エルメスはビッグメゾンの中でも最もエスプリがあり、卓説した職人技で芸術品を生み出しながらも、どこか斬新ともいえる驚きや面白さが見え隠れする…そんな魅力があります。その哲学がフレグランスたちにも息づいていて、まとうたびに、まるで夢の中を旅するような喜びと幸せに包まれます。
今回は湿度の高いこの季節にふさわしい、新フレグランス「ロンブル デ メルヴェイユ オードパルファム」をはじめ、人気の同シリーズの「オー デ メルヴェイユ」「オー デ メルヴェイユ ブルー」の3つの香りの魅力をご紹介します。
エルメスの新作フレグランスは、心を穏やかに整える、清らかなウッディ系の香り
2004年に誕生したウッディアンバーがアクセントの「オー デ メルヴェイユ」に始まり、2017年には深い海を思わせるウッディミネラル系の「オー デ メルヴェイユ ブルー 」、そして2020年の6月にウッディ&オリエンタル調の「ロンブル デ メルヴェイユ 」が登場しました。
この3つの香りは、ウッディノートが主軸であり、驚くことにフローラルの香りを一切使用していません。なのに、ほのかに甘く、包み込むような優しさに溢れる、見事なハーモニーはまさに職人技。
さらにトップ、ミドル、ベースと変化するのではなく、様々な香りが交互に現れたり競い合ったりする不思議な香り立ちに。その瞬間ごとに違う表情を見せるのも、このフレグランスたちの魅力なのです。
■1:厳選された素材と調香。奥行きあるウッディーアンバーがベースの人気の香り
まずは、名品2つの香りからご紹介します。
写真手前/エレガントでありながら、イマジネーションをかきたてる香り「オー デ メルヴェイユ」が登場したのは2004年。幻想的なきらめきと洗練さを併せ持つ、この香りはウッディアンバーがベース。樹脂のエレミやベンゾイン、そしてビターオレンジなどと組みわせ、フローラルを使わずに、まるで花のような女性らしい表情に。
奥/2017年に登場した「オー デ メルヴェイユ ブルー」は、専属調香師クリスティーヌ・ナジェルが子供のころの海辺を歩いた思い出から生まれた香り。これも同じくウッディアンバーがベースで、ジュニパーベリー、パチョリとの組み合わせで、海辺の開放感、ミネラル感や波しぶきを感じる香りに仕上がっています。
■2:その人がもつ女らしさを際立たせる、ジェンダーレスな新しい香り
今年の6月に登場した「ロンブル デ メルヴェイユ オードパルファム」は、懐かしさと新しさを感じるウッディ&オリエンタルノート。ブラックティー、インセンス、トンカビーンが肌に寄り添うように香り続け、湿度の高い日にも清涼感ある印象に。
さらりとした肌触りを思わせるこの香りは、日中はもちろん夕暮れから夜のお出かけのパートナーとしても特別な存在になることでしょう。
■3:星のしずくを散りばめた、美しいルーペのようなボトル
ボトルは、様々な香水ボトルを手がけてきたセルジュ・マンソーによるデザイン。コロンと丸く、まるでルーペのようでもあり、水晶玉のようでもあり、星屑が散りばめられたオブジェのような愛らしさです。
■4:プッシュボタンはエルメスの馬具工房としての象徴である「クルー・ド・セル」のモチーフが刻印
驚きに満ちた世界へと導いてくれる特別なフレグランス。これらの香りをまとえば、きらめくような白昼夢の世界、真っ青な海、光と影の対比…深く癒される情景が目に浮かぶよう。疲れた心を優しく包み込む、エルメスの美しい香りは、夢のような幸せの世界へと誘ってくれることでしょう。
※掲載した商品はすべて税抜です。
問い合わせ先
- PHOTO :
- 木村 慎
- WRITING :
- 荒川千佳子
- EDIT :
- 多喜景子