スタイリスト・髙橋リタさんと夏の「黒ニット」について考えます

モード感やトラッド感を絶妙にかけ合わせる、リタさん流「きれいベーシック」は、マンネリになりがちな夏の装いの救世主! おしゃれの腕が上がる、とっておきのルールをレクチャーします。

「オードリー・ヘップバーンの黒タートルのよそおいは永遠の憧れ。夏だったら、ノースリーブで、肌見せバランスの絶妙な調整役に」

©aflo
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目指したい女性像やイメージに向けてスタイリングをつくり出すとき、私は「記憶の引き出し」からインスピレーションを手繰り寄せます。その源は、両親から受けた影響や幼少時に観たドラマや映画、写真集、そして、私の人生に欠かせない旅の思い出にあります。

「黒のニット」のイメージソースは、10代のときに憧れて観た映画『パリの恋人』(57年)や、著名なフォトグラファー、ユーサフ・カーシュによる黒タートルを着たオードリー・ヘプバーンのポートレート写真。

あるいは、いつかの旅の街角で見かけた、黒のノースリーブを着たフレンチマダムの70年代ムードな初夏の着こなし。さまざまなストックから、そのときどきに最適な記憶を取り出しに行きます。

なかでもずっと変わらず好きなのは、「黒のノースリーブタートル」。育ちのいいクラシカルなレディを彷彿させる女性像を表したいときに、最も頼りになるアイテムです。

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[8/13のコーデ]知的なレディに。黒のノースリーブタートル×Aラインスカート

鎖骨の見えないネックラインとヌーディな腕がつくる小粋なコンパクトニットは、夏のきれいベーシックなスタイルにおける節度のある肌見せをかなえてくれる優秀アイテムです。

夏の「黒ニット」は、肌触りのいいハイゲージのコットンやシルクを用いたもので、ネックはストレスがかからない程度のゆるやかなものがおすすめ。

また、体にフィットしすぎない、程よく泳ぎのあるシルエットなら、心地よく着られるはずです。「黒のノースリーブタートル」なら、黒がより縦のラインを強調するので、ほっそり見える効果も。

肉感を拾わない適度な開きのアームホールもポイントです。オードリーのように、かわいげのある黒の着こなしが様になる、大人の女性が理想です。(リタさん)

Precious 2018年 8 月号 撮影/生田昌士(hannah)
Precious 2018年 8 月号 撮影/生田昌士(hannah)
Precious 2018年 9 月号 撮影/生田昌士(hannah)
Precious 2018年 9 月号 撮影/生田昌士(hannah)
Precious 2018年 8 月号 撮影/生田昌士(hannah)
Precious 2018年 8 月号 撮影/生田昌士(hannah)
PHOTO :
生田昌士(hannah)、佐藤 彩
STYLIST :
髙橋リタ
WRITING :
下村葉月
EDIT&WRITING :
小林綾、喜多容子(Precious)