パンパローニは1902年、銀細工職人のエルミンド・パンパローニが、フィレンツェのヴェッキオ橋に工房兼住居を構えたのがはじまり。アクセサリーやカトラリーなど、典型的な銀製品をつくっていた。

生活に溶け込む、芸術的なパンパローニの銀製品

16世紀の銀細工に寄り添う伝統的な仕事

1827年製のシルバーのカトラリー。当時のデザインの素晴しさに驚愕し、製品化した。
銀のパーツを回転させ、力を加えて皿状に仕上げる。

転機を迎えたのが’80年代。ジャンフランコさんが3代目を継ぐと、革新的なコンセプトで、職人技を活かした銀製品をつくり出していく。ジオ・ポンティやメンディーニ、ソットサスといったイタリア有数の建築家やプロダクトデザイナーたちとコラボレートし、シルバーを素材にしてアート作品に格上げしていったのだ。

それでも、クラシックなスタイルのカトラリーやテーブルウエア、カフスなど、メディチ家が謳歌した16世紀の銀細工に寄り添う伝統的な仕事にも、新しい感性やエレガンスを加えて製作する。

銀製コップの目打ち。
銀製コップの目打ち。
ローマ教皇に献上したシルバーのコップ。
ローマ教皇に献上したシルバーのコップ。
1827年製のシルバーのカトラリー。当時のデザインの素晴しさに驚愕し、製品化した。
1827年製のシルバーのカトラリー。当時のデザインの素晴しさに驚愕し、製品化した。

「芸術的な創造力こそ、タイムレスである。オーセンティックであり続けるには、革新的な職人技がなければならない」とジャンフランコさん。最盛期に比べれば、銀細工の人気は衰えたとはいえ、本物がわかる取引先とは長期間に及ぶ。下の写真のカニの形をした塩の入れ物は、フランスの星付きレストランからの特別注文であった。

工房は、フィレンツェ郊外のドゥエ・ストラーダ地区。抜き型でカニの形をつくった後、やすりを使い、有機的な形に削ってゆく。フランスの星付きレストランからの注文。20個の限定品。
工房は、フィレンツェ郊外のドゥエ・ストラーダ地区。抜き型でカニの形をつくった後、やすりを使い、有機的な形に削ってゆく。フランスの星付きレストランからの注文。20個の限定品。
●Pampaloni 住所/Via Porta Rossa 99r,50123 Firenze TEL/+39・055・289094 https://www.pampaloni.com
●Pampaloni 住所/Via Porta Rossa 99r,50123 Firenze TEL/+39・055・289094 https://www.pampaloni.com
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MEN'S Precious編集部 
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MEN'S Precious2020年春号より
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PHOTO :
仁木岳彦
EDIT :
矢部克已(UFFIZI MEDIA)