ことさら本を愛して止まないのは、実は売り場で常に動向をチェックし、さまざまなジャンルの本に触れている書店員さん。その確かな目利きで、2019年に最も心をつかまれた本を厳選して、Precious読者のための一冊を発表していただきました!
今回は、「HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE」店長・花田菜々子さんが推薦する、『聖なるズー』をご紹介します。
禁忌の性に触れて固定観念が揺さぶられる
「『動物性愛』という今までタブー視され、軽蔑・嫌悪されていた題材にまっすぐに斬り込んでいます。読後は、いかに自分が先入観にとらわれていたかを思い知りました。#Me Tooや差別問題が大きく取り上げられる今の時代に、読む側の本気を問う、ものすごい本でした」
『聖なるズー』著=濱野ちひろ
性暴力に苦しんだ経験をもつ著者がドイツへ渡り、「ズー」と呼ばれる動物性愛者を丹念に取材し、真摯な姿勢で研究を進めまとめた一冊。愛の形に驚き、自分のなかの偏見に戸惑いながらも性愛とは何かを考えさせられる、開高健ノンフィクション賞受賞の問題作。
※本記事は2020年2月7日時点での情報です。
※掲載した商品は税抜です。
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- EDIT&WRITING :
- 樋口 澪・宮田典子・剣持亜弥(HATSU)、喜多容子(Precious)