PR会社に勤務する木村則生さんは、もともと大の英国ヴィンテージファン、しかも1930年代の、古き良き紳士のスタイルを愛好していた。
それがつい先日、渋谷の路上で見かけた際、その服装に驚かされた。ややオーバーサイズ気味のショルダーと長い着丈のダブルのジャケットに、ゆったりとしたシルエットのパンツ、すそはワンブレイクゆうにある感じ。
スーツの色はボルドー、それはまぎれもなく、1980年代に一世を風靡したジョルジオ アルマーニを頂点とした「ソフトスーツ」だった。
大人らしい上品さと余裕を持ったスーツの着こなし
柔らかな風合いが魅力的なヴィンテージアイテム
「1980年代のスタイルは、5〜6年くらい前から意識していました。30’sのスタイルは好きですが、今は少し大げさすぎる感じがしていて……。自分が若かった頃に買えなかったトキオクマガイなどを探していたのですが、2年前くらいからゆったりとした服を着たいと思って、ジョルジオ アルマーニのヴィンテージに行き着きました。あるネットメディアで読んだ遠山周平さんの、そろそろゆったりした服がいい、という言葉にも後押しされました」
このように語る木村さん。その着こなしは決して時代遅れでも、最近の若者にみられるようなルーズなセットアップでもなく、今ではあまり見られなくなった、大人らしい上品さと余裕が感じられるものだった。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2019年秋号より
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- PHOTO :
- Hirotaka Hashimoto
- WRITING :
- 菅原幸裕