ロールス・ロイス・モーター・カーズが、新型「ロールス・ロイス・ゴースト」とロングホイールベースの「ゴースト・エクテンデッド」を発表。さっそく日本にも持ち込まれ、2020年10月5日に、東京・天王洲アイルの会場で、報道陣に公開された。

仰々しいデザイン表現はなし!

標準ボディで、全長5545ミリ、全幅2000ミリ、全高1570ミリ。
標準ボディで、全長5545ミリ、全幅2000ミリ、全高1570ミリ。
新型ゴーストはドアの開閉ともに自動で行う。
新型ゴーストはドアの開閉ともに自動で行う。

できるだけよけいなものを削ぎ落とすミニマリズムの考えでデザインされたという新型ゴースト。全長5545ミリのボディは、極端な表現は抑えつつ、美しい面で構成されているのが印象的だった。

とりわけ印象に残ったのは、グレイの塗色のはずが、上から強めの照明があたると、ほとんどホワイトに見えること。光の方向によって、ホワイトからグレイへと以降する濃淡が、余裕あるサイズのボディにきれいな抑揚をつけていくのだ。

ロールス・ロイスは、リダクション(削ぎ落とし)とか、ポスト・オピュレンス(「脱ぜいたく」と日本法人では訳す)とか表現する。そのいっぽうで、英国の伝統的な価値観であるアンダーステートメント(ひかえめ)という言葉が浮かぶ。

従来のゴーストに比して、全長が89ミリ長くなり、全幅は30ミリ広くなっている。ゴースト・エクステンデッドの全長はさらに170ミリ長い5715ミリと、堂々としたものだ。

それでも、張り出したフェンダーや、ボディ各所のクロームの飾りや、おおげさなエアロパーツなどとは、いっさい無関係な造形のおかげで、ひきしまった凝縮感がつよく感じられるのである。

開発に「苦節10年」!  新しい足回りが極上の乗り心地をもたらす

大型のTFT液晶モニターを2つ備え、物理的なスイッチはだいぶ減らされている。
大型のTFT液晶モニターを2つ備え、物理的なスイッチはだいぶ減らされている。
「ゴースト」でも広々とした後席空間をもつうえに、さらに広さを求めるひとにはホイールベース3465ミリの「ゴースト・エクステンデッド」が用意されている。
「ゴースト」でも広々とした後席空間をもつうえに、さらに広さを求めるひとにはホイールベース3465ミリの「ゴースト・エクステンデッド」が用意されている。

エンジンは、6748ccのV型12気筒で、最高出力420kW、最大トルク850Nmを誇る。8段オートマチック変速機を介して、前後輪を駆動。さらに後輪に操舵システムがそなわり、取り回しがしやすくなっているのだ。

メカニズムの目玉は、新設計の「プラナー・サスペンションシステム」が採用されたこと。ロールス・ロイスでは苦節10年といった表現をする。フロントサスペンションを構成するアッパーウィッシュボーンにダンパーを組み込むことで、理想的な動きを実現。それが「地上を飛んでいるかのような乗り心地を実現」したとする。

同時に、カメラで進んでいく先の路面状況を読み取り、瞬時にサスペンションを調整。「空飛ぶカーペット」とみずから定義する快適な乗り心地の実現が目指されている。

すばらしいクッション性を感じさせるシートといい、(ほとんどがビスポークで仕立てられる)内装のぜいたくさといい、他社のプロダクトとは一線を画している。マイクロ環境浄化システムによる車内環境の改善なども注目していいだろう。

おもしろいのは、時として競合ととらえられるベントレーの製品との比較だ。ベントレーが、ウッドとクロームで少々”大時代的”な雰囲気を演出しているのに対して、新型ゴーストはダッシュボードにも大型モニターやタッチスクリーンなどを採用。テックフォワード(ハイテク志向)の一面もセリングポイントにしているのだ。

2009年に発表された先代ゴーストは「起業家のためのビジネスツール」(ロールス・ロイス・モーター・カーズのトルステン・ミュラー=エトヴェシュ最高経営責任者)とされていた。新型でも、「ドライバーズカーとして乗ってもらいたいし、いっぽう、後席の居心地のよさも評価していただきたい」とロールス・ロイスの日本法人は、発表会の席上で話していた。

価格は、「ゴースト」が3590万円から、「ゴースト・エクステンデッド」が4200万円からだ。納車は2021年1月から始まる予定と、ロールス・ロイスの日本法人では話している。

問い合わせ先

ロールス・ロイス・モーター・カーズ東京

TEL:03-6809-5450

この記事の執筆者
自動車誌やグルメ誌の編集長経験をもつフリーランス。守備範囲はほかにもホテル、旅、プロダクト全般、インタビューなど。ライフスタイル誌やウェブメディアなどで活躍中。
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