ここ数年、「ヴィンテージテイスト」一色に染まったアイウエアのトレンド。洒落者たちの間では高額な本物のヴィンテージフレームがヒットするなど、次の一手を求める気運は、しだいに高まっていた。

そして2018年春、ついにその要望に応えるブランドが現れた。その名はミスター・ライト。そう、アイウエアに「ヴィンテージテイスト」という概念をもたらしたオリバーピープルズの創設者ラリー・ライト氏と、その息子ギャレット・ライト氏とのタッグによって誕生したブランドである。

天才アイウエア・デザイナーが、本当に欲しいモノを具現

オリバーピープルズ創設者のラリー・レイト氏(右)と、彼の息子であり自身もブランドGLCOを展開するアイウエアデザイナー、ギャレット・レイト氏(左)。親子のパートナーシップによりミスターレイトは生まれる。
オリバーピープルズ創設者のラリー・ライト氏(右)と、彼の息子であり自身もブランドGLCOを展開するアイウエアデザイナー、ギャレット・ライト氏(左)。親子のパートナーシップによりミスター・ライトは生まれる。

―ブランドのテーマは?

ラリー「ギャレットがデザインするブランドGLCOと較べると、よりハイエンドなマーケットを狙っている。生産も日本の小さな工房を使い、少量生産にこだわったアイウエアをつくっているよ」

―質感といいディテールといい、かなり高級感を感じさせますね!しかもとても軽い。

ラリー「クラシックをベースに、凝りながらもシンプルさを心がけている。こちら(写真)はチタンとアセテートのコンビだが、クリップオンの接合部が目立たないつくりや、テンプルの変形を防ぐためのバネ、自分で調整できるように付けた専用のドライバーなど、2年かけて開発したディテールを盛り込んだよ」

―オリバーピープルズとはまったく違いますね。

ラリー「そのとおり。初期のオリバーピープルズは限られたマーケットに提案していたが、徐々にマス向けのブランドになっていったから。そういう意味ではミスター・ライトは、初期のオリバーピープルズに近いアプローチかもしれないね」

―アイウエアに「ヴィンテージ」という概念をもたらした先駆者であるあなたの目から見て、今のマーケットはどのように感じますか?

ラリー「ブランドを始めた当時(ʼ80年代半ば)から、広がっていく予感はしていたが、ここまでヴィンテージテイストが主流になるとは思わなかった。しかしだからこそ競争も激しいし、ただ過去の焼き直しをするだけでは、今の時代にフィットしないだろうね。その点僕たちはヴィンテージをモチーフにしながらも、そのエッセンスを常にアップデートしている。ミスター・ライトはローンチしたばかりだが、周りの反応を見て、その狙いは正解だったと確信したよ。次の一手を探している人たちに対しての、回答になっているんじゃないかな」

チタンとアセテートのコンビフレームは、いわゆるアイコンこそないが、ひと目で〝ミスターレイト〟とわかるほどの質感の高さと凝ったディテール。アイウエア¥78,000・クリップオンレンズ¥28,000(グローブ スペックス 渋谷店〈ミスターレイト〉)
チタンとアセテートのコンビフレームは、いわゆるアイコンこそないが、ひと目でミスター・ライトとわかるほどの質感の高さと凝ったディテール。参考商品
美しいクリップオンレンズの接合部や、フレームにかかる負荷を吸収するテンプルの構造など、今までどこにもなかった機能的ディテールがアイコン代わり。
美しいクリップオンレンズの接合部や、フレームにかかる負荷を吸収するテンプルの構造など、今までどこにもなかった機能的ディテールがアイコン代わり。
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MEN'S Precious編集部 
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MEN'S Precious2018年春号より
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WRITING :
山下英介
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