ヘルシンキの目抜き通り、エスプラナーディ通りに面した建物の最上階に入り、テラス席からはヘルシンキ大聖堂やウスペンスキー寺院などが見渡せる老舗高級レストラン「Ravintola Savoy(サヴォイ)」。デザインを手掛けたのは、アルヴァ&アイノ・アアルト夫妻。

1937年のオープン以来83年間の歴史を重ね、今もなお多くの人を魅了するレストラン。今年1月に内装の改装工事を終え、オープンしたが、新型コロナウイルスの影響を受け、閉店していた。そして、6月3日に再びオープンをしました。

贅を極めたヘルシンキの老舗高級レストラン「サヴォイ」がリニューアル

テラス席からは美しいヘルシンキの街並みを眺めながら、贅沢な料理が味わえる。
テラス席からは美しいヘルシンキの街並みを眺めながら、贅沢な料理が味わえる

アアルトの世界に浸る、優雅な時間を

木の温もりが優しいアットホームで、上品な雰囲気が漂う
木の温もりが優しいアットホームで、上品な雰囲気が漂う

今回のリニューアルで、インテリアデザインを手掛けたのが、ロンドンを拠点に活躍するイルゼ・クロフォード氏が所属するStudioilse (スタジオイルゼ)。アイノとアルヴァが創り出した世界観を守りながらも補修の手を加えた。

メインダイニングのソファは新しくなりArtekのストライプ布張りされた。テーブルは全て新しくアップデートされ、観葉植物のグリーンは当時のまま再現されている。
メインダイニングのソファは新しくなりArtekのストライプ布張りされた。テーブルは全て新しくアップデートされ、観葉植物のグリーンは当時のまま再現されている。
キッチンのすぐ横にあるサヴォイで一番予約の取りづらい人気席は、フィンランドの軍人で大統領も務めた、国民的英雄のマンネルヘイム氏がお気に入りだった。要事前予約。
キッチンのすぐ横にあるサヴォイで一番予約の取りづらい人気席は、フィンランドの軍人で大統領も務めた、国民的英雄のマンネルヘイム氏がお気に入りだった。要事前予約。

昨年5月に就任した、シェフパトロンのヘレナ・プオラッカ氏に話を伺うと、「マンネルヘイムの席はもちろん人気だけれど、最近では、メインダイングホールの両端にある2つの丸いテーブル(一つはアルヴァ、もう一つはアイノと名付けられた席)が人気で予約が取りづらい」という。当時はアルヴァとアイノのように夫婦揃って物づくりをするのは珍しかった。サヴォイでは、二人が生み出した作品を大事に受け継いでいる」と語っていた。

テラス席で使われているのは、「611 チェア サヴォイ」オーク材とレザーを使用した製品。アルテック東京ストアでも発売中。
テラス席で使われているのは、「611 チェア サヴォイ」オーク材とレザーを使用した製品。アルテック東京ストアでも発売中。
妻アイノ・アアルトがデザインしたクラブチェアは、1937年から使用されている。今回のリニューアルで、全て布が張り替えられた。
妻アイノ・アアルトがデザインしたクラブチェアは、1937年から使用されている。今回のリニューアルで、全て布が張り替えられた。
 メインダイニングホールの一角には、バーキャビネットと年季の入ったグランドピアノ。生演奏が聴ける。

ヘルシンキに訪れた際は、ぜひアアルトの世界観を五感で感じてください。

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この記事の執筆者
学生時代7年間のロンドン生活を経て、2015年よりフィンランド・ヘルシンキ在住。ヘルシンキを拠点にライターとして、ライフスタイル・食・デザイン・ファッションなどの分野で活動中。現地コーディネーターとしてフィンランド及びヨーロッパと日本をつなぐコミュニケーション全般に携わる。趣味は、旅行と料理。著書に、『デザインあふれる森の国 フィンランドへ 』(イカロス出版社)がある。
PHOTO :
Janne Räsänen