イギリスが誇るプレミアムSUVのレンジローバーに、新たなモデルが加わった。モダンなデザインと確かな走りは、都会のジャングルでアグレッシブに生きる紳士の日常を、華麗に彩ってくれる。
プレミアムSUVを開拓したランドローバー
「レンジローバー」は、イギリスのローバーモーター(当時)が、アメリカの軍用車であるジープを手本に作り上げたクロスカントリー4WD、「ランドローバー」(のちの「ディフェンダー」)の優れたオフロード走破性をそのままに、街乗りでの快適性を兼ね備えたまったく新しいジャンルのクルマとして、1970年に誕生した。
SUVの概念はアメリカで生まれたとはいえ、プレミアムな装備をもつ昨今流行のSUVとしては、「レンジローバー」が元祖といっていい。
この4WDのプレミアムカーは、代を重ねるごとに洗練をきわめながら、抜群の広さと収納力を誇る箱型のキャビンを継承してきた。一方で、2000年代になると、ポルシェ「カイエン」に代表される、よりスポーツカー志向のプレミアムSUVが人気を博すようになる。
そんな状況の下で生まれたバリエーションが、実用性を損なわない程度にキャビンのピラーを寝かせ、わずかに小柄で、かつスポーティな味付けを施した「レンジローバースポーツ」であり、さらにコンパクトSUVを求めるユーザーの嗜好に合わせて、スタイリッシュな「レンジローバー イヴォーク」が誕生した。
モダンなデザインと卓越した走破性を融合
そして今夏から日本に導入されたのが、第4のモデル、「レンジローバー ヴェラール」である。
キャビンの造形やフロントマスクは一瞥(いちべつ)して「レンジローバー」シリーズとわかるものだが、ボディは「フラッシュサーフェス」と呼ばれる、パネルやガラス、ライトなどの段差を極限まで少なくした、滑らかで美しいもの。
ちなみにボディサイズは「レンジローバースポーツ」よりも全長が約5㎝短く、全幅は逆に約5㎝広く、全高は13.5㎝も低い。この、モダンで若々しいスタイリングからは想像しにくいが、4WD専業ブランドならではの優れたオフロード走破性もしっかり継承されていて、4WDは駆動力を前後50:50から、状況に応じて前後それぞれ最大「100:0」「0:100」まで配分し、最大渡河水深(水に浸かっても走れる高さ)は650㎜まで対応。
まるで全天候型ドレスシューズともいうべきクルマである。アルミ複合材を用いたボディやディーゼルを含む4タイプのエンジンなど、最新のテクノロジーを投入した「レンジローバー ヴェラール」、試乗の機会が訪れた暁には、改めてリポートしたい。
〈ランドローバー・レンジローバー ヴェラール R-ダイナミック〉
全長×全幅×全高:4803×2032×1665㎜
車両重量:1884kg 排気量:2995cc
エンジン:V型6気筒DOHCスーパーチャージド
最高出力:380PS/6500rpm
最大トルク:450Nm/3500rpm
駆動方式:4WD
トランスミッション:8AT 価格:956万円(税込)
お問い合わせ ランドローバーコール
TEL:0120-18-5568
https://www.landrover.co.jp
- TEXT :
- 櫻井 香 記者