英国の古着を長年扱い続けている私が、昔の服と今の服の違いをひと言で表すならば、「魂の熱量」です。英国のヴィンテージは、つくった人の意思そのものが、語りかけてくるんです。
つくり手の思いが魂に訴えかけてくる英国ヴィンテージの熱度
写真の「アンダーソン&シェパード」のスーツは、まさにそんなものづくりが輝きを見せていた最後の時代、1970年代のもの。シルエットもデザインも当時のトレンドを無視した王道スタイル。サイドパネルを大きくとった構造など、昔ながらのテクニックを駆使した、素晴しい仕立てです。こういう古きよきものに秘められた、当時ならではの主張を読み解くのが、楽しいんですよね。(談・石田真一/古着店「オールドハット」店主)
これぞヴィンテージ!
サイドパネルを非常に広くとった構造は、燕尾服などに見られるもので、現在の「アンダーソン&シェパード」のスタイルとは大きく異なる。
この時代に見られるトラウザースのアジャスター、通称「ラビット」。これは昔のハイバック仕様のブレイシーズを使うためのものだ。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2020年冬号より
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