好評の連載企画「季節を肌で楽しむエルメスの新名品」。今回は、HERMÈS(エルメス)のなかでも根強い人気を誇る定番の時計「ナンタケット」にフォーカスします。「ナンタケット」はシンプルで季節を問わないアイテムであると同時に、マリンのイメージを彷彿とさせる「シェーヌ・ダンクル」をモチーフにした、夏にぴったりの時計。注目の新作を中心に、腕元に品格と洗練された印象を与えてくれる3本をご紹介します。
「シェーヌ・ダンクル」モチーフがいきる、エルメスの定番時計「ナンタケット」の魅力
エルメスが時計をつくり始めたのは1920年代。ライフスタイルに寄り添うアイテムを提案してきたエルメスにとって、腕時計が一気に普及し始めた1900年代初頭に時計に着目することは自然の流れでした。
持ち主にとって「真のパートナー」となるものづくりを目指すエルメス。職人の手仕事によってうまれるオブジェは、高いデザイン性と機能性をあわせもちます。もちろん、時計も然り。エルメスは時計の製作をスタートして以来、ただ時間を確認するだけのツールに留まらず、持ち主とともに「特別な時間」を育む美しい時計を発表してきました。
今回はそのなかから、長く愛され続けている名作「ナンタケット」をご紹介します。
■1:大人の遊び心が宿る注目の新作「ナンタケット」
ます最初にご紹介したいのは、この夏に登場した注目の新作「ナンタケット」ジュテ・ドゥ・シェーヌ・ダンクル。これまでの「ナンタケット」と異なり、アシンメトリーをキーにした遊び心のあるデザインが特徴です。
女性に人気の細身で小ぶりなTPMサイズで、文字盤には「シェーヌ・ダンクル」のコマがダイヤモンドで描かれています。「シェーヌ・ダンクル」はもともと船の錨に着想を得てうまれた、海を感じさせるシルバーブレスレット。針のまわりにセッティングされたパヴェは、コマが潮風に吹かれたかのよう。ユーモアとともに、詩的な情緒も感じさせるデザインです。
文字盤上のロゴが中央から少しずれた場所に配置されている点や、海の波しぶきを思わせるケースのパヴェにも注目を。メゾンのアイコニックなモチーフやロゴに非対称性が加わり、大人の遊び心が表現されています。
レザーのクオリティとコバ処理の美しさ、留め具などディテールへのこだわりもエルメスならでは。カーフレザーのストラップは、エルメスのレザー職人たちが1点ずつハンドメイド。バッグやお財布などと同様、コバを丁寧に蝋止めすることによって端がめくれにくくなり、水や汚れも入りにくくなります。
ストラップのピンバックルにはメゾンのロゴ、ケースの裏蓋にはエクスリブリス(蔵書印)が刻印されているのもポイント。
アシンメトリーなデザインや発色のよいイエローのストラップなど、遊び心のある時計に品格をプラスするのが、ダイヤモンドと上質なレザー、さらには妥協のないディテール。遊びとエレガンスをあわせもった、「ナンタケット」のラインナップに新しい魅力を添える新作です。
■2:オンにもオフにも活躍する、シックで洗練された定番人気モデル
続いて、オンにもオフにもマッチするシンプルで洗練された「ナンタケット」の定番モデルをご紹介します。1991年に誕生した「ナンタケット」のベースとなったのは、こちらもエルメスの時計を代表する「ケープコッド」。「シェーヌ・ダンクル」の形に着想を得た、長方形に正方形を重ねたようなケースが特徴的な時計です。この「ケープコッド」をよりスリムな長方形にアレンジして、同時期にうまれたのが「ナンタケット」。
馬具を彷彿とさせるストラップのステッチや「シェーヌ・ダンクル」のコマを思わせる文字盤の数字など(6時、8時、9時にご注目!)、シンプルななかにメゾンのエスプリが凝縮されたデザインが特徴。もちろん、先にご紹介した新作と同様、ピンバックルと裏蓋にはロゴやエクスリブリスが刻印されています。また、こちらも小ぶりで細身のTPMサイズ。上品でシックなデザインはワークシーンにもぴったり。合わせる着こなしも選ばず、これぞ「キャリア女性のよき相棒」と言いたくなる1本です。
■3:ドレスアップにも「効く」、ダイヤモンド×アリゲーターストラップ
最後にご紹介するのは、ブラックラッカー仕上げの文字盤にパヴェダイヤモンドがきらめく「ナンタケット」。ケースと3時と9時のアワーマークにはダイヤモンドをあしらい、レザーストラップにはアリゲーターを使用した華やかなモデルです。
こちらも日本人女性の手首になじむ小さめのTPMサイズ。過剰な装飾に走ることのない、華やかさと品格が共存するデザインはエルメスの真骨頂。ドレスアップにもデイリーなおでかけにも活躍させたい逸品です。
今回は新作を中心に、エルメスの定番時計「ナンタケット」をご紹介しました。3本に共通するのは、「上質」を身につける高揚感と、長く愛用できるタイムレスな魅力。装飾品とも単に時間を確認するだけのツールとも異なる、持ち主と一体となって時を育む美しく機能的な時計が「ナンタケット」なのです。
素材からデザインまで、隅々にメゾンのフィロソフィーが息づく「ナンタケット」。きっと使うほどに、スマホでも時間が確認できる現代に「あえて」腕時計を選択することの意味が実感できることでしょう。
※掲載した商品はすべて税抜です。
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- PHOTO :
- 木村 慎
- WRITING :
- 門前直子
- EDIT :
- 石原あや乃