プッチーニの三大オペラのひとつ『ラ・ボエーム』は、アンリ・ミュルジェールの小説『ボヘミアン達の生活風景』が原作。タイトルのBoheme(ボエーム)はフランス語で、原作の邦題にあるようにボヘミアンを意味する。19世紀頃には、芸術家や作家などに多く見られる、俗世間の掟に囚われずに気ままに生きる人たちを指して使われたという。
名作オペラの極め付け『ラ・ボエーム』の舞台で今年No.1の贔屓歌手に出会う
『ラ・ボエーム』は、そんな19世紀のパリを舞台に、詩人ロドルフォとお針子ミミの純愛を中心にして、明日の成功を夢見る若き芸術家たちの青春を描いたオペラ。世界中で愛される名作だが、パリの町を俯瞰するような粟國淳演出による繊細かつ豪華な舞台は、新国立劇場オペラの演目の中でもとくに人気が高く、その上演を心待ちにしているファンも多い。
ファッション・アイコンとしての存在感も際立つソプラノ歌手、ニーノ・マチャイゼに注目!
その『ラ・ボエーム』、2020年の幕開け(1月24日~2月2日)に新国立劇場オペラに登場するが、今回はとくに大きな話題がある。圧巻の美貌と表現力、豊かな声で称賛を集める世界的なスター・ソプラノ歌手、ニーノ・マチャイゼが出演するのだ。彼女にとってはこれが、新国立劇場のみならず日本の劇場への初登場となる。
ニーノ・マチャイゼはジョージア出身。ミラノ・スカラ座アカデミー修了後、ザルツブルク音楽祭へのセンセーショナルなデビューで大きな注目を集めて以来、世界の一流歌劇場を席巻してきた。しかも、ハイセンスな世界的セレブリティであり、ファッション・アイコンとしても絶大な信頼を得ている。
ニーノ・マチャイゼのミミが聴ける!これは事件だ! と、日本のオペラ・ファン、クラシック・ファンの間ではすでに熱く語られている。もちろん、新国立劇場オペラの芸術監督、大野和士氏も、「叙情的で質感のある声はミミにぴったり」と太鼓判を押す。
覇気と才能にあふれる新人から、誰もが認める偉大なるベテランまで、世界のオペラ界で注目を集める歌手たちの姿を、日本にいながらにして目の前のステージで観ることができる。それが新国立劇場オペラの最大の魅力。そして今回は、世界中で注目を集める話題のニーノ・マチャイゼのミミを生で体験できる。この幸運な機会は絶対に逃せない!
■新国立劇場 2019/2020シーズンオペラ
プッチーニ『ラ・ボエーム』[全4幕/イタリア語上演 日本語及び英語字幕付]
公演日:2020年1月24日(金)~2月2日(土)
会場:新国立劇場 オペラパレス/東京都渋谷区本町1-1-1
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- TEXT :
- 堀 けいこ ライター