ユニークメロディーの「MAVERICK」シリーズは、2014年にファーストモデルをローンチ以降、2年ごとに世代を変え進化を続けてきた高級志向のハイブリッド型イヤホンだ。
作品と呼ぶにふさわしい突出した完成度!未体験のサウンドが感動を呼ぶ!
ドライバーを複雑に組み合わせた設計でありながら、スタジオモニターのような正確な音像描写や、「10畳程度のスタジオに配置された、ニアフィールドモニタースピーカーでのリスニング」をイメージしたチューニング。さらに、帯域間のシームレスな音の繋がりを追求し、常に時代の頂点を目指した音響思想は歴代モデルすべてに共通している。
ピークノイズを消去せずコントロールするという技術
6ドライバーを搭載する新作の「Maverick Ti」にも、音作りの姿勢は継承されているが、ハイブリッド型イヤホンの新たな可能性を追求し、主に2つの革新に挑んでいる。
そのひとつが、バランスド・アーマチュア型ドライバーが発する不要なピークノイズをコントロールする新技術「Targeting Frequency Adjustment Technology(T.F.A.T)」である。
ドライバーが発するピークノイズへの対策にはさまざまなメソッドがあるが、このT.F.A.Tは、大手BAメーカーであるKnowles社と共同開発した独自設計のセミオープン型BAドライバーをイヤホン筐体内に設置。音響設計上、意図していない「ピークノイズ」に対する特定の逆位相信号を発生させ、ピークノイズをコントロールするという技術だ。最大のベネフィットは、ノイズを完全に消すのではなく、逆位相の音を「どの帯域」に対し、「どの程度」出力するかを調整できる点にある。
道理としてノイズを完全に消去することが高音質化を図る理想であり、イヤホンを作る上で正解と考えがちだが、ノイズのないサウンドは無味乾燥でつまらない。ノイズをコントロールすることで、リスナーの感性に訴える潤いのある音を実現している。
ハンドメイドのチタン筐体が可能にする理想のサウンド
イヤホンの筐体素材はスピーカーのエンクロージャーのように、音質や音色を決定づける上で重要な役割を担っている。最新の金属3Dプリンターを活用し、1200層の高精度3D構造レーザー積層で形成される、堅牢かつ軽量なチタン筐体が「Maverick Ti」のふたつめの特徴だ。
特に堅牢性は著しく、筐体の厚さは0.2mmと、アクリル筐体の1/6しかないが、15倍の強度を誇る。さらに、イヤホンを「高頻度で身につけるアイテム」として捉え、耐腐食性、耐アレルギー性にも優れた、医療用グレードのチタン素材を採用している。熱伝導率もステンレス鋼の1/2、アルミニウム合金の1/30と、あらゆる気象条件でも快適に着用が可能。
さらにチタンは吸音率が低い素材として、イヤホン設計における音響干渉の課題を解決でき、サウンド設計において非常に重要なファクターとなっている。
最新の金属3Dプリンターは、自由な発想もカタチにすることができる。「MAVERICK Ti」のジュエリーライクなデザインは、建築デザインに精通したデザイナーによって生み出されている。
レーザー積層など手間のかかる工程を経るため、製造には時間を要するが、ほとんどすべての製造工程をハンドメイドにて行うことで、芸術作品のような仕上がりになっている。フィッティングには慣れが必要となるが、最高のポジションに収まった時、従来のイヤホンとは別世界の心地よいサウンドに出会うことになる。
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- TEXT :
- 安藤政弘 ライター