長年、はき込み磨き込んだ靴の深い味わい。それを蘇らさせるのがパティーヌ(Patina)という技法だ。この言葉は本来、家具などの古色を意味するが、靴の世界ではフランスの有名靴メゾンが開発した、さまざまな染料やワックスを重ね、一足の靴を唯一無二の芸術作品へと昇華させる技法を言う。

東京・銀座のブラスクハウスは、その有名靴メゾンなどで経験を積んだカラリスト佐藤哲也氏が、豊かな感性と確かな技術でカラーリングを施す希有なアトリエ。

革の魅力を引き出す芸術的なカラーリング

佐藤氏がカラーリングを施したカードケース。¥27,000。税抜、参考価格。購入やカラーリングは完全予約制。http://www.brusquehouse.com/

対象となるのは靴だけでなく、鞄などの革製品。

ただ、佐藤氏は今後、ワークショップなどを開催することで、奥深いカラーリングの世界を、より多くの人に楽しんでもらうことを考えている。確かに自分でできたら楽しさが広がる。

自分だけの1足を手に入れる!

生成りの革で仕立てた靴に佐藤氏がカラーリングを施すことで世界で唯一の芸術作品が完成。今回は立体感あふれるブルーで表情豊かに。
生成りの革で仕立てた靴に佐藤氏がカラーリングを施すことで世界で唯一の芸術作品が完成。今回は立体感あふれるブルーで表情豊かに。

靴と革製品を同じトーンにしたり、逆に異なるトーンでハーモニーを楽しんだり。芸術から日常使いのアイテムへ。

今、パティーヌの世界は確実に広がりつつある。

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名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
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