想以上の大好評を受け、2019年7月に代官山に単独店舗をオープンしました。

今回は、1日いつ訪れても違った楽しみ方ができる、この新しいスタイルのパン屋「プリンチ®」のおすすめのメニューや楽しみ方について、担当者の方に伺いました。

本格イタリアンベーカリー「プリンチ®」とは?

パン_1,東京_1,酒_1,ワイン_1,ティー_1,コーヒー_1
店内はパンのいい香りで満ちている

イタリアのパン職人ロッコ・プリンチがミラノで創業したイタリアンベーカリー「プリンチ®」。厳選された食材を使ってつくりあげるパンやサラダ、デザートなどが並び、イタリアの食文化をまるごと体験できます。

このたび代官山にオープンしたのは単独1号店。店内に入ると、オープンキッチンスタイルで開放感とライブ感にあふれています。ずらりと並ぶパンやケーキの種類の多さには圧倒されますよ。

パン_2,東京_2,酒_2,ワイン_2,コーヒー_2,ティー_2
1日中さまざまなスタイルでフードとドリンクを楽しめるプリンチ®

朝8時からオープンしており、夜の10時まで営業。いつでもつくりたてで提供してくれるパンや、コーヒーやお酒などのドリンクを1日中楽しめるんです。

そして、プリンチ®の最大の魅力は、訪れる時間帯によって違った楽しみ方ができること。それぞれの時間帯でのおすすめのメニューと楽しみ方をご紹介します。

■1:モーニングは「コルネッティ」にカプチーノを合わせて

パン_3,東京_3,酒_3,ワイン_3,コーヒー_3,ティー_3
コルネッティ ¥270、コルネッティ ランポーネ/ミルティッロ/クレマ/ノッチョーラ/アーモンド 各¥340、コルネッティ チョコラート ¥320

モーニングのおすすめは「コルネッティ」。コルネッティとは、イタリア語で「小さい角」という意味の、イタリアで広く愛されているペストリー。発酵バターをたっぷりと生地に練り込んで焼き上げ、サクサクっとした食感が楽しめます。細かな層を織りなす断面が美しいパンです。

本場イタリアでは、ジャムやカスタードなどを挟んだものが主流で、プリンチ®では、プレーンに加え、ランポーネ(ラズベリー)、ミルティッロ(ブルーベリー)、クレマ(カスタード)、ノッチョーラ(ヘーゼルナッツチョコレートクリーム)、アーモンド、チョコラート(チョコレート)の全7種類を提供しています。

「イタリアのライフスタイルでも、ミニコルネッティをふたつくらいつまんでカプチーノを飲んで仕事にいく、というものがあります。そういう楽しみ方も、プリンチ®の入り口としては素敵かなと思います。

種類がたくさんあるので、今日はこれ、明日はこれ……なんて、選んで楽しんでいるお客様もいらっしゃいますね。

イタリアのパンは、素材そのもののおいしさを味わうのというが特徴的かと思います。シンプルなつくりで、素材がひきたつパンが多いんです。コルネッティも、発酵バターをたっぷり使っていて、その風味がよく出ていると思います」(担当者)

パン_4,東京_4,酒_4,ワイン_4,コーヒー_4,ティー_4
温かいスープでほっとひと息

他にも、テイクアウトできるスープもあり、こちらはフォカッチャが3本ついているのでまさに朝ごはんにぴったり。

また朝からお酒も楽しめるのがプリンチ®の特徴。プロシュートのサンドイッチにプロセッコ(スパークリングワイン)を合わせて優雅な朝ごはんをとる人もいるのだとか。

これは、パン屋さんとバルが完全に別物であるミラノでも珍しいスタイルで、お酒もコーヒーも朝から出していて食事も楽しめるというのは、日本でもイタリアでもあまり見かけないそうです。

■2:ランチタイムは「フォカッチャ ピッツァ」とサラダを合わせて

パン_5,東京_5,酒_5,ワイン_5,コーヒー_5,ティー_5
フォカッチャ ピッツァ モッツァレラ ディ ブッファラ ¥980

ランチタイムのおすすめは、これぞイタリアン! なパン・フォカッチャを使ったピザ。

フォカッチャ生地をベースに、イタリアの野菜などをふんだんにトッピングして仕上げるベーカリースタイルのピザです。自家製ポモドーロソース×モッツァレラチーズや、スペックハム×スカモルツァチーズ、ナス×ズッキーニ×パプリカのローストなどさまざまな組み合わせがあり、見た目も鮮やかで食べ応えもあるものになっています。

イタリアでは、四角くて鉄板で焼くふっくらもちもちとした生地のピザはパン屋さんのピザで、丸くて窯にじかに入れて焼くピザはピザ屋さんのピザ、という認識だそう。

パン_6,東京_6,酒_6,ワイン_6,コーヒー_6,ティー_6
フォカッチャ生地をベースにしたベーカリースタイルのピッツァは冷めてもおいしい

「フォカッチャ ピッツァにはイタリアの素材を散りばめていて、イタリアから空輸した水牛のモッツァレラや、プロシュート コット(加熱したハム)などを使用しています。アーティチョークなどのイタリア素材も散りばめられていますが、野菜はやはり日本のもののほうが新鮮でおいしいので、日本でとれた野菜を使っていますね。

このピッツァが、焼き上げたあとも小麦の香りがしっかりするので、おいしいんです。冷めてもかたくならず、ふっくらとしておいしいですよ。提供する場合は温めて熱々の状態で提供しますが、そのまま持ち帰る人も多いです。1枚がけっこう大きいので、満足感があるかと思います。

また、ランチでサラダを注文するとフォカッチャ3本がセットになっているので、こちらも十分お腹いっぱいになります。

サラダは現在4種類ありますが、季節によって旬の野菜が違うので、随時変えていく予定です。

プリンチローフ(ハード系パン)を使ったサラダもあって、これが個人的におすすめです。オーブンで焼きあげてクルトンみたいな感じで大振りに刻んでサラダ全体にあえるんですが、ゴロゴロしていて、ほどよくドレッシングを吸っていて、食べるとジュワっという食感でおいしいんです」(担当者)

パン_7,東京_7,酒_7,ワイン_7,コーヒー_7,ティー_7
新鮮な野菜を存分に使った、彩り鮮やかでボリューム感たっぷりのサラダ

ピザもサラダも、一緒に行った家族や友人とシェアしながらいろいろな種類を食べるのが楽しいかもしれませんね。

■3:コーヒータイムは代官山限定の「ビニョラータ アル チョコラート」にスッキリとしたプリンチ®ブレンドを合わせて

パン_8,スイーツ_1,東京_8,酒_8,ワイン_8,コーヒー_8,ティー_8
ビニョラータ アル チョコラート ¥480

コーヒータイムは充実したデザートをコーヒーやティーと合わせていただくのが定番。

プリンチ®のメニューは中目黒の「スターバックス リザーブ®ロースタリー 東京」でも楽しめるものが多いですが、代官山T-SITE限定のデザートが「ビニョラータ アル チョコラート」。限定デザートということもあって、一番よく出るメニューなのだそう。

生クリームのたっぷり詰まったシュー生地を、濃厚なチョコレートで包み込んだ口当たりなめらかなデザートです。

「生クリームがぎっしり入っている上にイタリア産のチョコレートも濃厚なのですが、ビターチョコだから甘すぎないんです。意外とくどくないので、ぺろっと召し上がれるかと思います。

お客様は、みなさん『わあ~濃そう~』なんて言いながら、召し上がると『あれっ(全部食べちゃった)』みたいなことも多いです(笑)」(担当者)

割って中の生クリームが見えるようにして写真を撮る方も多いそう。チョコレートのとろ~っとした感じが写真映えする一品です。専用のカップに入れてテイクアウトもできますよ。

パン_9,スイーツ_2,東京_9,酒_9,ワイン_9,コーヒー_9,ティー_9
プリンチ®はスイーツメニューも充実

イタリアのスイーツはチョコレートがおいしいのが特徴だそう。

底に敷いたカカオタルトに、プリンチ®オリジナルのチョコレートガナッシュを流し入れ、チョコレートソースでコーティングしてココアパウダーで仕上げた「プリンチーナ」や、軽くてふわっとした口当たりながらクリーミーで食べやすいピスタチオのケーキなど、イタリアの本場の味が楽しめるデザートが揃っています。

「複数人で来店されたほうが、シェアしながらいろいろなものを食べられて楽しいかもしれませんね。ケーキも2種類買って半分こで食べたりとか。

サイズが大きいんですよ、本家と変えていないので(笑)。言っていただければシェアしやすいようにカットすることもできますので、ぜひいろいろな味を楽しんでいただきたいです」(担当者)

いずれもプリンチ®のメニューに合うようにブレンドされたコーヒー「プリンチ®ブレンド」のきりっとした苦味が合うとのこと。特にアイスはコーヒーが苦手な人でも飲みやすいさっぱりした味わいで、甘いデザートに合わせるにはぴったりですよ。

■4:アペリティーボは濃厚なスキレットメニューをお酒とともにいただく

パン_10,東京_10,酒_10,ワイン_10,コーヒー_10,ティー_10
アペリティーボというイタリアならではの食事スタイルも楽しめる

夜はアペリティーボといって、イタリアでは食事の前に軽食を食べながらお酒を楽しむ習慣があります。

プリンチ®ではこのアペリティーボを取り入れ、夕方から夜にかけてはパンをお酒とともに楽しむスタイルを提案。22時まで営業しているので、会社帰りの一杯に立ち寄るのも良し、本格的に飲みに行く前の前哨戦として、おつまみと共に一杯……という楽しみ方もありなのだとか。

パン_11,東京_11,酒_11,コーヒー_11,ティー_11,ワイン_11
ベイクドエッグ with ポルチーニ ピッコロ ¥700

アペリティーボのおすすめは、調理感のあるスキレット「ベイクドエッグ with ポルチーニ ピッコロ」。フォンドヴォーで煮込んだポルチーニ茸の上に卵を割り落としてオーブンで焼きあげ、ほどよくとろ~りと溶けた卵の上に、パルミジャーレッジャーノ、イタリアンパセリを添えたひと皿です。添えられたシァッチャティーネと共にいただきます。

「イタリアのお酒は軽くさっぱりしているので、『ベイクドエッグ with ポルチーニ ピッコロ』のような濃厚な味わいのメニューとバランスがいいんですよ。

今一番出ているアルコールビバレッジはプロセッコとビールです。イタリアのビールは飲みやすくてすっきりしているのが特徴です。2種類用意していますが、麦芽感を感じられるものと、もう少し女性が飲みやすいようなピルスナーと言われるタイプに近いものがあります。

また、オレンジ風味の甘くほろ苦いのリキュール『アペロール』にプロセッコとソーダを入れてオレンジを刺した『アペロール スプリッツ』が女性にも飲みやすくて人気ですね。イタリアのアペリティーボの定番です。

このアペロール スプリッツにピザ3種類3スティックをセットにしたものがあるんですが、気軽に試せるのでこちらもプリンチ®のアペリティーボの入り口としてはいいかなと思います」(担当者)

パン_12,東京_12,酒_12,ワイン_12,コーヒー_12,ティー_12
アペロール スプリッツ ¥900

本格的なお食事に行く前に軽く飲んでから行く、というのがアペリティーボというイタリアのスタイルなのですが、そういったイタリアの文化も一緒に伝えられたら、と思っています。

パンでお酒を飲む『パン飲み』というものが日本でもいくつかのお店で出てきて、最近聞くようになりましたが、プリンチ®からも発信してもっと広めていけたらうれしいですね」(担当者)

■5:手土産にはミニコルネッティやパネトーネの詰め合わせを

パン_13,スイーツ_3,東京_13,酒_13,ワイン_13,コーヒー_13,ティー_13
種類の多いミニコルネッティをたくさん詰め合わせてプレゼントに

ほとんどのメニューはテイクアウト可能ですが、手土産として特におすすめなのはミニコルネッティの詰め合わせと、イタリアの伝統菓子・パネトーネ。

「ミニコルネッティは、種類が多いので選べる楽しさがある上、5つ詰めで箱に入れるので贈り物として持って行くのに最適です。

なじみのない方にお試しをかねてセットで贈っていただきたいですね。箱がかわいいのでよく売れています。

パネトーネはイタリアでは贈り物とか、クリスマスシーズンに集まって時間を過ごすためのもの。パッケージも凝っています。最近では結婚式の引き出物であげたいというお客様も出てきて、うれしいですね。

いまご用意しているのは、オレンジピールとサルタナレーズンを混ぜ込んだ伝統的な味わいの『クラッシコ』、イタリアで日常的なフルーツのレモンのピールを加えたさわやかな味わいの『リモーネ』の2種類です。

『クラッシコ』を中心として、季節によって変えていく予定です」(担当者)

■6:イタリアのハード系ブレッドの楽しみ方

パン_14,東京_14,酒_14,ワイン_14,コーヒー_14,ティー_14
お試しに最適なミニサイズのハード系ブレッドが充実。ミニ プリンチローフ ¥450 ミニ パンチョコラート ¥300 ミニ ウォルナッツ&フィグ ¥340

プリンチ®の店内に入ったときに印象的なのが、「PRINCI」とロゴが入った大きくて丸いハード系ブレッド「プリンチローフ」。日本ではあまりなじみがない感じのパンだと思いますが、こちらが食べてみるとなかなかやみつきになるのだとか。

丁寧に発酵させて焼き上げた、小麦の香り豊かなハード系ブレッドは、サワー種を使用することで、ほのかな甘みとほどよい酸味が引き立つ味わいに仕上がっています。お試ししやすいミニサイズも販売中。

「コルネッティなどは入り口にはちょうどいいと思いますが、いずれはハード系のパンのおもしろさも伝わっていくといいなと思っています。

プリンチローフにはチョコチップがたっぷり入ったものもあるのですが、これはスライスしてトーストし、ママレードを塗るとおいしいんですよ。甘みと酸味のバランスが絶妙なんです。

ハード系はサンドイッチにしていろいろな具材をのせたりしても楽しいですね。プリンチローフは中をくり抜いて、くり抜いた生地でサンドイッチをつくってまた詰めなおすと、素敵な大人のパーティーにもってこいの豪華なメニューができますよ」(担当者)

パン_15,東京_15,酒_15,ワイン_15,コーヒー_15,ティー_15
スフィラティーニ サンドイッチ ピスタチオ モルタデラ¥540

「また、ハード系でもなかなか見ない『スフィラティーニ』という細長いパンがあるんですが、実はスタッフの間では一番人気。日本にないパンなので鮮烈な印象を受けました。

このパン、生地と同じ重さのオリーブを入れているんですね。イタリアから輸入したグリーンオリーブを使っていて、これが本当においしい。オリーブとレーズンの2種類あって、もちろんレーズンも生地と半々で練り込まれています。

オリーブはハムをサンドして、レーズンはクリームチーズを塗るとおいしいですよ。スフィラティーニ オリーブにピスタチオ モルタデラ ハムをサンドしたサンドイッチはメニューとしても販売しています。

スフィラティーニには、プロセッコがよく合うのでおすすめですよ」(担当者)

パン_16,東京_16,酒_16,ワイン_16,コーヒー_16,ティー_16
季節によってメニューも変化していくので、何度でも訪れたくなる

元々「ロースタリー 東京」に入っているパン屋ということで、徐々に口コミで知名度をあげていったというプリンチ®。オープン当初の行列は落ち着いたものの、近隣住民を中心にリピーターも増えてきたそう。

「朝・昼・夜でメニューが違うので、朝来て、夜はまたお酒を飲もうかなって1日に2回ご来店していただくこともありますね。

イタリアのお店が本当にそのまま来たんだ、と喜んでいただけることも多いので、再現度は高いのかなと思っています。イタリアのパンは発酵種の種類が多いのが特徴なのですが、そういった種の培養の仕方なども創業者のロッコさんからしっかり教わり、本場の味を再現しようとこだわっています。

味わいも本場と変わらない、むしろ超えたとロッコさんに言ってもらえたほどです(笑)」(担当者)


そのとき一番おいしいものを楽しむ、ということを大事にしているプリンチ®。何度でも訪れて、季節のレシピの変化も楽しんでみてはいかがでしょうか?

※商品の価格はすべて税抜です。

問い合わせ先

  • プリンチ 代官山T-SITE 
  • 営業時間/8:00~22:00
  • 定休日/不定休
  • TEL:03-6455-2470
  • 住所/東京都渋谷区猿楽町16-15 代官山T-SITE N4棟

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
小林麻美