パンパローニは1902年、銀細工職人のエルミンド・パンパローニが、フィレンツェのヴェッキオ橋に工房兼住居を構えたのがはじまり。アクセサリーやカトラリーなど、典型的な銀製品をつくっていた。
生活に溶け込む、芸術的なパンパローニの銀製品
16世紀の銀細工に寄り添う伝統的な仕事
転機を迎えたのが’80年代。ジャンフランコさんが3代目を継ぐと、革新的なコンセプトで、職人技を活かした銀製品をつくり出していく。ジオ・ポンティやメンディーニ、ソットサスといったイタリア有数の建築家やプロダクトデザイナーたちとコラボレートし、シルバーを素材にしてアート作品に格上げしていったのだ。
それでも、クラシックなスタイルのカトラリーやテーブルウエア、カフスなど、メディチ家が謳歌した16世紀の銀細工に寄り添う伝統的な仕事にも、新しい感性やエレガンスを加えて製作する。
「芸術的な創造力こそ、タイムレスである。オーセンティックであり続けるには、革新的な職人技がなければならない」とジャンフランコさん。最盛期に比べれば、銀細工の人気は衰えたとはいえ、本物がわかる取引先とは長期間に及ぶ。下の写真のカニの形をした塩の入れ物は、フランスの星付きレストランからの特別注文であった。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2020年春号より
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- PHOTO :
- 仁木岳彦
- EDIT :
- 矢部克已(UFFIZI MEDIA)