「ファッションが素敵な映画」と聞いて思いつくのは、どんな映画ですか?
真っ先に、1961年に公開された『ティファニーで朝食を』を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
記憶に刻まれるあの有名なオープニングシーンから、映画を飾ったファッションをプレイバックしてみましょう。
冒頭シーンの優美なブラックドレスは、永遠の憧れ
人もまばらなNY5番街の早朝、オードリー・ヘプバーン扮するホリーは、ティファニー本店のショーウィンドウを眺めながら朝食のデニッシュを頬張る… それも、漆黒のロングドレスに身を包みながら。
黒を引き立てる、5連パールとダイヤモンドのネックレスやティアラなどのジュエリー使いにも心が奪われる、映画史に残る美しいシーンです。
お伽話の始まりを知らせるようなオープニング曲『ムーンリバー』の情緒的な調べも相まって、冒頭シーンからぎゅっと心を掴まれるようなこの映画の衣装は、ユーベル・ド・ジバンシィが手がけています。
今、手に入るジバンシィのドレス
特別なひとときに纏いたい、シルクとレースのイブニングドレス。
エレガンスを体現したドレスは、まさに黒の美しさを追求した逸品です。トップの繊細なスポットレース、ボトムのシルクジョーゼットのロングプリーツスカート、そしてハイウエストに施されたタフタ。
魅力の異なる黒をディテールに落とし込み、纏う人に優雅さを与えるのは『ティファニーで朝食を』の衣装を始めとする数多くの名品を生み出してきたブランドならでは。
デイリーにも参考にしたい、ミディ丈のブラックドレス
映画の序盤で登場し、映画のポスターにもなったこちらのミディ丈のブラックドレス。
歩くたびに揺れるフリンジの裾に、きゅっと絞られたウエストは気品を醸し出します。それに負けないくらいのインパクトのあるブリムの広いハットは、大きな白いリボンで黒をより一層引き立てて。
今、手に入るジバンシィのドレス
しゃんと背筋を伸ばしたいとき、意志を感じる黒の力を頼りに。
デイリーにも取り入れやすいジャージーのトップに、リュクスなムードを醸し出すコーティングジャージーのスカートは、異なる幅のプリーツで表情たっぷり。ブランドのシグネチャーがプリントされたグログラン織りのベルトが、モードなスパイスを加えます。
ジバンシィは『ティファニーで朝食を』以外にも『麗しのサブリナ』から始まり、『パリの恋人』『おしゃれ泥棒』など、オードリーの衣装を数多く手掛け、ファッションで映画史を彩ってきました。
遠出の難しいこの夏。ストーリーを楽しむことはもちろん、素敵な衣装を楽しむ意味で映画を鑑賞してみてはいかがでしょうか。
『ティファニーで朝食を』あらすじ
ニューヨークに暮らすホリー(オードリー・ヘプバーン)は、いつか裕福な男性と結婚することを夢見ながら、複数の男性たちから援助を受け刹那的な日々を過ごしていた。ある日、同じマンションに作家であるポール(ジョージ・ペパード)が引っ越してくる。兄に似て親近感のあるポールに、ホリーは次第に惹かれ始めるが…。
※掲載した商品は、すべて税抜です。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 阿部芙美香