今年、創設60周年を迎えたモータウン・レコーズ。1959年にアメリカはデトロイトで設立されて以来、数々のビッグ・ヒット、トップ・アーティストを輩出し続けるソウル/ポップ・ミュージックのパイオニアだが、60年代末から70年代にかけて大スターとなったのがジャクソン5。そこでマイケル・ジャクソンとメイン・ヴォーカルを分け合ったのが、ジャクソン・ファミリーの三男、ジャーメイン・ジャクソンだ。

ジェントルな歌声とベーシストとしての優れた才能を併せもつジャーメイン

写真キャプクレジットジャーメイン・ジャクソン
時を重ねても輝きを失わないジャーメインのパフォーマンスは見逃せない

 ジャクソン5時代から独自にソロ活動を開始し、その後も着実なヒットを放ちながらマイケルとはひと味違う個性を発揮してきたジャーメインが、11月7日から4夜連続で初めてブルーノート東京のステージに立つ。ここで、50年を超える彼のアーティストとしての足跡を、ざっとたどってみよう。

 兄弟であるジャッキー、ティト、マーロン、マイケルと共にジャクソン5のリード・ヴォーカル/ベーシストとして1968年にレコード・デビュー。翌1969年にモータウン・レコーズに移籍し、グループの歴史的快進撃が始まる。1972年、1973年と2年連続でソロ・アルバムを発表。

 1975年、ジャクソン5はCBSに移籍し、ジャクソンズと改名するが、このとき、ジャーメインはモータウンに残ることを選択してグループを離脱する。

 モータウン時代のジャーメインの代表作といえば、ご存知「レッツ・ゲット・シリアス」。1980年にスティーヴィー・ワンダーをプロデュースに迎えて制作されたこの曲で、ソロとして初のR&BチャートNo.1を獲得。ディスコ/ファンク史に燦然と輝く1曲となった。

 1984年にはアリスタに移籍し、グレッグ・フィリンゲインズ(キーボード)ら、マイケル・ジャクソン作品でもお馴染みの面々を動員したアルバム『ダイナマイト』を発表。マイケルとの和解デュエットともいえる「もしかして恋」に加え、ホイットニー・ヒューストンのデビュー・アルバムにも提供された彼女とのデュエット「やさしくマイ・ハート」が収録されている。また、この年にリリースされたジャクソンズのアルバム『ビクトリー』に参加、ツアーにも同行している。

 1986年には、大ヒットしたクリストファー・クロスのデビュー・アルバムなどで知られるプロデューサー、マイケル・オマーティアンと組んで、AOR色の濃いアルバム『プレシャス・モーメンツ』を発表。その中の「恋するまなざし」は、スター街道を歩み始めたホイットニー・ヒューストンを再びゲストに迎えたデュエット・ナンバーだ。1989年のアルバム『ドント・テイク・イット・パーソナル』ではシンガーに徹し、タイトル曲をソロとして2度目のR&BチャートNo.1に導いている。

 2011年10月、マイケル・ジャクソン追悼コンサートに出演。亡き弟のために彼が一番好きな歌だったといわれる「Smile」を歌ったことは、MJファンのみならず、多くの人たちの記憶に深く刻まれている。

 2012年にはフランスのオペラ歌手、デヴィッド・セレーロと組んだジャズのスタンダード・ナンバー集『アイ ウィッシュ ユー L.O.V.E 』を発表。近年はジャンルや国境を超えた活動が目立つ一方で、R&B本格復帰を感じさせる「サマー タイム フィーリング」(2015年)を発表するなど、その活動は確実に続いている。そんなジャーメイン・ジャクソンのブルーノート東京でのステージは、いったいどんな内容になるのだろう。

 毎夜、繰り広げられるブルーノート東京のライブは、1日2ステージというのが基本。しかし、ジャーメインの公演は1日1ステージというプレミアムなもの。入場時間もゆとりをもって設定されているため、早めに席についてグラスを傾けながら、クラブ・ギグならではの贅沢な時間を過ごしたい。

※プロフィール参考 ソニー・ミュージックエンタテインメントのサイトよりhttp://www.sonymusic.co.jp/artist/jermainejackson/

ジャーメイン・ジャクソン

■スケジュール:11月7日(木)、8日(金)、9日(土)、10日(日)
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グラスシャンパンのプレゼント付き!31stアニヴァーサリー・ディナー・コースを堪能

ブルーノート東京のオープンは1988年11月。31周年となるこの11月は、31stアニバーサリーを華やかに彩る、スペシャル・ディナー・コースが用意されている(11月7日~11月30日)。お一人様¥8,470(税サ込)

ジャーメイン・ジャクソンの公演は、入場時間からステージ開始までの時間に余裕があるため、アミューズ、前菜、メイン、デザートのコースを、連れとの会話を楽しみながら堪能することができる。そして、このスペシャル・ディナー・コースには、歴史あるシャンパーニュ・メゾンである「シャルル・エドシック」のグラスシャンパンがプレゼントされる。

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この記事の執筆者
音楽情報誌や新聞の記事・編集を手がけるプロダクションを経てフリーに。アウトドア雑誌、週刊誌、婦人雑誌、ライフスタイル誌などの記者・インタビュアー・ライター、単行本の編集サポートなどにたずさわる。近年ではレストラン取材やエンターテイメントの情報発信の記事なども担当し、ジャンルを問わないマルチなライターを実践する。