音楽を語る中で、「グルーヴ感」という言葉をよく聞く。それは一体どういうものなのか? 平たくいえば「ノリのいい」感じであり、リズム体において数値では測れない演奏の癖、アクセントの置き方などによって現れるようだ。いずれにせよ、気持ち良さを感じられるわけだから、ドライブに合わないわけがない。そんなグルーヴの快感を、編集者の菅原幸裕氏が解説する。

歌とギターのグルーヴ

ボサノヴァの生みの親、ジョアン・ジルベルト(1931〜2019年)。写真:AP/アフロ
ボサノヴァの生みの親、ジョアン・ジルベルト(1931〜2019年)。写真:AP/アフロ

先日亡くなった、ボサノヴァの生みの親ジョアン・ジルベルト。彼の後年の作品『ジョアン 声とギター』を聴くと、そのグルーヴが、タイトル通り歌唱とギター演奏で生み出されていることがよくわかる。両者の相互作用が、音楽に波のようなうねりをもたらすのだ。

そんなジルベルトのグルーヴから連想したのが、クラシック・ギターを弾き歌う古川麦の音楽。ボサノヴァにも通じた古川だが、彼の音楽はそこに止まらず、実にポップ。ただ、その音楽の根底には常に歌とギターが生み出す心地よい揺らぎがある。さらにアメリカのシンガーソングライター、デヴェンドラ・バンハートの最新作からも、同種の歌とギターによるグルーヴを感じた。

ちなみに『声とギター』は、バンハートが敬愛する音楽家、カエターノ・ヴェローゾがプロデュースしている。これらの作品は、いずれもドライブに適度なリラックス感をもたらしてくれる。

ドライブで聴くならこの3枚!

■1:『João Voz E Violão(ジョアン 声とギター)』ジョアン・ジルベルト

2000年発表の作品。囁くような歌声とギターのみサウンドは、ボサノヴァという音楽の原点を感じさせる。2019年12月にはアナログのリリースも予定。(Universal)
2000年発表の作品。囁くような歌声とギターのみサウンドは、ボサノヴァという音楽の原点を感じさせる。2019年12月にはアナログのリリースも予定。(Universal)

■2:『MA』デヴェンドラ・バンハート

画家としても活躍しているシンガーソングライターの最新作。「母」をテーマに、英・葡・西・日の多言語による穏やかな歌声が魅力。(Nonsuch)
画家としても活躍しているシンガーソングライターの最新作。「母」をテーマに、英・葡・西・日の多言語による穏やかな歌声が魅力。(Nonsuch)

■3:『シースケープ』古川麦

最近ではTVCMで「愛は勝つ」をカバーし話題に。クラシックやジャズ、ブラジル音楽まで広範な音楽的素養を感じさせるサウンドだ。(Pヴァイン)
最近ではTVCMで「愛は勝つ」をカバーし話題に。クラシックやジャズ、ブラジル音楽まで広範な音楽的素養を感じさせるサウンドだ。(Pヴァイン)
この記事の執筆者
『エスクァイア日本版』に約15年在籍し、現在は『男の靴雑誌LAST』編集の傍ら、『MEN'S Precious』他で編集者として活動。『エスクァイア日本版』では音楽担当を長年務め、現在もポップスからクラシック音楽まで幅広く渉猟する日々を送っている。
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