店の外観に囲碁と将棋盤と、どことなく喫茶店の風情がある『五木』。昭子ママの話をよく話を訊くと、この店のルーツは喫茶店だと言う。
昭和47年のオープン時は喫茶店
昭和47年に昭子ママの母君によってオープンした『五木』は、喫茶店としてスタートした。当時、学芸大学駅には喫茶店がこの店しかなく、それは繁盛したという。
「オープンしてしばらくしてからインベーダーゲームの流行もあって、外に行列ができるほど賑わっていました。当時品川ナンバーのタクシーなら『五木』と伝えるだけで、店の前まで連れてきてくれたほど」
昭子ママは出版物の写植オペレーターをしながら店を手伝っていたが、22年前に母君が高齢のため引退することになり、跡を継ぐことに。
「お客さんにお酒も飲みたいとリクエストされて。それでサントリーオールドを並べるようになって、スナックに宗旨替え。水商売は嫌いだったんだけどね(笑)」
「スタッフが5人もいた喫茶店時代と違って、今は私一人でしてて暇よ」と謙遜するが、ひっきりなしに常連が訪れ、この店が長く愛されていることがわかる。しかも昭子ママが調理中で手が離せない時は、常連客が自主的にドリンクを作るなど、ある種の連携プレーができている。
ちょうど若い女性の一人客がいたので、生駒さんが「女性の常連客も多いんですね」と水を向ける。
「そうね。最近は若い人も増えているわね」
老若男女問わず惹きつけるのは、料理のおいしさはさることながら、世代を問わず受け入れるママの懐の大きさによるのかもしれない。
男性はさりげなくセンスが光る小物を
アパレルブランドでのPR経験もある生駒さんに、メンズプレシャス世代におすすめのアイテムも尋ねてみた。
人となりがよくわかる財布。こだわりを感じさせるものを持ってほしいと生駒さんは言う。これは時間とともになじんでいくバケッタレザーを採用。
「シンプルなデザインですが、表革をエンボスで加工し、クラシックな味があります。こういうちょっとしたディテールを意外と女子は見ていると思います」
時計もまた、その人のセンスが如実に現れる。
「主張の強いものより、ベーシックな時計の方が女性受けはいいのでは?」と話す生駒さんが進めるのは上質なカーフレザー、質感と使い勝手を上げるバックルといったディテールを持つクロノグラフ。スーツはもちろん、カジュアルスタイルにもマッチする。
生駒さんの手元を見ると、同じブランドのレディスウォッチをつけている。
「余計な機能や飾りのないクールな時計ですが、華奢でアンティークアクセサリーのようなデザインで女性らしく着けられるのがお気に入りです」
ソリッド感溢れる光沢とマットのコントラストを持つカフリンクスとタイバー。
「スーツやシャツ、ネクタイの色合いを邪魔しないのでいろんなスーツに合いそう。これなら初心者から上級者まで着けやすいのでは」
常連の仲間入りをしたくなる店
80年代後半〜90年代前半の曲をよく歌う生駒さん。工藤静香の『慟哭』を熱唱したあと、『五木』の感想を求めた。
「ちょっと入りづらい外観のお店ですが、ママも常連さんもやさしくてすごしやすい! スナックは深い時間に行くイメージがありましたが、食事もおいしいから、早い時間から一人でも遊びに来れますね」
アットホームな昭子ママと常連が待っている『五木』。一度遊びに行くと、自分も馴染み客になりたくなるだろう。
【スナック 五木】
問い合わせ先
- スナック 五木 TEL:03-3710-1900
- 住所/東京都目黒区鷹番3-4-24
営業時間/17:30〜25:00
定休日/第1日曜日
メニュー/生ビール¥650、サワー¥600、焼酎¥650、焼酎ボトルキープ¥3,500〜、ウイスキーボトルキープ¥4,500〜、焼きそば¥750、なす、ピーマンの味噌炒め¥700、カラオケ歌い放題¥1,000
掲載商品問い合わせ先
- Y&Mプレスルーム TEL:03-3401-578
- TEXT :
- 津島千佳 ライター・エディター
- PHOTO :
- 黒石あみ