2020年春夏コレクションではパリでは75ブランドが、ミラノでは56ブランドのショーが開催され、女性デザイナーの活躍が顕著に。特に大人の心をときめかせた、4ブランドにフィーチャーします!
■1:シャネル(CHANEL)のアーティスティック ディレクター、ヴィルジニー・ヴィアール
ツイード素材を巧みに重ね、モダンなパリジェンヌを表現
ファッション界の帝王と呼ばれた、カール・ラガーフェルドの後任として指名されたヴィルジニー・ヴィアール。マドモアゼルとカールが築いてきたシャネルにおいて、新たに期待を集める彼女。
春夏コレクションでは、黒、白、赤のアイコニックカラーを組み合わせたスタイルなどで、新しい女性像を物語りました。
名品と呼ばれ時代を超えて愛されるツイードジャケットも、ヴィルジニーの手にかかれば、モダンな香りをまとった躍動的なスタイルに進化。
ヌーベルバーグの映画からインスピレーションを受けたというショーでは、パリらしいシックなスタイルを披露し、シャネルの新時代の幕開けを感じずにはいられません。
■2:エルメス(HERMÈS)のデザイナー、ナデージュ・ヴァンヘ=シビュルスキー
上質な素材と繊細なカラートーンでエルメスの美学を追求
洗練された着こなしを愛する大人にとって、今季のエルメスのショーは感動を覚えるほど。メゾンの伝統が宿る、極上のレザーの魅力を存分に生かし、シックなトーンオントーンで見せる洗練の極みが、心を揺さぶります。
コニャックやチェスナット、モスグリーンといった絶妙な色がもつニュアンスの魅力を改めて再認識させられた今季のコレクション。
エルメスならではの巧みなレザー使いだけでなく、後ろ姿のセンシュアルなカッティングに、繊細な感性をもつメゾンらしさが光ります。
エルメスが提案するのは、今を生きる女性たちの美しさを導き出す、ミニマルで芯のあるスタイル。現代女性が美しく生きるためのエッセンスが凝縮しています。
■3:ディオール(DIOR)のアーティスティック ディレクター、マリア・グラツィア・キウリ
時代の流れに乗りながら、夢の世界感を紡ぎ出す名手
1946年の創業以来、エレガントで繊細なスタイルを打ち出すディオールにおいて、初の女性アーティスティック ディレクターに抜擢されたマリア・グラツィア・キウリ。
今季のコレクションは、香水「ミス ディオール」のミューズとなったムッシュ ディオールの妹カトリーヌからインスパイアされたもの。庭園の花々に情熱を注いだ彼女のスタイルをベースに、エコ・プリンティングを施したドレスを披露。
さらに、コレクション会場に配置した植物は、フランス国内の地域に再植されるよう、サステナビリティの配慮も。イマジネーションの世界だけでなく、現実社会にも目を向けたバランス感覚が、多くの女性に支持される理由となっているのです。
■4:フェンディ(FENDI)のデザイナー、シルヴィア・フェンディ
バカンスの楽しい思い出を、ラグジュアリーな服へと昇華
イタリアの老舗ブランド、フェンディ一族に生まれ、『セレリア』『バゲット』『ピーカブー』と数多くの名品バッグを生み出してきたシルヴィア・フェンディ。
今季、初めて単独ディレクションで行ったショーは、イタリア特有の豊かなライフスタイルがにじみ出るものでした。
フローラルプリントを施したファッションピースや、ミモザやマロンカラーの色調は、ファミリーのセカンドハウスのあるイタリア・ポンツァ島で過ごすバカンスをイメージ。
心地いいスタイルを大切にする彼女。これからますます、シルヴィア自身の胸に刻まれた美しいイタリアの風景や思い出が、フェンディのデザインの土台となるに違いありません。
『Precious』2020年3月号では、春夏のトレンド最前線から厳選した「大人が輝く『トレンド』速報」を大特集! 詳しくはぜひ雑誌『Precious』をチェックしてみてくださいね。
問い合わせ先
- シャネル(カスタマーケア) TEL:0120-525-519
- エルメスジャポン TEL:03-3569-3300
- クリスチャン ディオール TEL:0120-02-1947
- フェンディ ジャパン TEL:03-3514-6187
- PHOTO :
- 唐澤光也(RED POINT)
- STYLIST :
- 関口真実
- EDIT&WRITING :
- 川口夏希、中村絵里子(Precious)
- RECONSTRUCT :
- 安念美和子