家族5人が全員職人の、ファミリー経営によるチェラミカ・ND・ドルフィ。工房のあるモンテルーポ・フィオレンティーノは、粘土質の土壌と窯を焚く木材も豊富な地域で、古くから焼き物文化が栄えた土地だ。

ドルフィがつくる陶器の種類は、マヨルカ焼。イタリアでマヨルカ焼とは少し戸惑いもあるが、14世紀以降、イタリアの職人が、スペイン製マヨルカ陶器にビザンチンの技法を取り入れた、新しいデザインの陶器をつくり世に広めた。ドルフィは、伝統製法を基本に、名器の復刻も含め、アート性の高いマヨルカ陶器が得意だ。

チェラミカ・ND・ドルフィの陶器、地元の土が一番

手づくりの味わいとアート性が、バランスよく共存

焼き上がりの色見本。
焼き上がりの色見本。
人気シリーズ『Sfera』
人気シリーズ『Sfera』
上写真の植物モチーフに比べ、ブラックにゴールドの対比がアーティスティックな『Sfera Black』
隣の植物モチーフに比べ、ブラックにゴールドの対比がアーティスティックな『Sfera Black』

たとえば、シンプルな大皿やトレイなどに、植物や動物をデコレーションし、華やかな色をアクセントに使って仕上げる。温かみのある手づくりの味わいとアート性が、バランスよく共存した作品である。

かつて、メディチをはじめ、ストロッツィやプッチなど、ルネッサンス時代の豪族たちが競って、名産地モンテルーポのマヨルカ焼を贈答品として重用していたほどの逸品。新しい時代の陶器として、ドルフィはよりオリジナリティに満ちたツヤのある作品を、今、生み出している。

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MEN'S Precious編集部 
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仁木岳彦