夏号の特集「男だからこそ美しい 洗練ゴールドの名品時計」では、日常のシーンを鮮やかに彩る名品時計の着こなしスタイルを披露した。ここでは、掲載された7本のゴールド時計の詳細を徹底レポート。第1回は、パテック フィリップの『年次カレンダー Ref.5396』だ。
雑誌メンズプレシャス夏号で紹介した名品時計の詳細をレポート!
永世名品『カラトラバ』の血統を継ぐ、気高くも使いやすいコンプリケーション
「名品」と謳われる時計のなかでも、絶対的存在であり続けるパテック フィリップの『カラトラバ』。1932年に初めて発表された『Ref.96』のDNAを継承するモデルは、そのリファレンス番号「96」が下2桁に授けられ、時計好きの敬愛と憧憬の的となる。
その血統を継ぎながら、年次カレンダーという複雑機構を搭載することによって、また新たな表情を宿すのがこの『年次カレンダー Ref.5396』だ。
月末の30日、31日は自動的に、1年に1度、3月1日に日付調整すればいい「年次カレンダー」は、パテック フィリップが約4年
『年次カレンダー Ref.5396』のファーストモデルの発表は2006年。2017年にリニュアールを果たし、現在のダイヤルデザインに至った。
その最大の魅力はやはり、『カラトラバ』の正統を受け継ぐ、そのシンプルな美しさだろう。
12時位置のロゴの下に曜日と月を表示する小窓、6時位置にはムーンフェイズを擁する24時間計と日付表示を配し、端正なシンメトリーを描く。
豪華なバゲットカット・ダイヤモンドのインデックスを、ブルー・ソレイユの文字盤に極めて美しくレイアウト
艶やかなローズゴールドのケース、そしてインデックスにセッティングされたバゲットカット・ダイヤモンド(計0.26ct)。それらはおそらく、大多数の男性にとっては華美すぎてハードルが高い存在だろう。しかし、本来「派手」なそれらの要素を、極めてシンプルなデザインと洒脱なブルー・ソレイユ文字盤によって知的で上品なイメージへと昇華させている点は、名門パテック フィリップの面目躍如といえよう。
日付や時間を確認するために、そっと視線を手元に落とす、日常の何気ない瞬間。『年次カレンダー Ref.5396』は静かに主張しながら気持ちを高めてくれる、至高のパートナー・ウォッチとなるに違いない。
問い合わせ先
- TEXT :
- 岡村佳代 ウォッチ&ジュエリージャーナリスト
- PHOTO :
- 水田 学(NOSTY)
- STYLIST :
- 菊池陽之介
- HAIR MAKE :
- KUBOKI(Three PEACE)
- MODEL :
- Dylan VT