ブランドのヘリテージをどれだけ大事にして、どう表現するか。シーンを牽引する名門への課題を見事にクリアしたのが、「ランゲ1」の誕生25周年アニバーサリーコレクションといえるだろう。2019年1月から9月までの間に月1本ペースで、合計10種類の限定モデルを出したのだ。

ドイツの時計づくりの象徴が祝うアニバーサリー

A.ランゲ&ゾーネ「ランゲ1『25thアニバーサリー』」

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「ランゲ1『25thアニバーサリー』」●手巻き ●18Kホワイトゴールドケース×アリゲーターストラップ ●ケース径/38.5mm ¥4,890,000(A.ランゲ&ゾーネ)※世界限定250本、予約受付終了

この「限定」を見た目上特徴付けるのは、ダイヤルの配色だ。

並木浩一さんが、「銀色の地にブルーという、無彩色と高貴な色だけの組み合わせが清々しい」と快哉を叫べば、「ブランド再興に尽力したウォルター・ランゲとギュンター・ブリュームラインの名前がハンターバックとなった裏蓋に刻まれており、25年前の復活劇、栄光の瞬間を想起させます」とは、当時をよく知る上根 亨さん。

ブランドの再興と共に登場し、類希なる個性を持ちながらも、ドイツプロダクトらしいデザイン性も兼備、新時代の象徴となったモデル「ランゲ1」。わずかな差異でもって、それもセンスよく「限定」に仕上げるところにブランドが培ってきたヘリテージへのリスペクトと、現代ウォッチメーキングの妙をにじませる。

「結局10本出し切った、ブランドの底力を感じます」と、スイスのリポートで本作に注目した岡村佳代も感嘆。連作となることで、ドイツのウォッチメーキングの金字塔として背負うものの大きさが伝わる。

ブランドのアイデンティティとなるアウトサイズデイトと、時分表示とスモールセコンド、パワーリザーブをアシンメトリーに配置したフラッグシップ「ランゲ1」。発表当時は従来の時計ダイヤルの概念を覆すデザインだったが、25年の時を経て名品として定着。その美観を改めて実感できる、ブルーの涼感が印象的だ。

キャプション左
開閉可能なハンターバックから覗くのは、テンプ受けに記念のハンドエングレービングが施されたキャリバー「L121.1」。
キャプション右
裏蓋には1873年竣工のランゲ時計工房、両脇には本作の誕生に欠かせないふたりの名前が刻印。
キャプション右
アウトサイズデイトの数字もブルーにそろえた。

※掲載した商品は税抜です。

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<出典>
MEN'S Precious冬号「寅さん」とヴィンテージ
メンズプレシャス冬号
【内容紹介】山田洋次監督インタビュー/「寅さん」のダンディズム/ミスターヴィンテージ、草彅剛の私物も大公開!/紳士の世界遺産、ヴィンテージ名品/MEN'S Precious WATCH AWARD 2019ほか
2019年12月6日発売 ¥1230(税込)
この記事の執筆者
TEXT :
MEN'S Precious編集部 
BY :
MEN'S Precious2020年冬号より
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PHOTO :
戸田嘉昭・池田 敦(パイルドライバー)
STYLIST :
関口真実
WRITING :
高村将司
EDIT :
岡村佳代