今月のアスリート王子:古賀淳也選手(33歳)…競泳選手
ロケットスタートとバサロキックが武器!小顔のイケメンスイマー、古賀淳也選手の復帰に沸く
たくましい胸板に、ついつい目が惹きつけられます。身長181cm、体重80kg。バランスよく鍛え抜かれた体の上に、ちょこんとのった小顔もとても魅力的です。
「今は、泳いでいるのが楽しくて」はにかむように笑みを浮かべて言うのは、競泳の古賀淳也選手。その経歴は華やかです。
早稲田大学4年生だった「2009年世界水泳選手権」の男子100m背泳ぎで金メダルを獲得。それまで世界水泳で優勝したことのある日本の男子選手は、あの北島康介さんしかいなかったという時代に、古賀選手は大学生で世界の頂点に立ちました。
全身のバネを生かしたロケットスタートとバサロキックを武器に、水の抵抗を極力受けない天性のストリームラインで水中をぐいぐいと突き進み、浮き上がった時点で頭ひとつリード。
ターンの技術も巧みで、折り返しのところでさらに差を広げるのが古賀流です。最後は粘ってゴール。力強いガッツポーズがこれまた目線を惹きつけます。
兄はラグビー選手、弟は陸上・トライアスロン選手、妹はソフトボール選手というアスリート一家に育った古賀選手。大学を卒業したあとは「第一三共」に入社。2012年ロンドン五輪の出場を惜しくも逃したあと、一念発起して米国ミシガン州に4年間の水泳留学をしています。
水泳と英会話をダブルで鍛えて帰国した古賀選手は、2016年リオデジャネイロ五輪で悲願だったオリンピックの舞台に立つと、自由形の4×100mリレーにアンカーとして出場。日本にとって48年ぶりの決勝進出に貢献しました。
ちなみにこのときのリレーメンバーには、以前にアスリート王子に登場している中村克選手、今夏にタレントのおのののかさんと結婚して話題になった塩浦慎理選手もいました!
リオ五輪に自由形で出場した古賀選手。次の目標は背泳ぎで東京五輪に出場することでした。
ところが、2017年の世界水泳男子50m背泳ぎで銀メダルに輝くなど、順調に前進していた2018年3月、まさかの悪夢に襲われます。ドーピングの抜き打ちテストで禁止薬物の陽性反応が出て、4年間の出場停止処分を受けてしまったのです。
けれどもこれは、服用していたサプリメントに記載されていない禁止成分が混入していたため。「潔白」を証明しようと必死に取り組んだ結果、意図的な摂取ではなかったことが認められ、今年8月のレースで復帰し、見事に優勝しました。周りが驚いたのは言うまでもありません。
「僕は水泳が大好き。どんな状況になっても努力して結果を出すことを続けていきたいです」
甘いマスクで、とても33歳には見えない古賀選手。若いスイマーに負けず、これからも頂点を目指し続けます。
Athlete data
- TEXT :
- Precious編集部
- PHOTO :
- 矢内 由美子(スポーツライター)
- EDIT :
- 宮田典子(HATSU)、喜多容子(Precious)