このところ、日本の道で走りやすいサイズのSUVが増えている。アウディのQシリーズからも、全長4.5m級のQ3が新しくなったばかり。高感度なファッショニスタにおすすめの、スタイリッシュでしっかり走れるニューモデルだ。

基本性能がしっかりしている

Q3スポーツバック35TFSI S line(516万円)は全長4520ミリ、全幅1840ミリ、全高1565ミリ。
Q3スポーツバック35TFSI S line(516万円)は全長4520ミリ、全幅1840ミリ、全高1565ミリ。
Q3スポーツバック35TFSI S lineのリアビューはスポーティで印象的。
Q3スポーツバック35TFSI S lineのリアビューはスポーティで印象的。

アウディQ3が、2020年7月に日本での発売が開始された。注目すべきは、二つの車型に二つのエンジンと二つの駆動系と、選ぶ楽しみが多いこと。もうひとつの注目点は、乗ると楽しい点である。

ラインナップは、「Q3」と、クーペライクな「Q3スポーツバック」とで構成される。エンジンは、1.5リッター4気筒ガソリン(35TFSIと呼ばれる)と、2リッター4気筒ディーゼル(35TDI)。両車型ともにトップモデルには全輪駆動の「クワトロ」が設定される。

スタイリングの印象は、エッジを各所にきかせてボディの抑揚を強調していること。Q3は機能主義的なパッケージであるものの、リアフェンダーのふくらみなどでアグレッシブな印象だ。Q3スポーツバックは、傾斜角の強いハッチゲートに、各所にクロームのアクセントがはいり、よりスポーティである。

はたして、結論的にいうと、いい出来なのだ。全長が4.5メートルていどで扱いやすいのが、まず興味をひかれる特徴。加えて、クルマとしての基本性能がしっかりしている。ここがすばらしい。

Qシリーズはサイズが違うだけ……にあらず

Q3 35TDI quattro S line(543万円)のディーゼルユニット(110kW、340Nm)は2000rpmを超えて力を出す。
Q3 35TDI quattro S line(543万円)のディーゼルユニット(110kW、340Nm)は2000rpmを超えて力を出す。
Q3 35TDI quattro S lineの「パルスオレンジ」」の車体色はオプション。
Q3 35TDI quattro S lineの「パルスオレンジ」」の車体色はオプション。

とりわけ私が感心したのは、ガソリンエンジン車。最高出力110kW(150ps)、最大トルク250Nmと、数値でみると、まずまず平均的なのだが、このエンジンを搭載したクルマ(試乗車はQ3スポーツバック)は活発に走り、かつハンドリングも足まわりの設定もうまくマッチングされていると感じた。

エンジンは上の回転域まで回しても息継ぎもほとんど感じさせず、パワーが途切れることなく加速を味わわせてくれる。足まわりにはギクシャク感もなく、ストレートでは乗員が揺れないフラットな姿勢を維持するいっぽう、コーナリングはステアリングホイールの操作への車体の反応はすなおだ。

前輪駆動のドライブトレインも自然。クワトロもQ3で体験したところ、ナチュラルで、おそらくコーナーが連続する道をとばすには、クワトロのほうがいいかもしれない(未体験)。なにはともあれ、自分がどこに乗っていくか、使用目的で決めていいと思う。

アウディにはこのところ、いいクルマが多い。SUVだと、私が気に入ったのはQ5と、新しくなったQ7だ。どちらのモデルも、パワートレインと足まわりのバランスがよくとれていて、運転が楽しい。

ただし、Q5もQ7も、サスペンションストロークが長めで、操縦感覚は、クロスオーバーというよりヨンク寄りのSUVである。Q3系の2つのモデルは、より乗用車的なので、イメージ的には一線を画している。同じに縮小版をつくる必要はないので、私としては、Q3シリーズのありかたは、おおいにアリだ。

価格は、Q3は標準モデルの438万円から、Q3スポーツバックは452万円からとなっている。

液晶スクリーンと物理的なスイッチの組合せは使いやすい。
液晶スクリーンと物理的なスイッチの組合せは使いやすい。
ホイールベースは2680ミリあるので後席もスペースに余裕がある。
ホイールベースは2680ミリあるので後席もスペースに余裕がある。

問い合わせ先

アウディ

TEL:0120-598106

この記事の執筆者
自動車誌やグルメ誌の編集長経験をもつフリーランス。守備範囲はほかにもホテル、旅、プロダクト全般、インタビューなど。ライフスタイル誌やウェブメディアなどで活躍中。