シチズンが開発した「スーパーチタニウム」は、ステンレスの5倍以上の硬度をもち、重さはステンレスの約60%。肌にやさしい耐メタルアレルギー性素材であることに加え、真水や海水、汗でもサビにくい耐水特性を備えている。腕時計の実用性を飛躍的に向上させ、今までのチタニウムでは表現不可能だった多彩な色調を実現できることから、腕時計のデザインバリエーションの拡大にも貢献した。

スーパーチタニウムの堅牢で軽い腕時計体験!

シルバー、ブラック、ゴールド、ピンクゴールドなど、今までのチタニウムでは表現できなかった多彩なカラーバリエーションも展開が可能に。
シルバー、ブラック、ゴールド、ピンクゴールドなど、今までのチタニウムでは表現できなかった多彩なカラーバリエーションも展開が可能に。

月着陸船の素材に必要な硬さとなめらかさを両立

「HAKUTO-R」に使うランダーの着陸脚の一部パーツを想定し、スーパーチタニウムで作った試作部品。
「HAKUTO-R」に使うランダーの着陸脚の一部パーツを想定し、スーパーチタニウムで作った試作部品。

スーパーチタニウム利用の新たな試みとして進められているのが、シチズンとコーポレートパートナー契約を結ぶ「ispace」の民間月面探査を目指すプログラム「HAKUTO-R」で用いるランダー(月着陸船)への利用だ。

今回、スーパーチタニウムで作られたのは、着陸脚の回転軸と連結部分の試作部品。着陸脚には、月面着陸時の衝撃に耐えるため、軽く、強度のある素材が必須であり、回転軸および連結部分は可動部であるため、硬さに加えなめらかさも要求される。スーパーチタニウムのパーツに使用されている表面硬化技術「デュラテクトDLC」は、キズに強いだけでなく、表面が非常になめらかなことも特徴。シチズンのデュラテクトDLCは、中間素材に徹底的にこだわることで密着性を向上。表面加工がはがれにくく耐久性に優れる。さらに、強度だけでなく、腕時計に使用する素材としての見た目の美しさにもこだわってきただけに、群を抜く仕上げのよさもポイントだ。

「HAKUTO-R」は2022年の月面着陸を目指し、ランダーとローバーの開発が進行する中、フライトモデルの製造に向け両社エンジニアで引き続き検討が進められている。

スーパーチタニウム採用ウォッチの旗艦モデルが2020年冬にデビュー

シチズン 50周年記念フラッグシップモデル

【チタニウム技術50周年記念フラッグシップモデル「SATELLITE WAVE GPS F950」】 CC4025-82E。光発電エコ・ドライブを搭載。衛星電波受信、位置情報取得・自動時刻受信機能を備える。SPEC●サイズ:ケース径47.5×厚み14.7 mm ●防水:10気圧 ¥500,000 税抜

時計ファンにとってのビッグニュースが2020年冬に発売を予定する、「チタニウム技術50周年記念フラッグシップモデル『SATELLITE WAVE GPS F950』」だ。本モデルは、ケースとブレスレットに、ブラックチタン(デュラテクトDLC)とデュラテクトサクラピンク使用。キレのある造形美を創り出すシャープなエッジの立ったラインと、精緻に計算し尽くされた2体構造を採用し、外観は「宇宙」、「人工衛星」をイメージしてデザインされ、世界限定550本で展開される。

問い合わせ先

シチズンお客様時計相談室

TEL:0120-78-4807

この記事の執筆者
主にモノ雑誌を中心に’80年代から活動するライター。トレンド製品や斬新な着想から生まれたガジェット全般の執筆に取り組む一方で、腕時計やバッグ、シューズといった、男の逸品をテーマにした記事も手がけている。
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