正統派イメージの強いテーラードジャケットは、働く女性の相棒的なウエアです。オーソドックスな装いが主役になる今季は、トレンドアイテムの筆頭に位置づけられています。
着こなしのポイントは、肩の力を抜いて、こなれた雰囲気に仕上げるところ。お仕事ルックではきちんと感を重視して構いませんが、マルチに着回すなら、少しだけ着崩すテクニックを活用して。堅苦しさを遠ざけられれば、プライベートの場面にも着て行きやすくなります。
オンでもオフでも、ジャケットを巧みに着回すセレブリティーたちの技ありコーデには、盗みたくなる納得技がたくさん詰まっています。
トレンド大本命アイテムを賢く着回し!今秋重宝する「真面目すぎないテーラードジャケットの着こなし方」5選
■1:デニムでも「ボウタイブラウス」でフェミニンに寄せる
クールな表情のジャケットには、ほぼ真逆の雰囲気を帯びたフェミニン系アイテムを引き合わせると、ムードがやわらぎます。エレガントなボウタイブラウスは絶好のパートナーアイテムです。
モデルのKarolina Kurkova(カロリナ・クルコヴァ)は、ストライプ柄のブラウスに、マニッシュなジャケットを重ねました。袖を通さない肩掛けにすれば、程よい抜け感が備わります。
クラシカルな表情のボウタイブラウスは、今秋冬のトレンドピース。ジャケットとのマッチングを工夫すれば、いろいろなパターンで着回せます。上品なブラウスとは別テイストのジーンズで合わせて、ミックスコーディネートの奥行きを深くしています。
■2:「ワイドパンツ」を合わせてボリューム感をコントロール
ジャケットにパンツというコンビネーションは、スーツで見慣れた組み合わせだけに、少しずらしてアレンジすると、ムードが様変わり。手持ちのワイドパンツに差し替えるだけでも、メンズ感が強まり、堂々とした見え具合にスイッチ。
映画界でも指折りのおしゃれ上手として有名な、女優のCate Blanchett(ケイト・ブランシェット)。黒のジャケットにブラウン系パンツを合わせ、メリハリをつけました。アイボリーのシャツでソフトにコーデを仲立ち。たっぷり幅のワイドパンツがスカート風の優美なムードを呼び込みました。引き締め色のテーラードジャケットが全体をシャープに落ち着かせています。
■3:「ロング×ロング」レイヤードで縦落ちイメージを強調
着丈が長めのジャケットは、縦長シルエットに仕上げるうえで効果が見込めます。落ち感を強調するには、ロング丈のワンピースやカーディガンに重ねるのが賢い合わせ方です。
モデルのHeidi Klum(ハイディ・クルム)は、黒いシャツワンピースの上から、着丈の長い白ジャケットをオン。見事な「ロング×ロング」のレイヤードがスレンダーな着映えに導きました。ジャケットをカーディガンのように羽織って、軽やかにまとめています。テーラードジャケットのおかげで、ルーズに見えないのは、さすがの目配り。黒のワイドパンツで、さらにシックに引き締めています。
■4:リズムを刻む「スカーフ」を添えてアクティブにシフト
ジャケットとパンツを同じ色でそろえたコーデは、スーツライクにまとまる一方、かしこまって見えやすいものです。スーツ風に見せたくない場合は、小物を添えて表情を変える手が使えます。たとえば、スカーフは巻いて垂らすだけで、狙い通りのムードチェンジが可能に。
黒ジャケットをはおった、シックな装いに身を包んだ女優のHelen Hunt(ヘレン・ハント)。シンプルなブラックパンツスーツのコーデですが、スカーフを使って、動きとリズムが加わっています。
端がフリンジ風のスカーフが、アクティブな雰囲気を呼び込んでいます。トップスにつややかなシルクのブラウスを迎えたのも、エレガンスを引き出す好判断!
■5:無造作な「袖まくり」でこなれ感をアップ
ジャケットを程よく着崩すうえで、袖まくりは最も手軽な選択肢のひとつです。気負わない雰囲気が出るのに加え、軽やかなイメージも加わって、ライトな見え具合に整えられます。
ウォーターカラーのジャケットをまとった、モデルのNina Agdal(ニーナ・アグダル)は、爽やかなパンツルックにまとめ上げました。決め手はひじのあたりまで、思い切って袖をまくり上げたところ。細い腕を見せることによって、着痩せ効果も引き出しました。
ダブルブレストのジャケットだから、なおさら布がたっぷり揺れて、優雅な着映えに仕上がっています。
秋からの温度調節にも重宝するジャケットだけに、着こなしの引き出しを増やして、自在のコーデを楽しみたいものです。ジャケット本来のカッチリした印象を、少しだけずらすスタイリングを取り入れれば、オン・オフと両方で着回しやすくなるから、お手本コーデを参考に、バリエーションを増やしていきましょう。
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- PHOTO :
- Getty Images
- WRITING :
- 宮田理江
- EDIT :
- 石原あや乃