1924年にイタリア・ピエモンテ州で創業したロロ・ピアーナ。世界最高級の生地を供給するテキスタイルメーカーとして、同じくイタリアのテキスタイルメーカー、エルメネジルド・ゼニアと双璧を成している。日本でも、百貨店のイージー・オーダーなどでロロ・ピアーナの生地が使われることも多く、高価格ながら男性にも馴染みのあるブランドだ。1990年代に入り、自社の名前を関したブランドを展開し、その超高品質とラグジュアリーな世界観で瞬く間にトップブランドに躍り出た。

今回紹介するアイリッシュリネンシャツは、世界中の男たちがこぞって愛用し、創業者一族の故・セルジオ・ロロ・ピアーナ氏も愛用していた、同社の歴史の中で15年以上続く人気定番だ。ここでは、なぜロロ・ピアーナのシャツが世界中の男たちを魅了しているのかを、在りし日のセルジオ・ロロ・ピアーナ氏の姿から紐解いてみたい。

アイリッシュリネンの繊細な着心地は一度味わったら病み付きに

 10年程前、カプリ島に赴いた。目的はロロ・ピアーナの取材。出迎えてくれたのはセルジオ・ロロ・ピアーナだった。彼は招待客をボートに乗せ、沖合いへ舵を切った。澄んだ青空を背景に、優しげに微笑む姿が今でも目に浮かぶ。彼が着ていたのは真っ白のシャツ。目が詰まったリネン生地で、それが上質であることは一目瞭然。広く開いた襟元には開放感があり、ゆったりとしたシルエットが風になびく。一枚ではおることを見越してか、胸に大きめのポケットが。モードとは一線を画したスタイルだ。青の洞窟近くで停泊中、装いの哲学について尋ねた。「場に自然となじむこと。自分が心地よいと感じるだけではなく、同じように周りの人も心地よく感じること」。太陽が照りつける洋上で着た、洗いざらしのリネンシャツ。視線にいれたこちらにも清涼感が伝わってくる。彼の立ち居振る舞いは雄弁で、ロロ・ピアーナのエレガンスの真髄を体現していた。夏はもうすぐ。クローゼットであのリネンシャツが出番を待ちわびている。

¥77,000(ロロ・ピアーナ ジャパン)

創業者一族である、故セルジオ・ロロ・ピアーナ氏も愛用していた、同社の15年以上続く人気定番。素材には、上質なアイリッシュリネンを採用。ワンピース(台襟部と折返り部が一体)カラーが採用されているため、第一ボタンを開ければ、オープンカラーに。タイドアップするときは、付属の襟芯で、リネンにさらなるハリをプラスすることが可能。

いかがだろう? ロロ・ピアーナのリネンシャツの着心地に、誰もが病みつきになる理由がお分かりだろうか? ぜひ実際に手にしていただき、極上の着心地を体験味してほしい。

※価格はすべて税抜です。※価格は2016年夏号掲載時の情報です。

この記事の執筆者
TEXT :
鷲尾顕司 エディター
BY :
MEN'S Precious2016年夏号「麻」名品の猛き風格より
「アエラスタイルマガジン」や「メンズクラブ」などの男性誌を手がける手腕を持つ。ファオーマルスタイルやカジュアルスタイル、名品アイテムなどすべてに精通した敏腕編集者である。
クレジット :
撮影/戸田嘉昭・小池紀行(パイルドライバー/静物) スタイリスト/石川英治(tablerockstudio) 文/鷲尾顕司