今月のアスリート王子:八村 塁選手(22歳)…バスケットボール選手
ルーキーシーズンを終えて今後更なる飛躍が期待される、日本が誇るNBAの八村塁選手!
2019年夏、ビッグなニュースが飛び込んできました。アメリカのプロバスケットボールリーグNBAのドラフト一巡目の全体9位で、日本人の八村 塁選手がワシントン・ウィザースに指名されたのです。
NBAでは新人選手の年俸が指名順に応じてあらかじめ決められていて、9位は370万ドル。外貨レートは変動しますが、ざっくり言って約4億円です。
八村選手の場合はさらにスポンサーもビッグで、あのマイケル・ジョーダンのブランドとも契約。契約の際はジョーダン氏から直電がかかってきたそうです。年収は1年目で約15億円でした。
お金ばかり強調してしまいましたが、アメリカといえば完全な実力社会。八村選手の高収入を支えるのは圧倒的な才能と実力です。身長203cm、体重104kgという均整の取れたガッチリボディで、得意のミドルジャンプシュートをばんばん決めます。ゴール下で体をぶつけあい、巧みな動きで相手をかわすプレーも得意です。
そして、彼の魅力を決定づけているのが、愛嬌たっぷりな笑顔。プレー中はこれぞ戦う男という真剣な表情ですが、ひとたび試合を終えれば先輩からかわいがられる、愛されキャラの22歳。
ゴージャスなプライベートジェットの機内でチームメートにおすそ分けした、北陸地方の揚げあられ菓子「白えびビーバー」がチーム内で大人気になり、そのブームが日本に"逆輸入"されるという現象も起きました。
ところで、「塁」という名前なのにどうしてバスケットボールなの? と疑問に思った人がいるかもしれません。想像にたがわず、八村選手が小学生のころに夢中だったのは野球で、ポジションは主にピッチャー。足が速く、100mで陸上の全国大会にも出場していました。
けれども、速かったのは足だけじゃなかった! 高学年になるにつれて八村選手が投げるボールはどんどん剛速球になっていき、しまいにはキャッチャーが受けられなくなったのです。
仕方なくキャッチャーに転向すると、今度は成長痛で膝が痛くなって野球を断念。中学入学からしばらくは部活に入らずぷらぷらしていたところ、友人から誘われてバスケット部に入ったのでした。
その後の成長は目を見張るばかり。宮城・明成高校3年生のときに初めて日本代表に選出され、大学からアメリカへ。NBA1年目には期待に応える活躍を見せて、NBAオールルーキーチームのセカンドチームに選ばれました。
日本で過ごした高校時代まで、英語はまったく話せなかったという八村選手ですが、今や英会話も完璧でどんどんネイティブに近づいています。NBAは12月に開幕。努力の人でもある八村選手の2年目の飛躍に注目です。
Athlete data
- TEXT :
- Precious編集部
- EDIT :
- 宮田典子(HATSU)、喜多容子(Precious)