2020年に発売されたラグジュアリーウォッチから、40～50代にふさわしい逸品をカテゴリーごとに選出する「Precious Watch Award」、3年目の今回も高い審美眼をもつ8人の審査員が、華やかに出そろったニューモデルのすべてを吟味し最高の一本を決定しました。

最新『Precious』1月号では「Precious Watch Award」を総力特集。この記事では、その中からコンプリケーションウォッチ賞を受賞した、ヴァン クリーフ＆アーペル「レディ アーペルポン デ ザムルー ウォッチ」をご紹介します。

関口優さん
『HODINKEE Japan』編集長
（せきぐち ゆう）1984年生まれ、埼玉県出身。新卒より出版社に入社し、2016年より腕時計専門誌編集長に。業界最年少ながら、専門誌売上No.1に導き、2019年9月より現職。2020年12月には『HODINKEE マガジン日本版』も創刊。趣味はロードバイクとワイン。
本間恵子さん
ジュエリー＆ウォッチジャーナリスト
（ほんま けいこ）ジュエリーデザイナーから宝飾専門誌エディターに転身。その後フリーランスになり、女性誌や新聞を中心に専門性の高い記事を執筆。手を洗う機会が増え、今はリングをあまりつけなくなり、大ぶりの時計を選ぶ傾向になっている。

ただ単に時刻を表示するだけではなく、トゥールビヨンや永久カレンダーといった複雑機構を搭載した「コンプリケーションウォッチ」。それを製作できるというのは、高い技術力の証であり、メゾンの矜恃や美学が結実した芸術品です。

近年では女性のためのコンプリケーションウォッチも珍しくなくなり、ハイジュエリーウォッチとのボーダーもなくなりつつあります。

もはや「芸術品」の域であるこの部門で他ブランドを抑えたのは、ヴァン クリーフ＆アーペルのロマンティックなコンプリケーションでした。これは恋人たちが1日2回、橋の中央で出会いキスを交わすという、複雑機構を詩的に表現したヴァン クリーフ＆アーペルのお家芸です。

「目にすれば、だれの胸もキュンとさせるような、人の感情を腕時計というカンバスで表した、他ブランドに類を見ないこのメゾンならではの傑作」（関口優さん）

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「レディ アーペル ポン デ ザムルー ウォッチ」￥13,440,000 ●ケース：WG×ダイヤモンド ●ケース径：38mm ●ストラップ：アリゲーター ●自動巻き（ヴァン クリーフ＆アーペル）

扇状に運針し反復する「レトログラード 」機構。主に時計の針に用いられるこの仕組みを、従来の時刻表示だけではなく、恋人たちが橋の両端から少しずつ近づき、正午と深夜に口づけを交わすという「物語」に。複雑機構をドラマに昇華させた唯一無二の一本です。

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グリザイユと呼ばれる高度なエナメル技法を駆使した文字盤の美を増幅させる、ベゼルを取り巻くダイヤモンド。
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ケースの裏にも、精緻な彫金技術によって、ロマンティックなパリの恋物語を映し出して。
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8時位置のティアドロップ形のボタンは、すぐに恋人たちの逢瀬をかなえるための魔法。これを押せばふたりは橋の中央へと歩きだす。

「口づけする前に、一瞬間があることに関し、本社CEOが男と女とはこういうものだろうとコメントしていた。そういう語りどころがあるのも楽しい時計です」（本間恵子さん）

※掲載した商品は、税抜です。

※文中の表記は、WG＝ホワイトゴールドを表します。

問い合わせ先

ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク

TEL：0120-10-1906

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PHOTO ：
戸田嘉昭・池田 敦（パイルドライバー）
STYLIST ：
関口真実
COOPERATION ：
安里昌悟
EDIT&WRITING ：
岡村佳代、長瀬裕起子、中村絵里子（Precious）
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