グッチの取説すべての男たちに捧ぐ!4人のグッチの「トリセツ」
■1:トラディショナルマインドにユーモアを添えて
グッチからは、ファッションブランドを超えた、カルチャーの深度を感じます。その一見装飾的なデザインの根底には、必ずクラシックやトラディショナルのルーツがある。アレッサンドロ・ミケーレ氏の頭の中には、ファッションの文化史すべてが詰まっているような気すらするのです。そんなグッチを私が着るなら、トラディショナルマインドに根ざしつつユーモアを取り入れます。ミケーレ氏のコンセプトの本質には、それがあると思うのです。(談・栗野宏文さん)
SELECT1:貴族の昼と夜を一着に封じ込めたジャケット
重厚なメルトン生地をベースに大量のメタルボタンや碇モチーフの刺しゅうをあしらった、凜々しいピーコート。ただしそで口やポケットのフラップに施したあしらいは、まるで英国貴族御用達のドレッシングガウンを彷彿させる。ゆったりしたシルエットと相まって、大人の余裕を感じさせる一着だ。
SELECT2:大人の着こなしにユーモアをプラス
アレッサンドロ・ミケーレ氏のユーモアに共感するという、栗野さんが選んだビッグロゴTシャツ。意外にもシックなデザインは、ジャケットに合わせるのも面白い。
SELECT3:ジェントルマンテイストを遊ぶストライプシャツ
英国クラシックを濃厚に感じさせる、ストライプのドレスシャツ。襟羽根にはステッチが入っておらず、それがスタイリングに独特のモダンさを感じさせる。
SELECT4:ヴィンテージテイストはグッチの真髄!
ヴィンテージっぽいレトロな配色が魅力の、Vネックのアーガイルニット。ボタンダウンシャツやチノパンなどに合わせた、ナードな装いにぴったりはまる。
スウィンギン・ロンドン期のユーモア漂うトラディショナルなコーディネート
グッチのプレッピーテイストのパイピングジャケットやカーディガンに、私物のラウンドカラーシャツやボウタイ、コンビシューズをミックス。「ツイッギー主演の映画『ボーイフレンド』(1971年)のスウィンギン・ロンドン的世界観を意識して、トラッドのなかにポップさを効かせました」という栗野さん。モードの印象が強いグッチでこんなトラディショナルかつ軽快なコーディネートが楽しめるとは、新しい発見である!
■2:’70年代のニューヨーカーをイメージ
一見すると手強そうですが、探すと実はベーシックで着やすいワードローブがたくさん見つかるのが、現在のグッチ。しかもヴィンテージ、トラッド、70’s……。ファッションの嗜好も問いません。雑食傾向の僕としては次々と目移りしてしまうのですが、今季いちばん挑戦したいのは、1970年代のニューヨークトラッド。ツイードのコートやホースビットローファーを、気どらずチノパンなどに合わせたいですね。(談・山下英介)
SELECT1:’70年代テイストのクラシックショルダー
ユニセックスで使える、ややコンパクトな2WAYショルダーバッグ。ツイードとリザードのコンビという素材使いが、1970年代のグッチを彷彿させる、ヴィンテージテイストの一品だ。コーデュロイジャケットやチノパンなど、アメリカントラッドなアイテムとの相性も抜群だ。
SELECT2:ジャケットに合わせたいオープンカラーシャツ
両胸にポケットが付いたヴィンテージテイストのオープンカラーシャツ。コットンスーツのインナーに合わせて、襟を出すのが気分。
SELECT3:グッチ初心者におすすめのパターンドニット
トラッド派の間で評価の高い、グッチのニット。ブランドのアイコンをあしらったこちらのウールのカーディガンも、合わせるアイテムを選ばない優れもの。
SELECT4:気構えずそでを通せるグッチ流クラシック
英国貴族を思わせるデザインながら、ウエストや背中にポップな意匠を施すことでより身近な存在にした、グッチならではのスモーキングジャケット。
ツイードのコートをアメリカントラッドをイメージしたコーティネート!
グッチが発表したざっくりしたツイード素材のコートは、ビッグシルエットや低いゴージ位置がレトロな印象。細身のウールパンツと合わせてもよいが、山下はあえて2タックのチノパンやケーブル編みのニット、白いボタンダウンシャツを合わせることで、アメリカントラディショナルな着こなしに。「これだけではシンプルすぎるので、『GGパターン』のハットや『ホースビット』のエスパドリーユでひとクセ加えれば、気分は’70年代のニューヨーカー!ウディ・アレンのような、気どらないお洒落が楽しめます」(山下)。
■3:粗野なものとの対比でラグジュアリー感を際立たせて
グッチはランウェイのインパクトが強烈だったため、デザイン性が強すぎるのかな?と思っていたのですが、実際の商品はシンプルで上品なものが多いことに驚きました。ただ、単なるシックな服に終わらず、随所にこれ見よがしなほどゴージャスなセンスを覗かせる点が、また素敵です。私が着るなら、あえてワイルドなアイテムと合わせることで、その魅力を際立たせますね。(談・西口修平さん)
SELECT1:3シーズン着られる機能派トレンチ
エポレットやチンストラップなど、ミリタリーテイストのディテールを備えた、男っぽいコットン製トレンチコート。アニマルプリントのライニングは取り外しが可能だから、3シーズン着用できる。本格的な機能と、専業ブランドでは手に入らないラグジュアリー感を兼ね備えた一着は、ぜひ手に入れておきたい。
SELECT2:クラシックな装いのよきアクセントに!
ウールのポンチョはジャケットの上にはおるアウターとして、西口さんも愛用。「インターロッキングG」入りのこちらも、着こなしのいいアクセントになりそうだ。
SELECT3:グッチならではのゴージャスなクラシック
「インターロッキングG」入りのストライプ生地やゴールドのボタン、シルク製の裏地といった、グッチならではのゴージャスな意匠を効かせたブレザー。
SELECT4:キッチュなユーモアでクラシックをアップデート
現代のグッチらしさを感じさせる、レトロなショッピングバッグ。クラシックなスタイルに合わせて、ユーモアを効かせたい。縦42×横38×マチ10㎝。
ヴィンテージとのミックスでつくるワイルドプレッピーなコーディネート
「テーマは貴族の息子が不良だったら。英国貴族に由来するボーディングブレザーを、あえて粗野なヴィンテージアイテムとコーディネートすることで、グッチ本来の遊び心あるラグジュアリーを引き出しています」と西口さん。上質に仕立てられたブレザーだからこそ育ちのよさが伝わる、少々ワイルドでリッチなプレッピースタイルだ。
■4:グッチらしさと自分らしさの融合から新しい自分を見つけて
アレッサンドロ・ミケーレ氏のデザインからは、過去の遺産から解き放たれた、潔いまでの自由さを感じます。しかし面白いのは、決してらしさは失われていないこと。それは彼こそが、過去のノスタルジーにとらわれない新しいグッチらしさをつくっているからでしょう。年齢を重ねると、つい男は安定を求めがちですが、そんな自分を揺さぶるためにもグッチを取り入れてみてはいかがでしょうか。(談・大住憲生さん)
SELECT1:フランスの粋を感じさせる個性派アウター
フレンチシックの香り漂う、千鳥格子のケープ。ウール100%の表地とカシミア混のタッターソール生地をダブルフェイス使いした、ラグジュアリー極まる一着だ。黒のタートルネックやチャコールグレーのスラックスなどモノトーンで統一したコーディネートで、パリのエレガンスを極めたい。
SELECT2:シャープなシルエットが際立つ一本
紳士の脚をスマートかつエレガントに見せる、側章入りのトラウザーズ。生地はモヘアウールで、すそ幅は18cm。心地よい緊張感が楽しめる、スタイリッシュな一本だ。
SELECT3/中世貴族のエレガンスが漂うベルベットジャケット
ノーブルさ極まる、グリーンのベルベットを使ったダブルブレストジャケット。タイトだがストレッチが効いているため、着心地は快適。
SELECT4:野暮ったくないスマートなトートバッグ
さりげなくエイジング加工を施したキャンバス生地に「ウェブストライプ」をあしらった、クラシックかつスマートなトートバッグ
ナイロンブルゾンを自由な発想でインナー使い!
ビスポークしたダブルブレストのブレザーに、ベルトレスにこだわったフレンチブルーのスリムトラウザーズという、フレンチエレガンス漂う着こなしをトレードマークにする大住さん。そんなシックな装いのインナーに、なんと貴族的なプリントを施したナイロンブルゾンを合わせるという、驚きのアイディアを披露してくれた。「こんな着こなしで、パリの『ボンマルシェ』にでも行ってみたいですね」(大住さん)
※2019年秋号掲載時の情報です。※価格はすべて税抜、参考価格になります。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MNE'S Precious2019年秋号より
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