手紙でなくては伝わらない気持ちがある。たとえ相手がパソコンとプリンターを駆使してつくった手紙を送って来ようとも、返事は直筆でしたためたい。書斎で気分を高め、必要なことがあれば辞典や書籍で調べ、気持ちのこもった言葉をペンと紙を使って表現するのだ。当然、道具にもこだわるべきである。例えばペーパーウェイト。紙を押さえるという機能だけでなく、書斎を飾る逸品としての風格があればいうことなしだ。王室、文人、芸術家の心を捉えて離さない、このクリスタル製ペーパーウェイトを手がけたのは、世界一のクリスタルメゾン、サンルイ。伝説の中で語り継がれてきた、クリスタルの中に再現された美しき小宇宙を堪能したい。

世界最高峰のペーパーウェイトを書斎に!

サンルイの工房があるロレーヌ地方のサンルイ村を模したジオラマの中に、10種類のペーパーウェイトが置かれている。

 厳選された素材と普遍性のあるデザインで男たちを魅了してきたエルメスは、手しごとの文化を今に伝えるメゾンを支える役割も担っている。そのひとつが、現在エルメス・グループの一員であるサンルイだ。その歴史は古く、1586年にフランス・ロレーヌ地方で設立されたミュンツタール・ガラス工房を前身とする。1767年、ルイ15世から聖王ルイ9世にちなんだ「サンルイ」の名を賜り、サンルイ王立ガラス工房となる。王立の冠はフランス最高の技術を保証するものといえる。

  サンルイの技術者たちの探究心が実を結び、ヨーロッパ大陸における先駆けとして透明度の高いクリスタルガラスを世に送り出したのが1781年。以来、サンルイは、高級クリスタルの分野で揺るぎないトップの座を守り続けてきた。そして今なお、手吹きでの成型、手描きによる金彩など大部分が伝統の手しごとで行われていることが、比類なきクリスタル・ブランドとされる所以でもある。

希少なアーカイブの中から10種類のデザインをリエディション

サンルイ村の風景の中にとけこんだクリスタルのペーパーウェイト。右手前が「オーロラ」で、左は「アイリスのブーケ」。2つの大きな窓と10の小さな窓から、華やかなアイリスのブーケを覗くことができる。

 サンルイのコレクションは多岐にわたるが、アイコンのひとつといえるのがペーパーウェイト。誕生は、近代郵便の基礎が確立されてから少し経った1845年。手のひらに載るサイズでありながら、鮮やかな美しさを放つペーパーウェイトは、コレットをはじめとする文人や芸術家、王室の人々を魅了。製造が行われなかった時期もあったが、第二次世界大戦後に顧客の要望に応えて復活。その後、毎年発売されてきたが、いずれも数量限定生産で、シリアルナンバーと製造年が明記されている。

 そんな希少なペーパーウェイトのアーカイブの中からピックアップした10種類のデザインを、今年、カラーなどを変えてリエディション。それぞれ世界10点限定で販売されるが、そのすべてを、エルメス銀座店の「サンルイ ペーパーウェイト展2017」で目にすることができるのだ。

 展示の方法にも驚きがある。サンルイが現在も工房を置く、ロレーヌ地方・サンルイ村のジオラマを会場に設置し、その中に10種のペーパーウェイトを配置してある。ジオラマの周りを360度ぐるりと歩きながら、際立つ彩りで蘇らせた草花、昆虫、魚などの自然のモチーフをクリスタルで包み込んだペーパーウェイトを、横から、上から、好きな角度で眺めることができるのだ。

 サンルイのクリスタルの麗しき小宇宙を書斎に加え、言葉を紡ぐ。そんな素晴らしい夢が叶う機会は、そうあるものではない。まずはその比類なき世界を、この目で確かめてほしい。

 なお、「サンルイ ペーパーウェイト展2017」はエルメス銀座店での展示終了後、他の国内店舗での巡回展示も予定されている。

世界各10点限定発売のペーパーウェイトはこれだ!

クワガタソウ ¥451,0000
プリッセ ¥451,000
アイリスのブーケ ¥700,000
オーロラ ¥544,000
天使 ¥467,000
岸辺 ¥622,000
コメット ¥544,000
マーガレット ¥591,000
ベース ミルフィオリ ¥778,000
ミルフィオリ ¥778,000

(問い合わせ先)
■サンルイ ペーパーウェイト展2017
開催期間:9月8日(金)〜19日(火)
会場:エルメス銀座店2F
住所:東京都中央区銀座5-4-1
営業時間:11:00〜20:00(月〜土)、11:00〜19:00(日)
TEL:03-3569-3300(エルメスジャポン)

この記事の執筆者
音楽情報誌や新聞の記事・編集を手がけるプロダクションを経てフリーに。アウトドア雑誌、週刊誌、婦人雑誌、ライフスタイル誌などの記者・インタビュアー・ライター、単行本の編集サポートなどにたずさわる。近年ではレストラン取材やエンターテイメントの情報発信の記事なども担当し、ジャンルを問わないマルチなライターを実践する。