映画「ワイルドスピード」シリーズでもお分かりのように、日本のカスタムカー文化は、今や世界的な影響力を誇る。そもそもはアメリカの迫力あるマッスルカーやサルーンにインスピレーションを得ているのだろうが……。という意味では本家にあたるアメリカで、もっとも有名なスポーツカーがシボレー・コルベット。その最新型がカスタムカーの祭典「東京オートサロン2020」で披露されたのも、ある意味当然と言える。
大排気量エンジン搭載の本格スポーツカー
シボレー・コルベット(米国人はコーベットと呼ぶ)というだけで、さまざまに思い入れがあるおとなは多いはずだ。日本だとレアな部類に入るけれど、乗れば、ぶっとぶぐらい楽しいスポーツカーなのだ。
2019年11月に、コルベットはフルモデルチェンジを受けた。大きな話題になったのは、1953年の最初期型いらい、はじめてミドシップとなったことだ。日本では、2020年1月の東京オートサロンで初公開され、大いに注目を集めている。
C8とも呼ばれる新型コルベットは、495馬力の最高出力と、約637Nmの最大トルクを持つ6.2リッターV型8気筒OHVエンジンをコクピットの背後に積んでいる。
ボディは、4630ミリの全長に対して、1234ミリと低く抑えた車高とともに、キャビンを前方に据えてドライバーを中心にヨーモーメントを作り出す、リアルスポーツカーの発想でデザインされている。
エンジンはドライサンプ式となり低重心化と、リアルスポーツカーとしてのハンドリング向上が目指されている。トランスミッションは8段のツインクラッチで、こちらもメルセデスAMGのAMG GTをはじめとする競合スポーツカーと真っ向から勝負しようという意気込みが感じられる。
アメリカでは主要レースにも参戦予定
実際に本国では、2020年2月からのデリバリーを前に、はやくもレース計画をスタート。「C8.R」(Rはレーシング)というモデルで、1月23日スタートのデイトナ24時間レースを皮切りに、主要レースへの参戦を発表している。
日本には、2モデルで。「2LT」(予価1180万円)と「3LT」(同1400万円)となる。ともに標準で右ハンドルというのも、輸入元の本気を感じさせるではないか。豪州など左通行の国に合わせた仕様だ。2つの仕様のちがいは装備である。
かつ日本仕様には標準で、マグネティックライドコントロール、パフォーマンスエグゾースト、リアスポイラーなどを含む「Z51パッケージ」が組み込まれるそうだ。
「多くの装備がオプションとなる他社のスポーツカーに較べて、たいへんバリューのある価格設定にしています」と、日本法人の広報担当者の言葉には説得力がある。予約はネットで始まっており、日本でデリバリーが始まるのは2021年春という。
【シボレー・コルベット2LT】
ボディサイズ:全長4,630×全幅1,934×全高1,234㎜
駆動方式:RWD
トランスミッション:8段2ペダル式ツインクラッチ
エンジン:6.2l V型8気筒OHV
最高出力:369kW(495hp)@6250rpm
最大トルク:470Nm@5150rpm
価格:¥11,800,000(税込)〜
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- 小川フミオ ライフスタイルジャーナリスト