都市部でも人気のSUVだが、本領を発揮するのはもちろんオフロード。とはいえ、実際にオフロードで試乗する機会は限られているのが実情だ。

そんな折、雪の北海道でジープ3車種を試乗する機会に恵まれた。ちょっとその辺を一周、ではなく、帯広空港からトマムにある、「星野リゾート リゾナーレトマム」までの1時間強の道のりに加えて、トマムのリゾート周辺をじっくりとドライブ。路面状況は実に様々だった。ドライ舗装の高速道路には時間帯によってところどころに凍結があり、一般道には轍が目立つ。他にも除雪されていない生活道路や、雪解け水と砂利が混じった水たまり、山の中腹の雪上ワインディング、新雪が降り積もる畦道などなど。

方々を実際に走ってみて感じたのは、絶対的な「安心感」。悪天候や悪路にひるむことなく一歩を踏み出すことができるから、自然をより身近に、より自由に楽しむことができた。

「トレイルレイテッド」バッジが示すジープの誇り

今回、走行体験したのは、ジープ『ラングラー アンリミテッド スポーツ』『コンパス トレイルホー ク』『レネゲード トレイルホーク』の3車種。まずは末っ子『レネゲード トレイルホーク』から。ジープ初のスモールSUVで、代表車種『ラングラー』に一番近い顔をしている。

トレードマークの丸目がカワイイ。見た目は可愛くても、おもちゃっぽさはない本格仕様のタフボーイだ。
トレードマークの丸目がカワイイ。見た目は可愛くても、おもちゃっぽさはない本格仕様のタフボーイだ。
真四角にバッテンマークのテールランプもチャームポイント。
真四角にバッテンマークのテールランプもチャームポイント。

車高こそ1,725mmと高いが、全長は4,255mmとショート。横幅も1,805mmと、一般的なセダンと変わらないサイズだ。SUVとしてはかなりコンパクト。それでいてダイナミックなオフロード性能を備えているところは、さすが『ラングラー』の弟分だ。

『レネゲード』の中でも「トレイルホーク」はジープの十八番「4×4システム」を採用した唯一のグレード。超過酷なオフロード性能試験をパスした証である「トレイルレイテッド」のバッジがボディに刻まれている。

最高峰のオフロード性能を持つ証、「トレイルレイテッド」バッジ。
最高峰のオフロード性能を持つ証、「トレイルレイテッド」バッジ。

ちなみに「4×4システム」とは、険しい道を走破するための悪路走行用の装備。雪、泥、砂、岩など、路面状況に合わせて選べる走行モードや、路面状況に応じて4×2、4×4を自動で切り替えてくれるモードも。上り坂発進や、下り坂でのオーバースピードなどもサポートしてくれる。

「トレイルレイテッド」とは、ジープが最高峰のオフロード車を開発し続けるために設けた独自の評価基準で、その走行試験では、まるで登山のような険しく過酷な道なき道を走るという。

コンパクトSUVでここまで本格的なオフロード性能を備えている車は、なかなかない。巷によくある陸(おか)サーファー的なSUVでは全くなく、小さいながらも超本格派なのだ。日常では市街地の狭い道も走るけど、休日は自然の中をガンガン攻める、という人には願っても無い選択肢だろう。

トランスミッション、スロットルコントロール、トランクションコントロールなど、12種類の車両マネジメントシステムを連動し、あらゆる路面状況で安定した走りを実現させる「セレクティンシステム」。手動で切り替えることもできるが、オートモードにしておけば、常に自動で安心感のある走りを提供してくれた。
トランスミッション、スロットルコントロール、トランクションコントロールなど、12種類の車両マネジメントシステムを連動し、あらゆる路面状況で安定した走りを実現させる「セレクティンシステム」。手動で切り替えることもできるが、オートモードにしておけば、常に自動で安心感のある走りを提供してくれた。

本格オフロード性能がもたらすのは、絶対的な「安心感」

「自走で郊外のリゾートは行くけど、別にオフロードは攻めないよ」という人も多いだろう。私もそう。そんな人にもオススメしたい。その理由は、冒頭で触れた「安心感」。

東京に住む私は、今回が今シーズンの初雪だった。そもそも雪上ドライブの経験に乏しい。慣れない雪道で、初めて操縦する車。走行モードの予習もそこそこに高速道路に乗り込み、運転しながら操作できるか不安だったが、そんな心配は無用だった。セレクティンシステムをオートモードにしておけばいい。初めての道でも路面状況を車が読んで、自動で対応してくれる。2駆から4駆への切り替えも極めてスムーズ。コンパクトがゆえに車両感覚にもすぐに慣れ、同乗者との会話を楽しみながら運転することができた。

時折、路面状況の変化を知らせるランプがつく。それに注意を払いながらも、雪景色を満喫しながら気持ちにゆとりのあるドライブとなった。

安定の雪道ドライブを経て、無事に目的地である「星野リゾート リゾナーレトマム」に到着。安心感のある車だと、運転疲れも格段に軽い。ドライブ後の活動にスムーズに移れることを実感した。
安定の雪道ドライブを経て、無事に目的地である「星野リゾート リゾナーレトマム」に到着。安心感のある車だと、運転疲れも格段に軽い。ドライブ後の活動にスムーズに移れることを実感した。

もちろん、悪路走行モードはただのお守りではない。

過去に苦い経験がある。東京でもまれに3月に入ってから雪が降ることがあるが、この時がそうだった。東京から箱根の温泉に行った折、雨だった天気予報が雪に変わり、翌日チェックアウトする頃には積もっていた。東京から訪れる客の大半はノーマルタイヤのまま。

帰り道、雪の積もった箱根のワインディング路で、立ち往生する車を何台も見た。中には衝突してしまっている車も。車を宿に残したまま、電車で東京に戻った人もいた。辛うじてスタッドレスタイヤに履き替えていた私は、スタックや事故は免れたが、次の予定に大幅に遅れてしまった。

あの時、この車だったら、急な天候変化も楽しい思い出のひとつとして帰ってこられただろうな、とつくづく思う。

「悪路での走破性が高い」ということはそれだけ、「いざという時の対応力が高い」ということでもある。大切な人を乗せるときにこそ、こんな車をパートナーにすると、家路に着くまで安心して自然の中のレジャーを楽しむことができるだろう。

【後編へ続く】

【ジープ『レネゲード トレイルホーク』】
ボディサイズ:全長×全幅×全高=4,255×1,805×1,725mm
車重:1,570kg
駆動方式:4WD
トランスミッション:9速AT
総排気量:1,331cc
最高出力:132kw(179PS)/5,750rpm
最大トルク:270Nm/1,850rpm
乗車定員:5名
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
価格:¥3,518,182(税抜)

問い合わせ先

ジープ

TEL:0120-712-812

この記事の執筆者
女性ファッション誌、ビューティ誌を中心に執筆活動を行ったのち、しばしの休眠を経て現場復帰。女性誌時代にクルマ記事を手掛けていたこともあり、またプライベートではライフステージの変化に合わせて様々な輸入車を乗り継いできた経験を生かし、クルマを核とした紳士のライフスタイル全般に筆を振るう。
PHOTO :
黒石あみ
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