「ドルチェ&ガッバーナ」「ジョルジオ アルマーニ」「ブルガリ」「グッチ」などラグジュアリーブランドが支援する、新型コロナウィルス感染対策

世界的パンデミックともいわれるまで拡大してしまった、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)。しかし、この状況を一日でも早く収束させるべく、日本国内はもとより、世界各地で多くの取り組みが行われています。

ファッションの世界でも、ラグジュアリーブランドを中心に、さまざまな支援活動の輪が広がっています。

その中から、「ドルチェ&ガッバーナ」「ブルガリ」による研究開発支援や、「ジョルジオ アルマーニ」を擁するアルマーニグループが行った医療機関への寄付や支援、「グッチ」が参加し呼びかけを行っているクラウドファンディングをご紹介します。

■1:「ドルチェ&ガッバーナ」は、免疫システム研究への支援を表明

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ドルチェ&ガッバーナが支援する、ミラノ・ウマニタス大学の研究施設の様子 Courtesy of Humanitas University

ドルチェ&ガッバーナは、新型コロナウィルス感染症を引き起こすウィルス「SARS-CoV-2」に対する免疫システムの究明を目的とした研究を支援するため、ミラノのウマニタス大学への資金援助を表明しました。

この声明が発表されたのは、2020年2月17日。当時はまだヨーロッパでの感染被害は大きく報じられていませんでしたが、いち早く行動を起こしたデザイナーのドメニコ・ドルチェ氏とステファノ・ガッバーナ氏は、「全人類を脅かすこの脅威的なウィルスと戦うために、何かしなければならないと感じました」と語っています。

■2:「ブルガリ」は、ワクチン開発に多額の支援

2020年3月6日、ローマのラザロ・スパランツァーニ病院の研究部門へ多額の寄付を行ったブルガリ。これにより、イタリアの国立感染症研究所のデル・ヴェッキオ・パビリオンのセミナールームに 最先端の 3D 顕微鏡 が納品されました。

これは、新型コロナウィルス感染を細胞レベルで研究するための理想的なツールであり、同顕微鏡がローマ市に設置されるのは初のこと。一刻を争う大事な時期である今、ワクチン開発をはじめ、感染の予防や治療のための大きな力になると期待されています。

■3:「ジョルジオ アルマーニ」は、医療機関に200万ユーロを寄付

2020年2月のミラノコレクションで、独自の決断で無観客でのショーを行ったジョルジオ アルマーニ。

3月上旬にジョルジオ アルマーニ社は、イタリア国内における新型コロナウィルスの感染拡大を受け、国内の病院や同感染症対策に関わる機関に対して125万ユーロ(約1億4750万円)を寄付しました。

その後も、感染被害が集中しているエリアであるベルガモ、ピアチェンツァ、ヴェルシリアの病院にも追加の寄付を行い、アルマーニ グループからの寄付総額は200万ユーロ(約2億3600万円)に至っています。

さらに、グループを率いるデザイナー兼CEOのジョルジオ・アルマーニ氏は、イタリア版Vanity Fair誌で危機に直面しているミラノそしてイタリアへの想いを語ったり、医療従事者への感謝と励ましの手紙を発表するほか、医療用作業着の製造を開始するなど、積極的な活動を続けています。

■4:「グッチ」は、2つのクラウドファンディング キャンペーンに200万ユーロを寄付

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ローマを拠点に活動するアーティスト「MP5」による、クラウドファンディング キャンペーンへの参加を呼びかけるイラスト

2020年3月26日、グッチは新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミックに立ち向かうために、2つのクラウドファンディング キャンペーンを通じて寄付を行うことを発表しました。

ひとつは、グッチ創設の地であるイタリア国内で、国家市民保護局のさまざまな活動を支援するためにインテーザ・サンパオロ銀行との連携によって行われるものです。

インテーザ・サンパオロ銀行が運営するクラウドファンディングプラットフォーム 「ForFunding」を通して100万ユーロ(約1億1800万円)を寄付し、イタリアの国家市民保護局の活動を支援するとともに、#GucciCommunity に賛同する誰もがクラウドファンディングに参加することができる専用ウェブサイト「gucci.forfunding.it」を立ち上げました。

集まった資金はイタリア国家市民保護局から、集中治療病床の新設を優先課題とするイタリアの公共医療サービスおよびこの緊急事態に取り組んでいる諸団体に分配されます。

もうひとつは全世界へ向けた取り組みとして、Facebookが展開している1000万米ドルの調達を目標とするマッチングキャンペーンを通じて、世界保健機関(WHO)の活動を支援するCOVID-19連帯対応基金への寄付を行うもの。

COVID-19連帯対応基金は、ウィルスの感染拡大の追跡と把握、患者ケアおよび集中治療の強化、医療従事者の防護デバイスなどサプライの増強、ワクチンおよび治療法開発の促進といった、WHOによる国境を超えた人命救助活動の支援を目的としています。

こちらも、すでに100万ユーロの寄付を行ったグッチと同様に、COVID-19連帯対応基金のウェブサイト(https://covid19responsefund.org/)から、#GucciCommunity の一員としてどなたでも寄付を行うことができます。


以上、「ドルチェ&ガッバーナ」「ジョルジオ アルマーニ」「ブルガリ」「グッチ」の新型コロナウィルス感染対策への支援活動をご紹介しました。

これまでもファッション業界は、地球環境を守るためのサステイナブルな取り組みなどを行ってきましたが、今回の危機に対しても多くのブランドが「自分たちにできることは何か」を考えながら、次々にアクションを起こしています。

私たちが日ごろから愛してやまないラグジュアリーブランドの、新型コロナウィルス感染対策。Precious.jpでは今後もさまざまなブランドの活動をご紹介していきます。

この記事の執筆者
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EDIT&WRITING :
谷 花生