ファッション誌のイメージを「1枚の写真」だけで表現する、表紙コーディネート。その1冊の世界観、大きな特集がどのようなものか?を一瞬で伝える名刺とも言える存在です。
そんな大切なコーディネートがどんなイメージでつくられていったのか、ラグジュアリーマガジン『Precious(プレシャス)』の2020年12月号より紐解きます。
大政絢さんが登場の表紙スタイリングを担当したのはスタイリスト・青木貴子さん。表紙で何を表現したのか?を直撃取材しました。
2020年12月号の『Precious』の表紙は、「ドレスアップ」と「エルメスのハイジュエリー」!
「編集部との打ち合わせの中で、『1年の締めくくりである12月号は、やはりドレスアップスタイルで!』というテーマのもと、現代的でセンシュアルな女性らしさを表現することになりました。
そうした中、ちょうどこの表紙の撮影の時期に、エルメスのジュエリーコレクション「ブラック・トゥー・ライト」を日本でお貸出しいただけるタイミングでしたので、これしかないと思いました。
ドレスアップスタイルでは、ネックレスやリング、ピアスなどをメインにすることが多いですが、今回のコーディネートでは、手首のバングルを主軸に考え、多層的に重ねることでこのボリューム感を出し、コンテンポラリーさを演出しました。
「ブラック・トゥー・ライト」は、肌なじみのいいピンクゴールドに、ブラックストーンが組み合わされていることにより、ブラックジュエリーが直接肌に沿っているように見えるのが魅力です」(青木さん)
メイクで、これまでとは異なる大政さんに
「11月号の表紙のコーディネートも担当させていただいたのですが、打ち合わせの際、『これまでの表紙の大政さんと違う、ドレスアップに合ったドラマティックなヘアメイクにしよう』ということになり、眉の形など、ハリウッド黄金期の女優さんを意識したような、ドレス仕様のメイクヘアにいたしました。
大政さんも、深みのある気品にあふれたほほ笑みで、いつもと違う女性像を見事に表現してくれました」(青木さん)
エルメスのジュエリーコレクションの新作「ブラック・トゥー・ライト」
【コーディネートのコツ】 ドレスアップするなら、メイク&ヘアもドレス仕様に!
ドレスをまとう時、多くの人はジュエリー・バッグ・靴も同時に華やかにしますが、しばしばメイク&ヘアがいつも通りのままという方がいらっしゃいます。それでは、せっかくの華やかな装いの魅力が半減してしまい、もったいない! ドレスの日は『いつもと違う華のあるメイク&ヘア』を、ぜひ、意識してみてください!」(青木さん)
「贅沢」は、内面的な体験も含めたトータルなこと
「最新『Precious』12月号では、『本当の"贅沢"意味とは何か?』を問う特集を展開していますが、まさにオケージョンの際のメイクをどうするか?など、場所や時間に適したスタイルを時間をかけて模索すること、そのプロセスを楽しむことこそが"贅沢"なのだと私は考えます。
"贅沢"は、単に物質的な豊かさという意味だけに留まらず、そうした内面的な体験も含めてもっとトータルなことなのだと思います」(青木さん)
このようにして、表紙の衣装は決まりました。表紙のコーディネートをつくる上で、どのような想いが込められているのかがわかると、さらに興味深く雑誌を眺めてみることができるのではないでしょうか?
どうぞ最寄りの書店などにて、お買い求めください。
- TEXT :
- Precious.jp編集部