ゴールデンエイジの芸術家、世界の王侯貴族、お洒落に夢中だった80年代のティーンエイジャー……。ここはすべての男たちが恋い焦がれた、麗しの美の都。ファストファッションの店舗が居並ぶ大通りを通り抜け、狭い街路を彷徨(さまよ)い歩けば、パリはいつだって、あの頃の表情を私たちに見せてくれる。目まぐるしく移ろう世の中において、変わっていくべきものと、変えてはいけないもの。この街に住む男たちは、その案配を知り尽くしている。
不変のパリに再会の投げキッスを!
英国クラシックをフランス流センスで着こなす
クラシックなステンカラーコートやチェックのジャケットを、鮮やかなVゾーンのあしらいによって軽妙にアレンジ。ソックスに差し色を効かせるのもお忘れなく。
軽快なブルーがフレンチシックの要
英国の「BLUE」ともイタリアの「AZZURRO」とも違う、久しぶりにフランスならではの「BLEU」を感じさせる、軽やかなブルーのパンツが登場。ブラウンのステンカラーコートやポロと合わせれば、フレンチシックが楽しめる。
フレンチアイビーの名品がよみがえる!
かつてフレンチアイビーの象徴だった、オールドイングランドの英国製ダッフルコート! カラフルなヘリンボーン織りのカットパイル生地を使ったこちらをはおれば、どんな装いにもパリの粋が充満する。ブルーを使ったグレンチェックのジャケットを合わせれば、より大人っぽいスタイルに。
歴史ある街になじみつつモダンさも主張するホワイトジーンズとローファー
各国を代表するクラシックアイテムをミックスしてホワイトジーンズでクリーンにまとめた、フランス流カジュアル。カラーのストライプシャツがキーアイテムだ。
カジュアル&スノッブなBCBG!
かつてBCBGの中心地と言われ、現在再び注目が集まっている高級住宅街、パリ16区。近年オープンし、瞬く間にこのエリアを代表する人気店へと成長したカフェ&バー「CRAVAN」にて。この店の名物カクテルのように鮮やかなレッドを効かせた、粋なジャケットスタイルを楽しんで。黒靴&ブルーのソックスという足元のハズしにも注目を!
フランスらしいお洒落とは?
「フランスらしいお洒落」とは、なんだろう?ある人はモノトーンの装いを、またある人はアバンギャルドなモードを思い浮かべるかもしれない。百人いれば百通りの「フランスらしさ」が存在し、正解などないのだ。しかし、とあるパリジャンは「それこそがフランスらしさ」と胸を張る。私たちが自由に楽しんでいた装いを、他の国の人々がカテゴライズしたに過ぎない、と。だからこそ、フレンチトラッドの解釈は自由。そこには新しい装いの可能性が秘められている。
フランス的解釈でツイードを着こなすのもあり!?
ガウンのようにゆったりとしたツイード製コートに、ボルドーカラーのパンツやスカーフ。英国流のツイードとはひと味違う、やわらかさと色気を感じさせるスタイルだ。
オールブラックで楽しむ新しいクラシック
トラディショナルなアイテムで固めつつも、全身ほぼブラック、しかも大胆なシルエットが楽しめるゴム引きのケープコートを主役にした、トラッド×モードなコーディネート。モダンだが、どこか1920年代のアーティストを彷彿させる、これもまたフランスらしい着こなしだ。足元は重厚なマウンテンブーツでバランスを取って。
時代の流れをしたたかにやり過ごすパリジャンの美意識で、ネイビーブレザーを着こなす
金ボタンのネイビーブレザーに、ベルナールザンスのチェックパンツ、タートルネックニットという、フレンチアイビー黄金期の代表的コーディネート。しかし今季のそれは、やわらかなコンストラクションかつ4つボタンのネイビーブレザーを合わせ、現代的な装いへと昇華させるのだ。
※価格はすべて税抜きです。※2019年秋号掲載時の情報です。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2019年秋号より
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- PHOTO :
- 長山一樹(S-14)
- STYLIST :
- 櫻井賢之
- HAIR MAKE :
- Sylvain